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連載17・日本人にとってタロットが難しい理由は?

マルセイユタロットやトートタロットなどの
トランプの数札に似ている”ナンバーカード”は別にして、

タロットの絵柄、特に大アルカナは
美術用語でいう「寓意画」スタイルで描かれています。
 
寓意画とは
ルネサンス発祥の15世紀末のイタリアで
発展したアートスタイルで、

例えば
「美徳」「運命」「平和」というような
抽象的な概念を神話に登場するキャラクターで
表現したものです。

中世ヨーロッパでは
寓意画は
神話、聖書、文学、歴史、哲学などに造詣が深い、
教養ある裕福層の知的エリートしか
絵柄の内容が理解できない
奥深く難解なものだったので

他の歴史画や宗教画よりも
格が高いアートとして認識されていました。

  
タロットの絵柄は寓意画スタイルで描くもの、
という伝統は20世紀になっても変わらなかったので

この100年の間で作られたタロットでも
理解するには神秘学や西洋文明の歴史などを知ることが必要です。

そういったが理解できて
初めて自分の言葉で解釈をして
カードを繋げて深くリーディングできるようになります。 


日本人にとって
タロットカードが難しい理由は
まず、絵画に対する文化的・歴史的姿勢が全く違うからです。

日本文化は絵画を「感性で観るもの」と捉えますが、

欧米においては
絵画は各時代の歴史や価値観、習慣、思想、
そして経済状況などが反映されているべきものなので
バックグラウンドを知らなければ
理解できるわけがない、という前提があるからこそ、
アートは「読むもの」として捉えられます。

西洋絵画では誰が、どんな想いで、どんな意味を込めて
アートを創作したかという
ストーリーと経緯を知る事がとても大切ですから

ヨーロッパ文化である寓意画スタイルを倣っている上に
西洋思想と文化しか反映してない
タロットカードを絵柄だけで分かろうとしても

日本人にとっては馴染みのないことばかりなので
深く理解できずに
本質に辿り着けないことは仕方がありません。


タロット占いにトライしてみたけど
「なんだか難しい。。。」
「なんかよく分からない。。。」
「カードの意味と絵柄が繋がらない」と
感じることは、
 
ほとんどのタロット初心者さんが体験する
普通のことです。
 
むしろ「難しい」「分からない」と感じたところが
タロット学習の本当の始まりで、
 
正しい知識を得る方向性をクリアにするチャンスです。


参考文献:
「西洋美術史」木村泰司著 2017年
「名画の読み方」木村泰司著 2018年


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タロットを本質から知る連載、続きます😃♪

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