幸福度?学力?~イエナプランをヒントに考えたこと~ #218
市内の先生を集めて行っている勉強会。そこにイエナプランに詳しい先生を呼んで、イエナプランの実践を行っている学校で見てきたことについて教えてもらいました。イエナプランの学びを通して、日本の教育について、自分自身の実践について見つめ直すきっかけになりました。
1.イエナプランとは
恥ずかしながら不勉強でイエナプランについては、ほとんど名前しか知らない状態でした。ちょっと自信がないので書きませんが、HPのURLを貼らさせていただきます。
日本イエナプラン教育協会 (japanjenaplan.org)
話を聞いて考えたことを書きます。
2.いいな!と思ったこと
①「対話」「遊び」「仕事」「催し」
この4つをカリキュラムの主な構成要素としていて、この4つの活動を循環させながら行っている。
②対話
対話をとても大事にしている。自分の意見を言う、相手の意見を受容する。民主主義の練習である。
朝のサークル、クラス会議、帰りのサークル、インストラクションでもサークル、読書対話、市民教育などサークルになって話す。
③仕事
それぞれの週計画で学ぶ。ブロックアワーは、一人ひとりの子どもたちが週の計画を自分たちで立てて、自己コントロールしながら学習をする。教師は調整をする。
午前は集中して学ぶ系をいれる、午後は友達と探究。
三学年ごとの異年齢だから落ちこぼれや吹きこぼれが出ない。
サイコロで集中、助けて、聞いてOK、先生来てを表示する。
テーブルグループは先生が決める
先生がむやみやたらに介入しない、子ども同士で教え合う
教師は人間としての成長にとって価値ある働きかけをする
④教室
黒板がない
サークルが常設されている
つねに島がある
電子黒板は横におく(前後ろの方向をつけない)
花をおくなど、教室はリビングルーム(誰にとっても過ごしやすい安心できる空間)子どもたちと内装を決める
⑤ワールドオリエンテーション
イエナプランのハート
子どもから湧き出てきた問いを探求する
問いを出し、子ども自身でアポどり、インタビュー、さらなる問い、体験
⑥遊び
遊びは学びの原初的な形態
教室は、リビングルームかつ遊びの空間でもある
遊ぶためのボードゲームやおもちゃを教室や廊下に配置
仕事に取り組んでいるときに遊び始める子はいない。仕事の責任があるから。遊んで終わらなかったら自分の責任。を振り返りながら身につけていく。
⑦体育
競技はやらない
さまざまな動きを楽しむ場を作る
動きの場が常設されている
人のバイオリズムに配慮
動きの自由。集中後のリラックス
仲間作り
安心、安全な居場所
職員のチームビルディングを勤務時間内にやる
3.幸福度か?学力か?
まず思ったことは、イエナプランいいな!です。子どもたちのことを大切に考えていたら自然と行きつく先のような気がしました。それに対して、日本の学校は…と思いました。
PISA2022の結果、数学的リテラシー、読解力、科学的リテラシーにおいて、前回調査よりも平均点UP。日本の学力はUPしていました。「オランダはPISAの結果は低いが、幸福度が高い」と聞きました。
そもそもPISAで目指しているものとイエナプランがめざしているが違うのだと思います。個人的には幸福度が高い方がいいのではないかと思い、PISA2022の日本の結果がよくなったと言っても、なんかむなしく感じてしまいました。
4.保護者との関係
オランダは学校選択制だといいます。保護者は頻繁に学校に来て、学校に協力するようです。ここも、日本と大きく違うなと思います。働き方がちがうので、余裕があり、子育てに時間と労力をかけられる。働くことよりも、子育ての方が大事だよなーと、改めて思います。
評価について質問した人がいて、子どもが親や先生に自分をプレゼンする機会があると聞きました。これがこれからの日本が目指す評価の在り方のように思いました。
5.子どもに合わせる
「タスクは子どもに合わせる、人のバイオリズムに配慮する」
こういった考えが日本にはまだ広まっている途中であると思います。45分間いすに座り続けるだけでもよく考えれば苦痛です。しかも、あの固いいすに。これから成長していく大事な子どもたちに座らせるいすは、もっと座り心地のいい椅子であるべきですよね…。
学習についても、一律一斉のタスクが多いです。タスクは子どもに合わせることができるようにしたい。学年の枠があることや、1クラスの人数が多いことが足かせになっているのだと思いました。
以上、エンチャントでした。
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