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2016年5月、東京都美術館「若冲展」の記録。

2016年5月7日(土)に東京都美術館「若冲展」を見てきた記録。
本当は5月6日(金)に仕事行った帰り、早めにあがって、夜間開館で見ようともくろんでいたのだが、夕方から雨が降ってきたのに、日中90分だった待ち時間が、17時に110分に増えたので、呆れて断念、この日は国立新美術館でルノワール展見ました。
5月2週目(会期末)の170分とか210分とか290分とか320分とかに考えれば可愛いものでしたが、結局、待つだけ待って、中も大混雑なのは想像ついたし。
で、7日は晴れました。その週の前半にハイキングに行ったのと同じ電車で東京に出て(早起きの比喩)、上野駅到着7時39分、早足で都美へ。途中駅で水購入。あとはタオルとか折りたたみの日傘とか、暇つぶしの本とか。
勿論もう行列は出来ていた。目測で100人いるかいないか位。先頭の人が何時に来たのか聞きたい(笑)。椅子や日傘持参の人が多い。手慣れた感じ。スマホ見たり本読んだり、周囲の人と情報交換したり。
列について10分位で、わたしの前にいたより沢山の人が並んだ。
しばらくして、職員の人が出てきて、列の修正。一旦、美術館のすぐ脇の壁際に誘導され、これだと日傘いらない日陰だ!、と思ったのに、その前の看板より通路側に列を並び替えられてしまった、ちっ、結局ずっと日傘。
一列4名。最初に並んでいたときと少し人が前後した。最初に並んでいたときにすぐ脇にいて、話をしていた年配女性(真鶴から来たそうだ!)が、隣の若め(といっても30代後半くらいかなぁ)の男性に話しかけられているのを聞いて、時々わたしも口を挟みながら,中に入ってからの行動を指南。
わたしが既に見てきた友人に教えられたのは「早朝に行く(早めに開館の可能性もあり)、最初の方の展示で足を止めず、一番混みそうなところを先に見てから先頭に戻る」(鳥獣戯画のときにこのノウハウがなくて失敗した)ということで、入口の地下1階はさっと通り抜け、1階で「動植綵絵」と「釈迦三尊像」を見る、というのを、後ろの人にもお勧めしてみた。
数日前に行った友人情報で、朝はちょっとは早めに開館する、ということだったが、この日も、建物の入口の門を9時に開け、中庭でもう1回とぐろを巻かせ、地下へのエスカレーター前で一旦待機(テントがあるところだったのでここで折り畳み傘しまう)、5分ちょっとでエスカレーターが動き出し、係員の誘導で少しずつ地下に下りはじめた。
建物に入ったのが9:15。元々9:30開室だから15分だけ早かった(最終週は流石にもう少し早く入れてたらしい)。荷物最低限にしたので特にコインロッカーも寄らず、音声ガイドも借りず、もぎられて中へ。
混雑を予見してか、キャプションは最低限になっている(いちいち解説読むのに立ち止まられたくないのでしょう)。少しずつ人が群がっている地下1階の展示は通り抜け(最後の方は誰もいなかったので少しだけガン見)すぐエスカレーターで1階へ。
1階は、楕円形にととのえたホールの正面中央に「釈迦三尊像」3幅、その両側に15幅ずつ「動植綵絵」だけの展示。順路がない! どこから見てもいい、って、今数十人しか見てない状態ならそれでいいけど、混んできたらどうするのさ? 時計回りも反時計回りも決まってないの? 案の定、時計回りで見ていったら、後半、反時計回りの人と激突しはじめたよ。
それでもすべての絵を最前列でじっくり見る。嬉しい。とはいえ、縦長の絵が割と高い位置に吊してあるので、最前列でなくてもそこそこ見られることはあとで戻ってきてわかった。「動植綵絵」は皇居の三の丸尚蔵館で何割かは見たので、貝とか魚とか昆虫とか、マニアックなのは結構見た記憶があったが、「薔薇小禽図」とか、「向日葵雄鶏図」とか、日本画のモチーフとして珍しい花のあしらわれた絵がなんかよかった。「蓮池遊魚図」の水面がどこだかわからない不思議な構図とか、勿論群鶏図のワイルドさとか、すべての絵が興味深く、見飽きない。
少しずつ人が増えてきたので、エスカレーターで2階に上がり、その他色々。入ってすぐの「菜蟲譜」、横長の巻物で、前半に野菜の絵、後半に虫や両生類の絵、一つ一つのモチーフが面白くて見飽きない。これを最前列でじっくり見られたのが、早起きの一番の収穫だったかも。
そして、前期しか展示のない百犬図、数えて、60頭もいないな、と思いつつ、模様は違っても顔はみな似ていて、犬種は1種類だけかしらんとか。
