批評系同人誌プレイバック 2 「KLUSTER」1号

モスコミューン出版部「KLUSTER」1号

2003年11月3日初版第一刷発行(私が所有しているのは2004年2月29日二版第一刷) 

目次には……


東浩紀氏インタビュー『はてな・文学・80年代』

心が風邪をひいた日 佐藤友哉のために hitomisiring

「あかほりさとる」試論 前田Q

勇者と探偵のゲーム 前島賢

かつてタモリは、マッカーサーとおなじレイバンのサングラスをかけていた タモリブームと戦後60年 石神國男


……など


  我が家にある批評系同人誌をいきあたりばったりにふり返る第2回。

「かつてタモリは、マッカーサーとおなじレイバンのサングラスをかけていた」は、「笑っていいとも!」の映像を素材にしたK.K.「ワラッテイイトモ、」がキリンアートアワードで審査員特別優秀賞を獲得し話題になった余波のなかで書かれたもの。“初出:『月刊アンビバレンツ』2004年12月号掲載”(←年と月に注意)の“書評”である。

  田中康夫『なんとなく、クリスタル』、高橋源一郎『さようなら、ギャングたち』、島田雅彦『優しいサヨクのための嬉遊曲』、村上春樹『ノルウェイの森』など、80年代小説の作品世界や設定を流用・交錯させた「TVオレンジ」(「渦潮」2月号、渦潮新人賞受賞)でデビューした六ヶ所龍太郎が、「文芸界」9月号にタモリを題材にした小説「交錯機械」を発表した。同作には、若き日のタモリ(森田一義)がモデルのモリタ・カズヨシと、「ヒッショウと呼んでくれ!」というモリタ・マサカツが登場する。後者は、盾の会メンバーで三島由紀夫とともに自決した森田必勝がモデル。2人の森田は、いずれも1945年生まれで早稲田大学に進学したのだった。「交錯機械」では、後に正午のバラエティ番組の司会者になったカズヨシが、マサカツのことを思い出す……。

「かつてタモリは、~」を読むと、評された「交錯機械」という小説がすごく読みたくなる。この“書評”の筆者は → http://d.hatena.ne.jp/d-sakamata/20040101/p3


 最近『セカイ系とは何か』が文庫化された前島賢の「勇者と探偵のゲーム」は、評論ではなく小説。

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