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投稿が173シェアされる、「関係人口」が圧倒的に多い【YeLL株式会社】

自然(じねん)的な経営を実践しているところを色々と紹介していこう、という目的のこのマガジン。
今回は色々とご一緒させていただいているYeLL(エール)株式会社の、ちょっと面白い組織の作り方について。

YeLLとは?

つい先日、2019年キックオフパーティーで、「社員と企業を仲間にする」という新たなビジョンを掲げたYeLL。

コーポレートサイトから文言を拝借してくると、「社員一人ひとりに対して『外部の専属サポーター』をつけ、週1回、30分の電話による1on1を行う」というサービスを提供しています。

この「外部の専属サポーター」という方は、2018年11月時点で150名ほど、とのこと。人事、キャリアアドバイザー、海外在住の専業主婦、など、本当に様々な方が加わっています。(詳しくはこちら
先日のキックオフパーティーでは、サポーター同士の投票によって3名の"Best Supporter 2018"も選出されたりしています。

「関係人口」が圧倒的に多い

YeLLという組織において、大きな特徴として挙げられるのが、「関係人口」がものすごく多い、言い換えれば、ビジョンやサービスに共感し、様々な形で支援・応援・協力をされている方々がいること。
分かりやすい話として、タイトルにも書きましたが、2018年11月の資金調達と新メンバー募集に関するFacebookのポストが、現時点で173回シェアされています。
※ ちなみに「関係人口」とは、移住した「定住人口」でもなく、観光に来た「交流人口」でもない、地域と多様に関わる人々を指す言葉です(詳しくは総務省のこちらのページをどうぞ)

そもそもYeLLが現在提供しているサービスは、「サポーター」という外部の方の協力や支援によって成り立っていますし、それだけではなく、社員はもちろん、株主、外部のメンバー、顧客、など、色んな人が、それぞれの形で関わっています
そして、その中でも特徴的なのが"Penguin"という関わり方。

"Penguin"という名のユニークな関わり方

「どうすれば周りで応援してくれる人がもっと能動的に関われるようになりますかね?」

1年くらい前に代表の櫻井さんと飲みながら話したあたりから始まりました。「社員」ではないけど、YeLLのビジョンやサービスに共感してくれていて、成果物ありきのいわゆる「外注」という契約形態とも少し違う
そんな人と、どうすれば互いに心地よく協力できるのか。小さくスタートしながら、試行錯誤を続けてきています。

ちなみに"Penguin"という名称は、First Penguinからつけられました。
(確か発案は羽山暁子さん、だったはず)

人によって関わり方、動き方はいろいろ。定期的にミーティングを取って進められているものもあれば、個別に「ここ助けてください!」という連絡から始まることもあります。
報酬の決め方も、二転三転しつつ、色んなパターンで実践されてきています。現時点だと、一定の期間の中で「Penguinの側からの自己申告」という方式で成り立っています。

これまで、いくつかのパターンでPenguinが関わってきていて、うまくいくケースで言うと、
①社員に「熱量高くやりたいこと」があるけど、時間とか専門性とか、「なにか」が足りなくて困っている。
②Penguin同士だけでチームがうまく組めて進められている。
③Penguin側にもともと「熱量高くやりたいこと」があって、YeLLと関わることで、それが実現しやすくなる。
といったケースがありました。

どのあたりが「自然(じねん)」的?

では、YeLLを自然経営という考え方から見ると、どう捉えられるのか?

自然経営の特徴として、次の「3つのインフラ」が整っていることが大事、という話をよくしています。
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情報の【透明性】:
関わっている人が、基本的に等しく情報にアクセスできること、言い換えれば、情報の非対称性がないこと。
力の【流動性】:特定の人に権限や権力が固定化していないこと、状況によってその在処が変化しうること。
境界の【開放性】:「ウチ」「ソト」が断絶していないこと、入れ替わりや出入りがしやすくなっていること。
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これをYeLLのユニークさをこれに当てはめてみると、特に【流動性】【開放性】のあたりに特徴が現れているなと思います。

まず、組織の「内」と「外」という境界がとても曖昧であること。
サポーターという「人」と一緒に作り上げるサービスであることもそうですし、先ほどのPenguinという関わり方が生まれたように、様々な方を巻き込みながら目指す世界観を広げようとしています。

一方で、外部から資金調達もしているベンチャー企業でもあり、事業を伸ばすことに対するコミットもしています。そのときに、「決めて動く」ことと「委ねる」ことを、状況に応じて使い分けようとしていることを感じます。

例えば、短期・中期の達成状態を描き、それに合わせて、各自の優先順位を揃えて動きに行く、という「決めて動く」ことを社員の中でやる一方で、
サポーターやPenguinのような外部の関係者に対しては、「決定事項だから」という力で動くのではなく、あくまで、「ビジョンがあり、それに対する本人の深い共感」をベースに、自然と一緒に進んでくれることを待つ(言い換えれば決定を相手に委ねる)ような振る舞いを自然と取っています。

* * * 

もちろん、まだまだ規模の小さいスタートアップでり、日々、Hard Thingsにも直面しているのだと思います。
その中でも、ビジョンや世界観を中心に、そこに共感してくれる人とのコミュニティを作り、自然と変化することに委ねながら、それでも事業を伸ばすことを両立させようとする
このあたりの両立させるというチャレンジは、自然(じねん)的な経営を行う中で、様々な形で直面することになっていくテーマなのだと思います。

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