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もらい事故の被害者を責めるおまえら

オリラジ中田の松本人志批判。
騒動に乗っかると彼の思うつぼなので多くを語りたくはなかった。しかし長いお笑い史の一部として記録することも必要だと思いペンを執ることにする。

https://archive.md/H5O4Y

https://www.tokyo-sports.co.jp/articles/-/264802

結局は「松本人志になれなかった芸人」の暴走である。
ダウンタウンが東京で出始めた頃はBIG3は大活躍していて、とんねるずが飛ぶ鳥を落とす勢いで天下に手をかけている頃だった。まだまだ小さい吉本興業は東京での存在感はまったくなく、ビートたけし擁する(擁した)太田プロの芸人の方が強かった。新人だから知られておらず、大きな番組で旧林家こぶ平に舐めた態度をとられていたのを今でも憶えている。
四面楚歌で他人の番組に出ることはほとんどない。松本人志はそんな状況の中、すべての芸人を駆逐し天下人になった。
現在、もし松本を超える存在が本当にいるのなら、松本一辺倒のお笑いの世界を突き破るはずだ。

キングコング西野が「(松本は)ソフトだけでなくハードまで作ってしまう天才だ」というようなことを言っていたがまさにそれだ。音ネタリズムネタあるあるネタ顔芸リアクション芸キャラ芸で売れたところで、どんなに頑張っても松本人志のような高い山になれない。越えられない。
世界観のない笑いはいくらやっても瞬間消費で終わるだけである。その点はとんねるずも同様だと思う。哲学的なというと安っぽいが、意識の根底から構築するような笑いをやっているのは、松本以前ではビートたけししか知らない。

中田が「松本はまるで吉本の会長だ」と言うのももっともで、自らの活躍と共に吉本興業を日本一の芸能事務所にまで大きくした。松本無くして今の吉本興業はないのだからしかたがない。

中田は自分の意見が受け入れられないことは理解している気がする。
実社会では誰にも相手にされないような気持ちの悪い連中でも、キーボードカタカタ、スマホポチポチさえできればネット上では一人格の一意見としてカウントされてしまう。中田に同調する層は、実際に東京ドームに集めてみれば「こいつらじゃ戦力にならねえな、帰れ!!」と怒鳴りたくなるようなレベルの連中ばかりだと思う。しかしネット越しでは数さえ集まれば質が悪くても大勢力だと錯誤させることが出来る。
お笑いについて語る能力なんか持ち合わせていない人間でも数を集めて、俺の言うこともまんざらじゃないだろ、という書き割りが完成すれば目的を達成したのかもしれない。

「中田で笑うのには知性が必要だ」のような発言もあったらしいが、これも過去の松本をかなり分析して言っているはずだ。松本の書いた「遺書」に似たくだりがある。
あと松本本人は言っていないが、「松本人志は『松本を理解できるのは自分だけだ』と思わせるのが上手い」とよく言われていた。中田の上の発言はこれらをかなり再現させようとしている。
しかし松本を批判する文脈に手を出すならこの流れは邪魔だったはずだ。松本一辺倒のお笑いの世界を変えたいと思っての行動なら、松本を批判するんでなく松本を私淑している芸人とテレビ関係者へ意見するに留めておくべきだった。

結局、youtubeの再生数が欲しかっただけなんだろ?

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