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竹富島在住ライター片岡由衣さんに学ぶ、チャンスの掴み方

現在、竹富島で3人の子どもたちを育てながら、ライターとして活動する片岡由衣さん。

2020年7月に専業主婦からライターへ転身。ライター業を開始して以来、WEBメディアや企業サイトなどで取材やインタビュー記事、コラム等、多数執筆している。

竹富島での暮らしを投稿するInstagramは、今やフォロワー1,500人を超える。短期間でライターとしてのチャンスを掴んだ秘訣、Instagramで注目を集めるそののびのびとした子育てについてお話を伺った。

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二度の社内公募で掴んだチャンス

由衣さんは大学卒業後、リゾートホテルや旅館の運営をしている企業で働き始める。

「そのころNHKの『プロフェッショナル』に社長が出るなど、ちょうどその会社が注目を集め始めたころでした。もともと観光業を目指していたわけではなく、偶然知り興味を持ったんです。採用面接を重ねていく中で、出会う皆さんがとにかく面白くて、入社を決めました。」

入社した会社では、全国の旅館の運営事業が始まったころだった。由衣さんも入社一年目で青森の旅館へ、5ヶ月研修に行くことになる。新入社員が全国の旅館へ研修に行くのはこの年が初めてだったという。

「研修は軽井沢か八ヶ岳だと思っていたので、青森に行くなんて思ってもみなかったし、実際大変なことも多かった。だけど何が起こるかわからない日々にワクワクしていました。青森の次は福島のスノーリゾートへ行き、生まれて初めて雪国での生活を経験しました。」

入社2年目で広報、入社4年目で京都の新期立ち上げ事業に関わった。どちらも社内公募に挑戦しチャンスを掴んだものだ。

入社2年目のとき、年次関係なく応募できる社内公募があり、そこで広報が募集されているのを知り手を挙げました。広報の仕事のひとつとして『こういうイベントをやります。』というプレスリリースをメディア向けに作ります。料理長やスタッフに話を聞いて資料を作成するのですが、今思えば取材のようなことをしていましたね。今のライターの仕事にも当時の経験が活きています。

2年間広報の仕事を経験した後、ちょうど結婚のタイミングと重なりました。夫とはずっと遠距離恋愛で。一緒に住むことのできる京都で、新期立ち上げプロジェクトの公募があると知り応募。携わらせてもらえることになり、夫と同居が叶いました。」

充実していた会社員生活だったものの、育児と介護が重なり退職を決断。退職時は意外にも迷いはなかったという。

育児と仕事の両立がとにかく大変で、続けていくのはもう限界かもしれないと思っていたところに東京で暮らす母が病気で長くないとわかったんです。『もう辞めよう』と、最後はあまり悩まなかったですね。会社では、失敗もたくさんして、今思うと恥ずかしさや申し訳なかったなあと思うことも。感謝しています。」

専業主婦期間、子育てを楽しみつくす

幼い子どもと四六時中一緒に過ごすことに、不安や苦手意識を感じる母親は多い。だが、由衣さんは専業主婦として子どもと過ごす生活が楽しみだったという。

「いろんなところへ連れて行ってあげたい、一緒に体験したいという気持ちが強くて。退職後に子どもと過ごすのは楽しみでした。」

今やフォロワー1,500人を超える由衣さんのInstagramには、子育ての様子、夫の転勤で家族で移住した竹富島の暮らしを投稿している。

▲自身を「積み木マニア」と称し、Instagramで積み木の魅力を発信している。楽しんで子育てする様子が伺える。

Instagramで投稿される写真は、のびのびと遊ぶ子どもたちの姿が印象的だ。由衣さんは自分の道を切り拓いていって欲しいという願いが込めて子育てしていると語る。

「私自身はまったく自分に自信がないんです。これまでの人生を振り返ってみても、高みを目指して努力するというのではなく、できそうなことにしか挑戦しませんでした。何がしたいかわからないから、選択肢を狭めない選択を繰り返してきて、結局、大学受験、就職活動のときも『どうしよう。まだ見つからない。』と焦っていました。子どもには自分に自信を持って、自分の道を切り拓いて欲しいと思っています。そのために育児本など色々読んで積極的に子育てに取り入れてきました。でも、竹富島へ移住してからは近くに綺麗な海があって、もうそれだけで子どもたちは楽しそうだし、私も気持ちが満たされてしまってますね。」

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▲このnoteに使われる写真はすべて由衣さんから提供いただいた。竹富島の自然が美しい。子どもたちも楽しそう。

