「個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実」についてまとめてみた #240
職員室の先生向けに書いていきます。自分なりの解釈なので、間違っているところもあると思います…。しかし、書く!
次年度の校内研のテーマに、「個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実」という文言が入りました。私は、内心、よし!と思いました。もう一斉一律教師主導の授業を先生方が捨てるにはきっかけが必要だと思っていました!私は異動ですが、今年度孤軍奮闘してきたことを年度末に勉強会を開き伝えたいと思います。まずは、「個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実」とは?について、知りたい人が多いと思うので、整理したいと思います。
1.「個別最適な学び」とは
①指導の個別化
つまりは、
一律一斉ではなく、C児にも重点的・効果的に指導をすること。
色んな子に合わせた指導方法、教材、単元計画を提供すること
ということですね。ここからは個人的解釈ですが、
教材研究をして教材を一つ準備するだけではなく、教材セットを複数準備することやそれを子どもたちに選ばせること。
自分で学びを進める子、教師と一緒に進めていく子が同時にいること。
単元を4時間で終わる子もいれば、7時間かかる子もいるということ。それぞれの子に合わせた単元計画をマネジメントすること。
ただ学習内容を習得していくのではない。
・学び方を学ぶこと
・自分に合った学び方を知ること(メタ認知!)
教師に求められるもの
・学習状況の把握=教師の見取り力!見取れるシステムにする。
・学習の進め方を子どもたち一人一人に提案する力
・教師の役割は、教えるのではなく、学びをサポートする役割になる。
②学習の個性化
つまり、教師は、子どもたちが学びたいものを選んで学べるように調整するということです。学習内容に子どもを合わせるのではなく、子どもに学習内容を合わせるということですね。
つまり、
・子どもそれぞれに、目標が違う
・子どもがそれぞれ課題と進め方を決める
・そのために、教師は指導を工夫する(今までの工夫とは全然違う)
ということですね。
個人解釈ですが、
・教師が決めるのではなく、子どもと決める
・教える→子どもの学びを支える
ということだ。
2.「協働的な学び」とは
「個別最適な学び」と個別学習と勘違いする人がいます。自習ではありません。「*個別化された学び」の条件の一つとして、他者との協働は欠かせません。子どもたちが同じ学習目標を追求するために、他者との関係を通じてアイディアを構築していくことを意味します。その仲間意識が子どもたちに本当の力を与えます。「個別化」という言葉を使っていますが、他者との関わりは必須ということです。
*『学びの中心はやっぱり生徒だ!~「個別化された学び」と「思考の習慣」』(新評論)
3.「一体的に充実」するとどうなる?
つまり、
実態に合わせて、ICTを積極的に取り入れ、一体的に充実されていけば、主体的で対話的で深い学びの実現改善につながっていくということですね。
4.評価
「個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実」を突き詰めていくと、もちろん評価の在り方も変わります。児童それぞれに目標が違うわけなので、評価規準もそれぞれにある方がいいです。テストも、選べる方がいいです。しかし、これはなかなか難しい…。
せめて、テストを受けるタイミングを自分で決められるようにはしたいです。
そして、「個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実」と総括評価重視は相性が悪いです。形成的評価に重点を置いていく必要があります。
これはまさに、これからの学びの形における教師の動きと同じです。総括評価をして、おしまいじゃ、子どもたちに力がつかないです。どちらに力を入れるか?もちろん、形成的評価です。
また、「個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実」において大事なことが、子どもたちが「自ら学びを調整する」ことです。どれくらい理解しているかという内容の理解もそうですが、この調整がうまくできているかを自己評価することやその自己評価と教師による他者評価にどれくらいの差異があるかを考えることも求められます。これはまさにメタ認知。毎回の授業で自分の学習をふり返り、自己評価をすることや、単元全体を学習し終えたときに、単元全体での自分の学びをふり返り、自己評価することが大事であると思います。
5.いろいろな実践例がある
書籍がたくさん出ていて、実践例もかなり増えてきました。
・子どもが先生役をする授業
・子どもが選択する場面が多い授業
・子どもが単元を作る授業
・子どもが評価基準をつくり、自己評価をする授業
・単元内自由進度学習
・教科内自由進度学習
・全教科内自由進度学習
・一斉授業の間にいくつかの自由進度学習が入る単元
・授業の中に、何分間か自由進度が入る授業
・関連する複数教科同時進行の自由進度
細かく紹介するほど、知っているわけではないので、割愛しますが、チャレンジしたいところから始めるのがいいと思います。私もそうでした。
すべてのやり方に共通することは、「急にはできないが、焦らない」です。
少しずつ子どもがチャレンジする部分を増やしていくこと。
失敗して当然。失敗を価値づけ、失敗から学ぶマインドをもつこと
あきらめないこと!
簡単なやり方に逃げないこと
自分で決めた本当に大事なことを見失わないこと
子どもの力を信じること
お互いに見合う。上手くいっていないことを言い合う。積極的に見てもらう
例えば、
「その時間ですべての子に理解させること」よりも「自分の力で最後に分かるようになった」方が大事。
「失敗させないように支援する」よりも「失敗を乗り越えるサポートをする」方が大事。
焦って行うその手立てが子どもの成長を奪うこともあるということです。
6.私の実践例
私は、「子どもに学びを渡すこと」をテーマにしていたので、どの方法なら、子どもに学びを渡していけるかを考えました。
今振り返ると、このように取り組みが変わっていきました。
①一斉授業で学び方を学ぶ。
②子どもに先生役を渡す。
③グループに授業を渡す。
④自分で学び方を選ぶ。
同時に「行事」や「クラス」のことも、渡していきました。
それぞれ、noteのバックナンバーに記事があります。
3学期は、国・算・社は一斉授業をほとんどしなくなりました。
単元初めのミニレッスン。
同じつまづきがある人を集めてのレクチャータイム。くらいです。
それでも、単元の最後にはほとんどの児童が、教師主導の一斉一律授業をしていたころと変わらないかもしくはそれ以上の理解度を見せます。もちろん、例外はあります。最後まで分からなかった子には、根気強く教えましたが、テストで点を落としました。身に付いた自信は比べ物になりません。自分たちで学べたわけですので。
子どもたちにも聞いてみました。
子どもたちにアンケートを取りました
それぞれの詳しい実践については、勉強会のときにお示しします!
以上、エンチャントでした。
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