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教師の成長~現在地を知り、目的地をめざす~

「私たちが変化を選ぶ理由は、現状望んでいる状況との間に大きな違いを感じているからです。」

こんな一節に出会った。

1.学び・変化へのモチベーションは人によって違う

 色々な教師がいる。日々、積極的に学んでいたり、成長マインドセットをもっていたりする先生と、目の前の業務をこなすことでいっぱいいっぱいで、学ぶ余裕がなかったり、余裕があっても学ぶ意欲がなかったりする先生がいる。自分自身を高めようと頑張っている人もいれば、生きるために仕事として最低限の働きをしている人もいる。
 世の中には色んな人がいるので、学校にも色々な教師がいるのは当たり前のことであると思う。というよりは、その人のその時の周りの状況によっても変わるだろう。私は「エンチャントさんはいつもやる気にあふれていますよね!」と言われますが、そんなことはない。私にもだらだらしたい休日や、本を読む気になれないときもある。きっと私が尊敬している先生たちにもそんな一日はあるだろう。

 学び意欲や変化へのモチベーションは人によって違うだろうが、大枠でいると、上の一節「私たちが変化を選ぶ理由は、現状望んでいる状況との間に大きな違いを感じているからです。」ということだろう。

2.現在地の把握。自分と向き合う。 

 まずは、自分を知ることが大事であると思う。それが現在地の把握だ。現在地を把握するためには、今までの自分と向き合うことが大事だ。今までどんな経験をしてきて、何を大事にしてきたか。なぜ教師になったか。どんな教育観を持っているか。自分の得意なことは何で、苦手なことは何か。苦手と向き合うことができているか。
 教師は、就職活動をしていないので、こうした自分と向き合うことを意外としていない人が多いかもしれない。私はあるプロジェクトで学習をしているので、「自分と向き合う」「自分の過去と向き合うこと」ができた。自分の知らない自分に出会えることで、「ああ自分はこういう人間だったのか。」と思えた。
 若手の先生方にも、この経験をしてもらいたいが、急に「なぜ先生になったの?」と核心を突くような質問をされてもかなりうざい先輩になってしまう。まずは関係づくりをして、ある程度の人間関係ができてからこの質問をするようにしている。質問をすることで、その人の教育観を固めるお手伝いをしたい。

3.目的地をめざす。人生の方向性を決める。

 現在地がだいたい分かったら、次は目的地の設定です。どこを目指しているか。私の人生の方向性は、今のところ「なりたい自分でいること」だ。「なりたい自分ってなんですか?」と聞かれたことがあるが、それは「その時によって違う。その時に自分の中にいるリトルエンチャントに聞いて出た答えがなりたい自分だ。」と答えた。
 例えば、教師としての振る舞いすべてにおいて、この方向性は影響している。どんな授業をしたいかや、子どもとの受け答えの一つ一つについて、「なりたい自分」として計画、行動している。つまらない授業をする自分でいたくないし、子どもたち一人一人を大切にできない自分でいたくない。子どもやその保護者が安心して学校に通わせることができる担任教師でいたい。
 逆に「なりたい自分」として行動できないとちょっと落ち込みます。余裕がなくてクラスの子どもに冷たくしてしまったり、準備&精神的余裕不足でつまらない授業をしてしまったり、大人の都合に子どもを付き合わせてしまったりすると、自分自身にがっかりします。しかし、いつまでもくよくよしている自分でいたくないので、すぐに切り替えます。

学級経営で一番大切にしていること|エンチャント先生@小学校<毎日更新> (note.com)

 この「人生の方向性」は私の場合です。こういった軸をもつことができると、ブレない自分になれるし、元気を奪われにくく、メンタルを保ちやすいのではないかと考えます。

4.「変わる」には、一人じゃ難しい

 こういった「自分を知る」「目標を定める」などを一人でやることはかなり難しいと思います。自分の知らない自分に気づくには、他人の存在が必要だと思います。私は、仲間との出会いに恵まれていて、学校以外にも、勉強する仲間がいます。そういった仲間のおかげで、「変わる」ことができました。
学校の外に、仲間を作る|エンチャント先生@小学校<毎日更新> (note.com)
 しかし、仲間に出会えない人ももちろんいると思うので、どうにかこれを初任者研修のシステムに組み込んだり、校内の先輩教師がメンター的な役割を担ったりできないかと考えています。
 日本の初任者研修は、座学やその場限りのグループ協議が多いです。学びがあってもその場限りで、現場に戻って生かされないことが多いです。どんなに素晴らしい講義もその情報を受け取る側の準備ができていないと全く意味がありません。初任者研修で必要なのは、まずは「マインドセットづくり」だと思います。逆にそれができたら研修が終わっても学び続ける教師になると思います。

5.若手指導ポストの話

文部科学省は、公立小中学校に若手教員の指導にあたるポストを新設する方針を固めた。

公立小中教員に若手指導ポスト新設へ、給与も増額…「主幹教諭」と「教諭」の間に : 読売新聞 (yomiuri.co.jp)

 こんなニュースが出ましたね。しかし、私が思うのは、「人によってはうまくいかないだろう。」ということです。教師は名前の通り、教えることが好きです。良かれと思って全部教えようとします。若手の先生に、「これはこうやるのよ、あれはこうやるのよ。」と全部教えてしまいがちです。それでは、ほとんど意味がありません。若手の先生の思考を促すような指導ができる先生にこの「若手指導ポスト」を担っていただきたい。簡単に言うと、コーチングですね。この「指導ポスト」の人が持っている答えを若手の先生に押し付ける指導ではなく、若手の先生自身にすでにある答えを引き出すような指導をしてほしいです。

not 教えたがり #268|エンチャント先生@小学校<毎日更新> (note.com)

 以上、エンチャントでした。

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