宮本輝『満月の道』流転の海第七部(新潮社)

2014年9月の読書記録。

宮本輝『満月の道』(流転の海・第七部)を読んだ。第六部の『慈雨の音』読んだのが2012年1月で、その頃は読書メーターにちゃんと感想を記録していたので、まずそれを引用。
「ネット上の情報で熊吾の余生はあと○年位、と知る。ってことは、あと何巻続くのでしょう、流転の海(当初5巻、と言っていたのがもう25年位前?)。この巻は、舞台を大阪のモータープールに固定したまま、前巻までであった色々な人間関係を少しずつ収束させている。昭和30年代になってやっと朝鮮への帰還がかなった在日朝鮮人達。彼らを待っていたものがどういう世界なのか、今のわたしたちには想像がつくので、希望に満ちて帰って行く人(もそうでない人も)の姿がとてもとても切ない。」
今回も同じ大阪のモータープールで、熊吾・房江・伸仁の人生は進んでいく。昭和37年。東京オリンピックに向けて国が成長していく空気。嬉しいこともあるけれど、暗い予兆の方が強い終わり方。熊吾が破滅に向かって突き進んでいる感じが強い。あとがきによると、既に作者は第八部を書き始めていて、物語は第九部で完結するらしい。戦後すぐから、十五年余、あまりに登場人物が多くて、新刊が出るまで毎回間があいて、登場人物の名前や絡みをどんどん忘れてしまう。誰か流転の海の登場人物一覧の丁寧なWikipediaを作ってくれないかしらん。

#読書 #宮本輝 #流転の海 #松坂熊吾 #満月の道 #慈雨の音

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?