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採点競技

ぴょんちゃんおりんぴっく、終わりましたね。imasara

なんだかんだ、冬のオリンピックをしっかりみたのは生まれて初めてだったかもしれません。
トリノとバンクーバーはフィギュアだけみた気がするけど、ソチってほとんど記憶にない。羽生のゆづるんが金とって帰ってきたのはなんとなく知ってたけど、どんな演技したかとか、全然知らない。覚えてない。

でも今年はちょこちょこ他の競技も観たんです。ビッグエアっていうの、楽しそう!やりたい!って思いました。あとやっぱりスキーしながら飛んだり跳んだり回ったりは全部楽しそう。
いろいろと楽しんで観戦できたけど、その中でも、やっぱり、採点競技は特別だなって思った。

基本的に、夏のオリンピックで手一杯だった。
だって、普段一緒に練習してる、同じクラブの子たちが出るんだもん、観ないといけないよね。っていうか、自分がやってる競技はルールも難しさもよくわかるから観てて楽しいし、怖いし、疲れるけど興奮するし、なんだかんだ熱中しちゃう。
まあ私は周りの子に比べたらぜんぜん競技のオタクって感じじゃなくて、海外の選手の名前とか演技構成とかよく知らなかったんだけど。

シドニーは当時私たちが教わっていた先生が協会の仕事で現地に行って、アテネのときも私たちの班の先生が帯同していった。当時(も?)人気のない競技だったので友達のおうちでBSかなんかの録画を観ていたら先生がしっかり映っていて、なんだか誇らしくなった。めちゃくちゃ怖くてどうしようもなく気分屋の先生だったけど、指導も補助も本当に上手だったな。元気かなあ。
北京はほんとうならそこの世代だったからなんとなく観たくなかった。どう考えても当時の自分はまっっっったく頑張ってなかったから、目を背ける資格さえないんだけど、高校に集められて仲間と応援してるヤラセ映像を撮らされたときは、もう、なんか、ほんとやるせなかった。
ロンドンのときはもう辞めていたけどまだ気持ちの整理がつかなくて、同じクラブだった子が演技するのを観た記憶がほとんどない。その競技そのものから、逃げるように生きていた気がする。たぶん。
リオはもう同年代なんてほとんど引退しているし、離れて久しかったので完全に観客として楽しめた気がする。ちょっと下の世代の子たちが頑張ってるのを観て、嬉しく思ってあたたかく応援できている、そんな自分がいることにまた嬉しくなった。

そんな感じで、やっとここ数年、楽しんで観ることができるようになった気がする。それは私がやっていた競技だけじゃなくて、採点競技全般そうだったかも、と、そう感じた。

体操、新体操、フィギュアスケート、シンクロ、などなど。
採点競技は基本的に美しさを競う競技なので、指先足先、髪の毛の先まで、どうみられるかずーーーーっと気にしていないといけない。立ち居振る舞いとか、所作とか、全部自然と美しくなるっているのは半分嘘で、みんな死ぬほど意識して首伸ばしてる。それが何年も続いて、やっと整った立ち姿を手に入れる。

体重を厳密に管理したりもする。うちのクラブは体重制限が特に厳しいことで有名だったけど(だったから?)、50g単位で管理されていた。オーバーすると練習させてもらえないし、体育館から追い出されるし、ずっと走ってなきゃいけないし(なんだかんだみんなサボってベンチに座ってることが多かったけど)、罵倒されるし、ほんとしんどかった。シンクロは逆にたくさん食べなきゃいけないらしくて、それはそれで苦しそうだけど、羨ましいなんて思うほどに、しんどかった。
一昨年くらいから話題のシンデレラ体重なんて「いやデブだろ」って思っちゃうくらい、みんな頑張ってた。
その場しのぎの帳尻合わせばっかりしていたから、チョコレートは食べるけど水は飲まない、とかそんなことが当たり前になっていた。
それをきっかけに摂食障害になる子もいたし、引退してからなった子も多い。私も数年前までは過食嘔吐がひどかった。

そんなこんなで、美しさを競う競技は観ていて楽しいけど、どこかでずっと苦しかった。まおちゃんとかも、のびのび滑れていた子どもの頃からすると最後の方は本当に苦しそうで、それはフィギュアだからってだけじゃないかもしれないけど、なんかほんとに苦しかった。

コンディションを整える、怪我しないように体と相談する、日々の生活に目を向け、気をつける。
そんなのはどの競技も同じかもしれない。っていうかスポーツじゃなくても、ふつーの社会人とかもみんな、そうかもしれない。
ただ、私は苦しかったし、たぶん私の周りのみんなも、苦しかった。
この前、一緒に練習していた少し年上のお姉さんが取材されて、記事が公開になった。21歳の時165cm43kgで、初めて生理がきて、ショックだった、と。

世の中の常識と競技者の常識は往々にしてずれがちだなって、改めて思った。

オリンピアンは往々にして世の中に馴染めないなとも、ずっと思ってた。
元彼の子供を産んでシングルマザーとか、恋愛の仕方を知らないから30過ぎても彼氏ができたこともなく、周りから笑われるような恋愛しかできないとか、結局指導者にしかなれないとか、辞めたあとにバーンアウトしちゃってやりたいことがわからなくなるとか。
シングルマザーや独身、まして指導者が悪いわけではないけれど、ほかに選択肢がなくなっちゃって、むしろ考えることすら放棄してそこに帰着している感じ。
ずーっと子どもの頃から競技のことだけ考えてるからそうなっちゃうのかなあ。

競技者だけじゃなくて、何かに熱中しすぎる人は基本的にみんなそうかも。

採点競技とは関係ないところに帰着してしまった感は否めないけど、なんとなく言いたいことは書けた気がするのでこれでよしとします。

今日はうちの盆栽さんの剪定をしました。花の季節ももう終わり!

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