見出し画像

「教材研究」という言葉を使わないで#188

 ここ最近、土日の朝はプロジェクトのzoomミーティングに参加しています。私は、もともと早起きなので、その時間に同じ熱量をもった仲間と話ができるのは、とても嬉しいです。今日は、教研の発表を一日、しに行ったのですが、行く前と行く道中はミーティングに参加していました。(行く道中は耳参加。)

 今回は、bookクラブの成果物を共有する会が行われたのですが、その中で、プロジェクトの顧問に、『「教材研究」と言葉を使わないで』と言われました。「教材研究」と言う言葉を使わないでほしいということです。この意味が分かりますか?

(この意味を、自分で考えてから続きを読んでください。)






私は、これを言われた瞬間に、わくわくしました。(私と同じく小学校教師の妻に話したら引かれました。)

 一斉授業から、個別化された学びに移行していくにつれて、教師の役割は変わりますよね、という話をしました。(以下、概要)

 「教師は、教室の前に立って教える役割は縮小されます。これからは、教室を歩き回って質問する役割になります。また、教材研究も変わりますね。教え方を一つに決めて考えるのではなく、それぞれの子どもたちに合わせて、様々な情報を集めておく必要があります。」

 ここで言われました。「教材研究と言う言葉を使わないで。」と。



 「教材研究」は、一つの教材について、子どもたちにどう教えていくかを、時間をかけて考える作業です。しかし、これからは個別化された学びを目指していく授業において、教材は一つではありません。クラスの子どもたちがそれぞれに、自分のテーマで、自分のペースで、自分に合った方法で、子どもたちが、学んでいくときに、教材は一つではありません。最低でも、5つか6つはあるはずです。それを一つ一つ研究するのは、ほとんど不可能です。一つ一つ教師が研究するのではなく、一人一人に合う教材を用意していいくイメージです。「教材研究」という言葉を使った時点で、先生方は「1つの教材に時間をかけて向き合うこと」をイメージしてしまうので、よくないということなのだと思います。
 教材研究ではなく、「テキストセットを準備する」という方が正確だと、教わりました。
 「教材研究」という言葉を使った時点で、子どもに一つの教材を出会わせる気がマンマンということになります。このイメージを先生方の頭から捨ててもらうためにも、「教材研究」と言う言葉を使うタイミングを吟味しようと思いました。多分、場合によってはしっくりくることもあると思うので。

それにしても、新しい知識に出会うのは、楽しい!!

 以上、エンチャントでした!


と、ここからは追記です。
一緒のプロジェクトで研究をさせてもらっている溝上剛道先生から、blogを読んでコメントいただき、なるほど確かにそうだ!と思ったので、許可を得て載せます。

ちょっと堅い話になりますが、「授業研究用語辞典」(横須賀薫編)によれば、教材研究とは、
「教材の発掘、選択からはじまり、その教材の本質を究め、さらに子どもの実態に即して授業の構想を練り、それを授業案に結実させるまでの、教材に関わる一連の研究活動のこと。」
とされています。
「教材の発掘、選択」はまさにテキストセットを準備する段階でしょう。そしてそれは「子どもの実態に即して」授業の構想を練ることに他なりません。

一方で、狭義の捉え方をしている教師が多いのも事実だと思います。
新しいパワーワードもありだとは思いますが、
「教材研究」は教師にとってとても馴染みのある言葉なので、その捉え方を「一つの教材を突き詰めて解釈することが教材研究じゃないんだ」ってふうに拡張していくのも良いかなと思います!

引用ここまで


色々な考えに触れて、自分の考えを一つに決めずに柔軟にに考えていきたいです。





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?