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随想⑤「社会は変えられる」


新聞連載、最後の原稿です。
以下、あとがきあります。

「人は何のために生きているか」そんな問いを受けたことがある。尊敬する医師が私に教えてくれたのは「これでよかった」と思える人生を送るため、という答えだった。
 この答えが、自分の中に自然に溶け込んだ感覚を、今でも覚えている。反対をイメージするとわかりやすい。こんなはずじゃなかった、と思いながら人生を終えていくことが正しいとは思えない。そうはならないように、一度きりの大切な人生はこれでよかった、と思えるような生き方でありたい。
 下野新聞社さんから連載の話をいただいて、約半年間、この「しもつけ随想」を書かせていただいた。20代という立場の未熟な自分が、新聞を通して伝えたいこと、伝えられることを考えた時に浮かんだのは、何かしらの変化を起こしたい、という思いだった。読んでくれた人が読んで終わり、ではなく、行動に繋げられる内容を書きたいと思った。少し傲慢な気もするが、この貴重な機会を大切に使おうと思いながら、文字と向き合った。掲載の度に、想像以上に多くの方から声をかけていただいたり、行動に移した話を聞いて、わずかでも「変化」の可能性を感じた。
 変化を起こす、とは何だろうか。何人の人が変わったら変化、と言えるのだろうか。例えば、悲痛な事件や自ら命を絶つ人のニュースは後を絶たない。記者の方々が、心を削りながら、聞きたくないことも聞き、情報を集め、そのことを記事にして、かろうじて情報は入ってくる。入ってくるけど、私たちにできることは少ない。
    それでも、私が出した結論は「今できることをやる」ことだ。今できることをやることは、目の前の人を笑顔にすることにつながる。遠くにいる人は変えられなくても、目の前の人を笑顔にすることなら、できるかもしれない。それぞれがみんな忙しくて、余裕ができにくい社会だと思う。だから、もちろん無理はしなくていい。できる範囲でいい。今の自分にできることを探したい。小さな行動を何か起こしてもいいし、応援する声掛けでもいいし、関心を持ち続けるだけでもいい。大切なのは「無関心にならないこと」と「行動している誰かを否定しないこと」ではないだろうか。
 今の自分にできることをやって、目の前の人を笑顔にしていく。自分を主軸に見たときには、それを積み重ることが「これでよかった」と思える人生につながる一つのきっかけになるはずだ。 
 日頃支えてくださる方々と、下野新聞社さんにいただいたこの貴重な機会のおかげで、ゆっくり自分と向き合うことができた。最後は、綺麗事だと言われてもいいから、最年少らしく、明るい言葉を残したい。
    これを読んでくれているあなたが、自分にできることをやって、目の前の人を笑顔にし、これでよかった、と思える生き方をする。そして、少しずつ自分を好きになる。
それだけことの積み重ねで、社会は変えられる。

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あとがき

抽象的な内容なので、いろいろ悩みながら、たくさん向き合いました。
「想いがしたたり落ちるような原稿」と、連載担当の方に言っていただいたのがなんか嬉しくて、読んだ方からいろいろな声を頂いて、幸せ者だな〜と、しみじみ思っています。

大変でしたが、めっちゃ楽しくて、とてもいい時間でした。
読んでくださった方々、ありがとうございました^^

濱野将行






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