教育学概論

アクティブ・ラーニングとは何だろうか。アクティブ・ラーニングとは主体的・対話的な学びであり、これまでの一般的な、教師による一方通行的な講義形式の授業とは違い、学生、生徒、児童などの学生者自身の思考を活性化させる、いわば能動的な学習への参加を取り入れた学びのあり方を指す。学習者自らが、進んで積極的に他に働きかける形で学ぶことを通して、学習内容をよりいっそう深く理解できるようになることや、学習を経て獲得した知識や情報を後で振り返りやすくすることを狙いとした学習法である。学習者一人一人の認知的、論理的、社会的能力などを引き出し、それを修練する過程においてdiscussionやdebate、あるいはグループワークなどの双方向的な授業が展開されることで、学習者の主体的な促す質の高い教育を期待することができる。この主体的な学習の経験が積み重ねられていくと、生涯にわたり学び続ける力が身についていく。ではなぜアクティブ・ラーニングが必要なのだろうか。まずアクティブ・ラーニングの形態はいろいろある。発見学習、問題解決学習、体験学習、調査学習、グループディスカッション、ディベート、グループワークなどがある。グループワークの具体的な内容についてみていく。グループワークとは、学習者間のコミュニケーションを重視し、その自律的な知識を構築することをねらいとした場合に有効な方法とされている。しかし、授業にそれを取り入れたとしても、教師の指導法やフィードバックの仕方など、関わり方によっては教育的効果や学習における質の向上は期待できない。そこで、教師としては、学習者に課題の狙いや内容、グループワークを展開していく上での留意すべきことがらをていねいに説明し、参加することへのモチベーションを高める配慮や工夫が必要となる。すなわち、学習者の自発的な行動を待つだけではなく、教師自らの積極的かつ能動的な働きかけも求められるのである。これらを通じて、学習者相互の話し合いや双方向での問題意識の交流が行われ、各々の学習者が抱く見解や経験をも共有することで課題の解決へと導かれる。また、その過程では学習者相互の共感が生じる場面も想定できるが、これにより学習者の質の深まりと視野の広がり、動機付け、学習に欠かすことのできない態度の形成ができる。学習者自らが考え、話し、書いて、発表するなどの能動的な活動に関わることで学習者の活動は主体化される。そして、学習者間で各々の見解に至るまでの過程を可視化させるなどの交流を踏まえ、それによって個としての思考が一段と活性化されるのが、グループワークというアクティブな学習のあり方である。今後は学生の主体的な取り組みを支援し、彼らの主体性を育む教育のありかたへと転換していくことが肝要である。そして、学生が現実の社会と向き合いながら社会そのものや、そこに生きる人々と対話をする中で課題を見つけ「解」を見いだすための探求する力を身にまとい、生涯にわたり構築し続ける力へとつながっていく。

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