【記憶を上書きするために臨んだ一戦】2024.4.21 名古屋グランパス vs セレッソ大阪
2024/4/21の日曜日。前週のアウェイジュビロ磐田戦と水曜日のルヴァンカップ大宮アルディージャ戦における2連勝を経て迎えた、首位クラブとの決戦の日の朝。曇り空を見上げながら、私の心は、どこかどんよりしてしまっていました。
遡ること一週間前の2024/4/13の土曜日。アウェイ磐田戦での薄氷の勝利によって、今季初めて白星が先行した名古屋グランパス。その試合後、ヤマハスタジアムからの帰り道に他会場の結果を調べていると、次節の相手であるセレッソ大阪が単独首位に浮上したことを知りました。
その時、私の頭に去来したのは、3年前の川崎フロンターレとの2連戦の忌々しい記憶でした。その2021シーズンの川崎Fと、次節に対戦する今シーズンのC大阪には、符合する事柄がいくつかあったからでした。
首位
負けなし(川崎F-12試合、C大阪-8試合)
とは言え、直近こちらの苦手意識は無し
会場は豊田スタジアム
4月下旬開催(川崎F-4/29、C大阪-4/21)
2021シーズンの川崎Fとの2連戦は、当時JリーグとDAZNによって「首位攻防2連戦」と大々的にプロモートされ、その日唯一のJ1の試合であったこともあり、多くのJリーグファンの注目を集めることとなりました。
そのグランパスのホームでの一戦目は「0-4」の完敗。続くアウェイでの2戦目でも「2-3」と敗戦。順位こそ2連戦前と変わらず2位のままでしたが、首位クラブに痛恨の連敗を喫してしまったグランパスは、優勝への気運が大きく削がれてしまう結果となってしまったのでした。
特に一戦目は、朝から雨が振り続いていて、何故かどんよりして迎えてしまい、最後までそのような気持ちでいてしまっていたように記憶しています。
そんなことが一気に走馬灯のように私の頭を駆け抜けて、暫く心がザワザワしてしまいました。そのことを翌日、文章に吐き出してしまいました。
このnoteを書いた後、読んでくださった仲間が、「あの時と今年は違うよ」「あの時を経験している選手(ランゲラック、武田洋平、米本拓司、稲垣祥)が頑張ってくれるはず」といった感想を寄せてくれました。
そういった仲間の言葉に勇気を貰い、私自身もこのクラブは同じ轍は踏まない、と信じ込んでいた中での、C大阪戦当日のどんよりとした天候だったのでした。そして天気予報においても、試合時間の豊田スタジアムは雨であると報じられていました。
試合当日の朝に感じるいつものワクワク感を、天候のせいで呼び起こされてしまった3年前の記憶が凌駕してしまっていたのでした。
気分を切り替えるために、試合日の恒例としている朝Runに出かけました。その途中の久屋大通公園で、その日の「12:00」からビアフェスが開催されることを知りました。
普段のホーム試合は早めに豊田スタジアムへ行き、試合まで心を整える(ビールを飲むだけですが…)ことをルーティンにしているのですが、この日は試合直前までグランパスのことを考えない方がいいかなと思い、こちらのイベントに参加することにしました。
このイベントに参加されていたサポーター仲間のニドケイさんとそのご友人と楽しいひと時を過ごさせてもらって、どんよりした気分はどこかへ飛んで行き、良い感じのテンションで豊田スタジアムへ向かうことができたのでした。ニドケイさん、てんどうさん、ありがとうございました。
この日の座席は「4階指定席バック」にしました。コンウェンさんとダンコバさんのプレビュー記事を拝読し、両クラブの戦いを俯瞰で眺めたいという気持ちと、雨予報だったので屋根のある席が良いなと思い、豊田線の電車の中で4階席に決めたのでした。
ビールと「諭吉のからあげ」を手に座席に到着した時には、試合開始の「15:00」直前でした。
試合直前の豊田大橋の自然渋滞(徒歩)と、豊田スタジアム4階席までの山登りの大変さを全く想定していませんでした…。今後は気をつけようと思います。
前半は、Xのタイムラインのポストや有識者の方々によるレビュー記事の通り、セレッソ大阪が展開したサッカーを褒めるしかありませんでした。特に、登里享平選手と毎熊晟矢選手のプレーには、シンプルに魅了されてしまいました。
しかし “勝負師” 長谷川健太監督による、前半途中の非情ながらもプロフェッショナルな采配(吉田温紀選手、次もサポートしますよ!)と、これまでの今季の試合で幾度も見せてくれたハーフタイムでの軌道修正を思うと、幾分か冷静でいられる自分もいました。
今振り返ると、バックの4階席は、ご家族連れや私のようなゆっくり試合を観たいのではないかといった方々が多く、静かに、それでいて熱い気持ちで応援される方が多い印象でした。
その方々のおかげもあり、前半の押し込まれた試合展開にも関わらず、上述のようなポストが出来たような気がします。
後半に関しては、簡単なメモを残していました。一つずつ、振り返ってみます。
なお、公式時間でメモする癖が抜け切らず、記載の時間はDAZN表記の時間から「+1分」になります。
先ず後半キックオフの「名古屋グランパス」のコールがとっても良かった!スタジアム全体の後半へのスイッチが、このコールによって切り替わったのではないでしょうか?バック4階も何グループかのご家族連れが拍手されていて、もちろん私も精一杯拍手しました👏
そして64分から起こった『風』チャント。3月のアウェイ柏レイソル戦ではセットプレーのタイミングでの歌い出しだったのではないかと思いますが、この日はここぞのインプレー中のタイミングで繰り出されたので、思わずメモしてしまいました。
そのプレーの流れで得たコーナーキックから、三國ケネディエブス選手のJ1初ゴールが生まれました。「すごい」というより、アウェイ柏戦以上に『風』が呼び込んだゴールな気がして、オーディエンスが作り出す雰囲気によってアーティストのパフォーマンスがアガる音楽ライブを見た時のような、そんな感動が私を包みました。
そして、レアルマドリーのジュード・ベリンガム選手を彷彿とさせるケネディ選手のゴールセレブレーション!