ライターを始めてぶつかった壁

専業主婦として5年ほど経った2020年7月、竹富島でライター業を始めた。

「はじめは在宅でできる仕事をクラウドワークスで探している中で、ライターの仕事を見つけました。当時は動画を見て感想を書いて何十円、という仕事もしてたんですよ(笑)もともとは趣味でも仕事でもいいから夢中になれるものを探していたんです。楽しくいたくて。そしてライティングの仕事に出会いました。」

ライター業を開始してから、順調に仕事が決まっていったものの、精神的に辛い時期もあったという。

精神的にアップダウンが激しくてライターを辞めようかなと思った時期もあるんです。価格設定を自分で決めなければならないことや、やむを得ず取引を断らなければならないときのクライアントへの伝え方に悩み、ストレスを感じていました。とんとん拍子に仕事が決まったのは良いものの、自分の実力が伴わないのではと悩むこともありました。それでも新しいご縁で仕事が決まると嬉しくて・・と精神的にアップダウンが激しい時期でした。」

人に助けてもらうことで更なる飛躍

「そんなとき、Twitterでフォローしていたライターの中村洋太さんが、他のライターの方から相談を受け、アドバイスしたという話をnoteに書いていました。中村さんは相談者を募集していた訳ではありませんでしたが、当時とても悩んでいたこともあり、私も相談に乗って欲しいと連絡しました。中村さんとお話して、ライターとしての意識が変わっていったように思います。それまで自宅で一人で仕事をしていたため、困った時に相談できる方がいるのは支えになっています。」

周囲のアドバイスに素直に耳を傾けられることは由衣さんの強みだ。専業主婦期間が長くスキルが何もないと思っていたのが、広報の経験など大きな武器と言われたことで、日々の暮らしからも身に付く何かがあるはず、と思うようになったと言う。「竹富島在住ライター』と自分から名乗るようになってから仕事がより軌道にのった。竹富島の暮らしを発信することも人からの勧めだった。

「中村さんのライターコンサルを受けた際、『絶対プロフィールに竹富島のことを書いた方がいい。竹富島在住で暮らしを発信してる人見たことがありませんよ!』と言われたんです。

また、マレーシア在住の文筆家の野本響子さんがnoteで「日本の公立学校通っている人はしんどそう。楽しく通ってる人がいたら教えて欲しい」と書いていたんです。自分の子どもたちのことを書けるかもしれないと思いコメントを投稿すると、野本さんが『ぜひ読みたい』と言ってくださった。実際に書いた記事を、野本さんのnoteの中で取り上げてもらったこともまた転機となり、仕事に繋がったこともありました。」

文章力を磨くため、関連の本を読んだりと努力も欠かさない。ライターとして活動した時間は短いものの、その確かな文章力で、文章術を学ぶ講座「ぶんしょう舎」では添削チームとして現在関わっている。

「ライターを意識するようになってから、文章術の本を読むようになりました。文章術を学ぶ『ぶんしょう舎』という講座に一受講者として参加していたところ、主催者側から添削する側になって欲しいと打診されました。今は添削チームとして参加しています。人の文章の良いところを探し、ここを入れ替えたらもっと読みやすくなるのでは?と考える添削作業はとても勉強になります。

夢は憧れの有名人の取材をすること

最後に由衣さんに今後の夢を聞いた。

「少し恥ずかしいのですが…いつか好きな芸能人や、憧れている人と取材でお話できたらなあと憧れています。選ばれるライターになるべく、仕事の幅をどんどん広げていきたいですね。

まだ一番下の子は5歳。家族との時間も大切にしたいと思っています。仕事量や時間など、いろいろと試しながら、自分が良い精神状態でいられるバランスを見つけていきたいと思っています。」

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《インタビューを終えての感想》
*会社員、専業主婦、フリーランスライター、肩書きは変わっても、目の前のことを楽しもうと積極的に関わる姿勢は一貫していて、そのポジティブな姿勢は見習いたいと感じました。

*由衣さんのnote、Instagramに投稿されるおもちゃはどれも魅力的!心から由衣さん自身がそのおもちゃが好きなことが伝わってきます。

*興味があることにフットワーク軽く挑み、壁に当たった時は先人に聞くことで乗り越える。由衣さんが短期間でチャンスを掴んだ"秘訣"を今回のインタビューで教えていただくことができました!

▼片岡由衣さんのnoteぜひご覧ください。美しい竹富島の写真、ほっこりする家族エッセイ、読み応え抜群のおもちゃエピソードは必見です!(私は由衣さんのnoteを見ておもちゃと絵本を思わずかいました)



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