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相手の脳の神経伝達物質をハッキングする「物語の技術」とは?

物語に触れるとき、僕らの脳は神経伝達物質を大量に分泌します。

その中のひとつに、物語に夢中になるために重要なものがあります。

しかし、この神経伝達物質の正体と、分泌させる方法を多くの人は知りません。


では、この神経伝達物質とは?

ドーパミンです。

ドーパミンは快楽ホルモンとも呼ばれ、幸福感や意欲を人間に与えるホルモンです。

物語に触れ、ドーパミンが分泌されると、僕らはさらに物語に集中するようになります。

だからこそストーリーテラーは、オーディエンスのドーパミン分泌を支配しなくてはいけないわけです。


では、どうすればオーディエンスのドーパミンは増えるのか?

それには「攻め」と「守り」の2つの視点が鍵になります。


まず「攻め」から。

ドーパミンを積極的に分泌させる方法です。

ドーパミンは報酬系とも呼ばれますが、実は報酬をもらったときにドーパミンが分泌されるのではありません。

厳密に言うと「報酬がもらえるかも…?」と感じたときにドーパミンは分泌されるのです。

つまり、少し先の未来を予想させることが重要だということ。

これは以前から話しているように、サスペンスの要素が関わってきます。

「この先どうなっちゃうんだろう」

…と、サスペンスを物語ることで、オーディエンスの脳内でドーパミンが分泌され、物語に引き込まれるのです。


「攻め」がサスペンスだとしたら、今度は「守り」について。

ドーパミンを分泌させる方法と合わせて、分泌を抑制してしまうことも知っておきましょう。


では、どんなときにドーパミンは抑制されるのか?

それは、一般性のあるものに触れたときです。

一般的な考え、一般的な感情、一般的な出来事など、一般性のあるものは退屈に感じます。

ドーパミンは退屈が大嫌いなのです。


では、どう対策すればよいか?

それは、物語を具体的に語るということ。

「悲しかった」のではなく、「どう悲しかったのか」を語るべきなのです。

「ダイエットしたいのではなく、「なぜダイエットしたいのか」

なんらかのエピソードを語るなら、嗅覚や触覚などの感覚を具体的に語りましょう。

そうすることでシチュエーションが具体的になり、オーディエンスは物語の世界に没入していきます。

なぜなら具体的な物語は、ドーパミンを分泌させるから。


このように、「攻め」と「守り」の両面からドーパミンを狙い撃ちして、オーディエンスをあなたの物語に繋ぎ止めましょう。

「攻め」:少し先の未来を想像→サスペンス

「守り」:一般性はドーパミンを下げる→物語に具体性を。


上記のポイントを押さえて、ドーパミンを支配しよう。

そうすれば、オーディエンスはあなたの物語に触れたとき、まるで魔法にかかったかのように物語世界に没入するのだから。

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