4階席から見ても本当にカッコよかった!アウェイ柏戦でのハ チャンレ選手のゴールのアシスト時も同じポーズをしていました!
ただ、次の機会ではもう少し内田宅哉選手や他の選手は、お祝いに駆けつけるのを遅くしてくれるといいなと思っています😅
続く、69分の中山克広選手のシュートブロックと、その溢れたボールがゴールラインを割りそうになり、相手コーナーキックになりそうなところをスライディングでそのボールを掻き出した場面。バック4階席においては、大きな拍手が湧き起こりました。私たちのミスから同点になってしまった時間帯での、嫌な流れを断ち切るビックプレーだったと、皆さんが感じたのだと思います。
その中山選手は、78分のプレーでも、バック4階に拍手を湧き起こさせてくれました。
グランパス陣地での、C大阪のサイドチェンジのズレを見逃さず、パスカットして前へと運び出そうとしたところでファウルを誘発。タックルしたカピシャーバ選手には、イエローカードが提示されました。
相手の攻撃が続く嫌な時間帯での中山選手によるナイスプレー。ひょっとしたらこのプレーをきっかけに、『イエローサブマリン』が繰り出され、その歌詞にある “決めろゴール” のタイミングにおいて、永井謙佑選手の決勝ゴールが生まれたのではないか、そう言いたくるようなビックプレーに感じました。
試合終盤の87分頃からのチャント『俺たちの魂』と『輝く星』では、バック4階のほとんどの方々が拍手をしていたのではないかと思います!
そして、豊田スタジアムに鳴り響いたタイムアップの笛!本当にスリリングな後半45分でした!!
しかし、笛が鳴っても鳴り止まない『輝く星を』。思えば、先月の横浜F・マリノス戦の勝利後も、ゴール裏のサポーターは「勝ち獲れ 輝く星を」と歌い続けていました。「歓喜の時は星を掴むその時なんだ」、そのように私には聴こえました。
そして最後のメモの事項「挨拶の順番 ゴール裏を最後に?」は、試合後の場内一周がホーム側のメインスタンドから始まったことに気付いて、メモしたものでした。
これまで私が見逃していたのかもしれませんが、ホーム側のメインから挨拶が始まるその光景がとても新鮮で、スタジアム一周の最後をゴール裏で終わらせる、というクラブの意図なのかなと思いました。それだけ、クラブも勝利後の『風』を大事にしてくれているのだと感じたのでした。
この日選んだバック4階席は、ヤジ等もなく(私はレフェリーと登里選手が交錯してしまった際に声を上げてしまいましたが…)、良いプレーには拍手が起こり、ピッチで起こっている事象全てを俯瞰できる、とても良い席だなと感じました。私自身の観戦に最適な席を巡る冒険は、もう暫く続くような気がします…。
無敗の首位クラブを相手に、ホーム豊田スタジアムで見事勝利!!!未だ未だシーズン序盤ですが、少なくともあの 3年前の忌々しい記憶を上書きできたような気がします。
3年前の豊田スタジアムでの第一戦目、前半に「0-3」と川崎Fにリードを許し、スタジアム中の誰もが意気消沈する中で、ある選手の声がピッチに響き渡りました。
“お前らまだ前半だろ!なに下向いてんだよ!”
あの時、この言葉を発してくれた選手が、先月の横浜FM戦を目前に控えたタイミングで同じように私たちを鼓舞してくれた言葉をご紹介し、この文章を締めさせていただければと思います。
“開幕3連敗した後に、
優勝したら凄くないですか”
最後までお読みくださり、ありがとうございました。
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