クズ男とベーシックインカム by鬼しゃちょー

ユウジ
『あー、今日も負けた!クソ!昨日あんなに出たのにこの台は終わってんな!もうここの店は二度とくるか!なんかムシャクシャしてきたぜ。誰か呼び出して一発ヤるか。』

店を出てスマホを手に取り電話する。

ユウジ
『あーもしもしアケミ?ユウジユウジ!久しぶりじゃーん!今日の夜何してんの?』
アケミ
『えー?ユウジ、久しぶりだねー!元気してるの?今日の夜は何も予定ないよー。』
ユウジ
『やっぱ、相変わらずヒマだねー。今日の夜、飯食いにいこうよ!金ないけどー』
アケミ
『えー!?また!?仕事はしてないの?』
ユウジ
『当たり前じゃん!仕事なんかしてねーよ。そんなかったるいことやるわけねーじゃーん。適当にスロットやって食いつないで、金なかったらアケミに助けてもらおうってやつ』
アケミ
『んもー、どうしようもないなーユウジは。(でも、いつも奢っちゃうんだよね。バカだよなーと思いながらイケメンに弱い)それで何食べたいの?』
ユウジ
『ア・ケ・ミ♪』
アケミ
『はいはい。いつもその返しなんだから。わたしはお肉食べたい気分なんだ〜。焼肉でいい?』
ユウジ
『おっ!肉肉肉ー!最高じゃん!さすがアケミわかってるわー。肉食って精力つけてこりゃ夜は楽しめるわ。パンパンパン』
アケミ
『ホントにもう〜!じゃあマルキュー前に19時ね。』
ユウジ
『オケ。じゃあ後でな!』
アケミ
『うん。ユウジに会えるの楽しみにしてるね。』
ユウジ
『俺は別に楽しみじゃねーけどな〜。なんちって。』
アケミ
『わかったわかった。今仕事中だからもう切るね。』
ユウジ『はーい!』

電話を切る

ユウジ
『うひょー!アケミはいつもメシ奢ってくれるし、なんだかんだ言ってヤラせてくれるんだよねー。おとなしそうに見えて、夜は結構激しいし。よし、テンション上がってきたぜ!夜まで少し時間あるしマックで時間でも潰すかー。』

マックに向かって道を歩く。

謎の男
『すみません。少しお時間よろしいでしょうか?』
ユウジ
『ん?何?』
謎の男
『キミはユウジくんですね?』
ユウジ
『そうだけど?いきなりなんだよおっさん気持ちわりーな。なんでオレの名前知ってんだよ!』
謎の男
『アハハハハ。それはそうですね。申し遅れました。私はサンサンコーポレーションの田所と申します。今回は弊社代表のプロジェクトの1人として、ユウジさんあなたが選抜されました。』
ユウジ
『はっ?サンサンコーポレーション?なんであんなにデカイ会社の社長がオレに何の用だよ!』
謎の男『詳しいことを申しあげることは出来ないのですが、ベーシックインカムという仕組みはご存知でしょうか?』
ユウジ
『ベーシックインカム!?』
謎の男
『さようでございます。政府がすべての国民に最低限の所得補償をする制度のことです。しかし、この国は全くベーシックインカムを施行する気配がありません。そこで、サポートさせて頂く10人を弊社で選抜し、あなたが死ぬまで毎月30万円を支給させていただこうという試みでございます。』
ユウジ
『は?毎月30万円もらえるってこと?マジで言ってんの?オレバカだからマジでもらった金は返さねーよ?』
謎の男
『はい。あなたの口座に毎月30万円振り込まさせて頂くことは間違いありませんし、返済の必要もありません。しかし一つだけ条件がございます。』
ユウジ『条件?』
謎の男『その条件とは』

。。。続く

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