千葉でも見た「象と鯨図屏風」、ぽちぽちしたモチーフが印象的な「石燈籠図屏風」、重文の「仙人掌群鶏図襖絵」これ、前にどこで見たんだろう(気のせいかな)、この金色の地の中にひっそり埋もれているひよこたちがなんか記憶にあるんだけど...。仙人掌の襖絵の裏面にあたる「蓮池図」もかっこいい。そして、プライス・コレクションの再びの里帰り。2006年に国立博物館で、やはり大混雑の中『プライスコレクション 「若冲と江戸絵画」展』見たが(でも国立博物館の方が器がでかいからまだまし)、それ以来のプライス・コレクション。タイルみたいな「鳥獣花木図」見ると、なんでこんな描き方思いつくんだろう、と思う。
一旦出口。というかグッズ売り場。ばらの絵はがきが少なく、シリーズものになっている絵はがきを何種類か買う。絵はがきだけで2000円超えちゃったんだけど! 象のナノブロックとかいりません! てぬぐい類など、売り切れ品も色々。図録はここでは販売なし。ここもあとで来ると長蛇の列の筈。5分位で会計。それからトイレに行って(一段落した気分、ここまでずっと気がせいていた)、エスカレーターで地下1階に下りると、もぎり口のすぐ脇に出た。先程一瞬で通り過ぎた場所だが、既にぎゅうぎゅうの行列になっている(10:30頃)。
地下1階。最初の方は京都・鹿苑寺の襖絵。墨絵でちょっと地味なのと大きいのとで、意外と間近にしっかり見られた。部屋の四方が若冲だと贅沢でくらくらしちゃうね。
しかし! そこを過ぎて絹本着色画が並んでいるガラスケースの前は完全スタック。えーーー、音声ガイド聞きながら最前列で立ち止まらないで下さい! 立ち止まらないで下さいとアナウンスしても音声ガイド聞いてるから聞こえてないのか。
発見後初公開の孔雀鳳凰図とかは遠くからしか見られず。やむを得ず。「乗興舟」は千葉で見たから(別バージョンだが)さくっと後ろから覗いて見る。「玄圃瑤華」は見開き2ページだけの展示だが結構近くで見られた。「花鳥版画」は高い場所に展示してあったのでよく見えた。
という感じで1~2階の数倍のエネルギーを使って地下1階巡回。これをあと2フロアやってたら疲れて身動き取れないよ(って早朝に来た人以外はみんなそれをやっているのか)。エスカレーターで上がって、「動植綵絵」を遠目に眺め(最終週は5重くらいの人垣になっていたようだが、この日はまだ2~3重で後ろからでも一番下以外は結構見えた)2階でも大きめの絵を中心に見て、11:30前に会場を出た。一般のミュージアムショップにもオフィシャルでない若冲えはがきや関連グッズがあり少し購入。
朝は早足で通り過ぎた、映像による「鳥獣花木図」を入場待ち行列している人(館内に入って更に30分待ちの看板)ごしに見て、外に出る。外は90分待ちの看板。えーと、前々日(5/5)も美術館前を通ったら90分待ちの表示だったが、もっと美術館に近いところで90分待ちの看板持ってる人がいたんだけど、一昨日より速いペースでお客さんを中に入れてる?
結果的に外で並んでいたのが1時間20分位で、全体の三分の二はすいた状態で観覧し、グッズもすぐ買えたことを思うと、朝駆け正解。そして、混みそうな展覧会は一日でも早く行けが鉄則と肝に銘ず。最初の数日はそれなりに混んでいても入室の待ち時間は30分以内だったようだ。
まぁ若冲は、プライス・コレクションを除いては国内で収蔵されていて、展示の機会もそれなりにあるから、今回見られなかったら一生見られないってこともないし、どうしても見たかったら気長に全国行脚をすればいいのだ、ってそこまで若冲好きじゃないって。
「菜蟲譜」は栃木県佐野市で持っていて、秋には展覧会あるらしいので、また見に行ってこようかな。
展覧会の運営については、根本のところで何か間違えている(器の大きさ、会期の短さ=例え美術品保護の観点で決めたとしても、広報のしすぎ)けれど、現場の人はすごく大変な思いをしたことと思う。
やや言い訳めいてはいるが、http://www.art-annual.jp/news-exhibition/news/59266/ を見れば、美術館だけを責めるのも申し訳ない感じではある。
それでも、最終週の、5時間近く外で並んだ上で、大渋滞の場内で絵を鑑賞する、という状態は、どう見てもおかしい。これって誰に言えばいいの、という不満、怒りである。
Twitter見てると、5月19日7:40に都美に到着した人は、8:15頃列が進み始め(流石に開館が早くなっているらしい)、でも入室が9:40らしい。6:30に到着した人は流石に第1グループですいすい回れた模様。門は8時に開けたらしい。
どんどん早起きチキンレースになりそう(会期末まであと5日時点での記録です)。

#伊藤若冲 #若冲展 #2016年 #東京都美術館 #行列 #展覧会

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