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DunsmuirからEtnaへ!旅の始まり!(前編)



トレイルヘッドに一苦労


Amtrakが駅に到着したのは午前4時。
列車内で何個かトレッキングポールがついたバックパックを見かけたので、どうやらハイカーが居るとわかった。 

Dunsmuirで下車したのは我々とおばあさんと健脚そうなハイカーがひとり。
荷物を降ろし準備しているハイカーにバディが話しかける。彼も同じセクションハイカーだった。PCTを毎年少しずつセクションで歩いているらしい。
名前はデリック。君たちはトレイルヘッドまでどうやって向かうんだい?と聞かれまだ考え中だけどUberで行こうかと思ってる。
君は?と聞くとトレイルヘッドまで4mileだから歩いていくよ、また会おう!
と彼は早々に出発していった。
ちなみに1mile=1.6km,大体1時間で2mile程。
我々も歩くことは選択肢の中にあったのだが地図を見ると、訳の分からないハイウェイを歩くことになりそうでUberに淡い期待を抱いて佇んでしまった。

Uberのアプリを立ち上げるが地図上に車のマークがない。1時間ちょっと粘った。(粘るもなにもないが。)何台か居るだろうと思っていたけど、アメリカの田舎町をなめてはいけない。恐らくこの町にはUberはないと察してGoogleマップを開き6時にオープンするカフェがあるからそこで作戦会議する為に歩いて移動。
店内に座れると思ったらまさかのドライブスルーカフェ。しかし外に揺れる椅子があったのでコーヒーブレイク。
バディがポストオフィスで友達に贈り物があるから空くのをここで待った。

当初ではお昼前にトレイルヘッドについて15mileくらい歩けたらいいね。という話を前日していたのだが、今日中にトレイルヘッドに着いたらいいね。と目標がかなり低くなってしまった。

寒かったのでここのカフェがやってて本当に助かった

トレイルエンジェルは実在した


ポストオフィスが開いたので荷物を送り身支度を始める。
街でヒッチハイクしてみようとなり外に出るとポストオフィスから一人のイケオジが出てきて声をかけてくる。やあ!君たちハイカー?と聞かれ、セクションハイカーだよと答える。
そしたら彼も同じでなんとトレイルエンジェルの家に泊まっていて今日トレイルに戻るとのこと。
トレイルヘッドまでどうやって行くか悩んでるといったら一緒にトレイルエンジェルの家に行って送ってもらおう!と提案してくれたのだ。神だ。
そんな彼は10年前からPCTを歩くと決めてセクションで歩いているらしい。
トレイルネームはディケイド。ディケイドは10年間って意味。彼は今回、Kennedy MeadowからEtnaまでらしい。旅の終盤だったのだ。

15分くらい歩いてトレイルエンジェルの家に到着。トレイルエンジェルは外出していて、ディケイドはパッキングしてくるから君たちはここで待っててと言われ、玄関前に座る。
二人でぼーっとしていると一人の女性が来る。そしてひと言。
あなたたち、だれ?玄関に知らない男女座ってたら怖いもんね。
ハイカーでトレイルヘッドに行きたい旨を説明したら家にあげてくれた。
彼女はアジアの文化が好きで家のそこら中にタイの寺院みたいな装飾が施されていた。あと可愛い犬がいる。ディケイドも交じり今年のシーズンの話を聞く。やっぱり雪やら山火事やらがすごくてPCTハイカーは苦戦したしケガ人も多かったそう。

トレイルエンジェルはとても優しくてお腹すいてる?何か要るものある?
と面倒を見てくれた。ここの水は美味しいからここから持っていきなさいと補給させてくれた。30分くらい談笑して車に乗り込んでトレイルヘッドに出発。ここのトレイルヘッドはすごい分かりにくくて送ってもらって本当に助かった。車から降りたらトレイルエンジェルがタイぽいお祈りしてくれて別れた。ディケイドともトレイル上で会おう!と挨拶して別れた。

そんな感じでわたしは初日からトレイルエンジェルに実在することをあっさり知ったのだった。

トレイルエンジェルとピックアップトラック


バディとディケイド(勝手に兄貴と呼んでいた)


ようやくハイキングの始まり

我々もスタート地点のトレイルヘッドで記念撮影をして向かう。
今回の旅で私はハイキングスキル的なものを上げたいとバディに言ったら、じゃあ時間差でスタートしようかなと言うので先に1人でスタートした。私が遅くてあまり意味なかったが。笑

