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意外と知らないストーリーテリングの賢い学び方とは?

ストーリーテリングで学ぶのは、脚本の型やキャラクター設計などが一般的です。

今回はその中身というより、「どう学ぶか?」について語ろうと思います。


ほとんどの人がコンテンツを質を高めるために、ストーリーテリングの具体的な技巧を学びます。

しかし、賢い人は違う。

実はストーリーテリングの知識は、コンテンツの他にも応用できるのです。

そのために必要な視点があります。


それは、人生の法則(パターン)を学ぶという視点です。

脚本講師の世界的権威であるロバート・マッキーが言うように「ストーリーは人生の隠喩」です。

つまり、ストーリーテリングを学ぶことは、人間(とその人生)を学ぶことなのです。

なぜなら、ストーリーテリングの知識は人間の深層心理に裏付けられたものだから。


ストーリーテリングは、フィクションを盛り上げるための技術ではありません。

創造するのがフィクションだとしても、ストーリーテリングは人間についての真実を表現するための技術なのです。

その証拠に、僕らはフィクションの登場人物に共感し、感情移入します。

物語の中にある感情が、本物だからです。


もう少し具体的に説明しましょう。

例えば、主人公が住み慣れた村から、危険な旅に出る物語があるとします。

その主人公が旅の前に「よし!かなり危険な旅だけど、とりあえず出発しよう!」なんて言い出したら興醒めですよね?

絶対に共感できない。

なぜなら、僕らはそんな簡単に危険な旅へは出れないから。

人間の脳は危険を冒すより、住み慣れた環境に身を置きたがるのです。

だからヒーローズジャーニーの型でも、「冒険の拒絶」というステージがある。


あるいはキャラクター設計において、誰もが憧れるような完璧なキャラクターを作ったとします。

でも実は完璧なキャラクターに、僕らは感情移入できません。

だって僕らは欠点だらけの不完全な存在だから。

共感できるキャラクターは、必ず欠点を持っています。

この共感できる欠点をどう描くかが、ストーリーテラーの腕の見せ所になるのです。


このように、ストーリーテリングとは人間の隠された真実を学ぶ学問とも言えます。

そして賢い人はストーリーテリングの知識を、自分の人生に照らし合わせるのです。

ストーリーテリングを学んでいれば、チャレンジに怖気付いたとき、「これは心理的に冒険の拒絶が起きてるんだ。ここを乗り越えれば新たなステージにいける!」と思えるわけです。

あるいは自分の欠点に卑屈になることなく、「この欠点を活かして何ができるだろう」と考えるかもしれません。


誰もが自分の人生の主人公です。

そして主人公を魅力的にする知識を、あなたは知っています。

あなたは人生の筋書きを書き換える力を持っているのです。

ストーリーテリングは、人間の隠された真実を学ぶ学問なのだから。

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