街から山に戻るので地味な登りが続き、当分車の音が聞こえて自分はアメリカの山中にいるんだー!と気持ちには到底ならなかった。

1時間ちょっと歩き、水が流れているとこで休憩。この辺は地元民からは里山感覚なのかペット連れのハイカー多くて癒された。バディは歩くのが早いので20分ほど休憩してたら合流してきた。そしてここで私は初めて川の水を浄水して飲む。
日本では大体小屋で補給したりだったので浄水器を使うのが初めてだった。

プラティパスに水を汲み、Sawyerを付ける。
いま思い出すだけでも恥ずかしいのだが、そのあと私がバディに、これ何分待てばいいの?と質問した。
バディが、え?どういうこと?ってなってる。
え?これ待つんじゃないの?と私は聞き返す。
そう、私は浄水器を付けたら少し待って浄水されるものだと思っていた。バディが、こうやるんだよと逆さにして水を押し出すだけだった。
なんで待つと思ったの?とまたもやドストレートな質問に恥ずかしくなった。なぜ私はありとあらゆるものに対して説明書を見ないのだろうか。恥ずかしさの極み。
これは後にバディが寒い寒いバーモント州のロングトレイルを歩いてる最中に、思い出してひとりで笑っていたネタのひとつになったらしい。

Sawyerの使い方を覚えた

そして時刻もちょうどお昼くらいだったのでここでランチタイム。
記念すべき初めてのトレイルフード!
お昼はガスを使わずに済ませる。トルティーヤにチーズとサラミ。
そして今回はターゲットで買ったアボカドソースがかなり万能だった。
トルティーヤは一日2枚食べれる計算。意外とお腹に溜まった。
これにREIで購入したホットソースは大正解でした。

トルティーヤ、サラミ、チーズ、アボカドソース

1時間ほど休憩して本日のテントサイトを目指す。徐々に車の音もなくなり、自然の中に入っていく。大きな松の木や松ぼっくりや岩々しい景色が新鮮だったが寝不足で一日移動していたので、なかなか歩くペースが上がらず前に進まない・・・。
テントサイトの候補は2つあって、今日中に大きな登りを頑張っていくか、その手前のテントサイトで寝るかの2択。もちろん手前のテントサイトを即決した。16時くらいにテントサイトに到着しテントを張る。

ひたすらだらだらと登っていく

初日は二人とも疲れていて13mileほどで終了。初日だしいいだろう・・。
お互いテントなど設営して夕飯を食べながら明日の予定を話していたのだがとにかく蚊がやばい。1時間で20か所くらい刺された。
疲労がかなり溜まっていたのでたくさん寝ようとだけ話して解散。

翌日、太陽の日差しがまぶしくて目が覚める。時計を見ると9時過ぎ。
バディはまだ寝てる。相当疲れてたのか11時間くらい睡眠していた。
さすがにバディを起こし身支度を始める。今日は大きな登りからスタート。
移動の疲れがなかなか取れないが、大きな松の木や植物を見ながらゆっくりながら前進していく。昨日、蚊に刺された場所がひどく腫れあがり、顔がボクサーみたいになっていた。レスキューバーム塗りまくる。

二日も歩けばさすがに山中に入っていき身体全身で自然を感じて歩いた。
トレイル上でのトイレが出国前はできるかどうか心配していたがなにも問題はなかったし、徐々に体がトレイルに順応していっている感じがした。
そのうえ私自身がもともと小さいことは気にしない雑な性格なのもある気がした。ハイキングでは活かされていたので良かった。

色んな動物に会えることを期待していたが山火事の煙の影響なのか、
残念ながら動物の気配はあまりしなかった。
だけど海外でのハイキングが初めての私は、何日も歩くのも、
トレイル上での食事、トイレ、カウボーイキャンプなど新鮮なトレイルライフが身近なことでも毎日を楽しませてくれていた気がする。

カウボーイキャンプの様子

カウボーイキャンプもアメリカが初めてだったけど、流れ星を沢山見て
静かな森の中で寝れるのはとても心地よかった。
そして翌朝も撤収もなくすぐにパッキングできるから最高。

はじめのセクションはすべてが初めてだったので毎日新鮮な気持ちとやる気に満ちていて実力に合ってない歩き方ばっかしていたのでとても疲れました。

次回はいよいよテンカラの釣行も書きたいと思います!


Happy Trails!

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