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BMXのトルク管理ー!

 BMXのトルク管理ー!

  BMXのトルク管理ー!

   BMXのトルク管理~!

 って皆どうやっているんだろう。
 もちろんネジの締め付けトルクの事だ。

 何度か全知全能Google神に問い合わせてみたところ、レンチで力一杯締め付ける、というのを見つけた。

例えば6mmのアーレンキーとその可能性があるレンチたち

 力一杯ってどの長さの事を指すんだろう。 6mmの差し込み角のアーレンキー、M5~M6 ボルトを一番右のロングなコーケンレンチで締め付けたらたぶん、小学生でも楽々ブチ折る事が出来ると思うし、一番短いのだとろくに乗れる自転車は組めない。
 何ならレンチを掴む位置にも依るし、経験的に言ってなるべくキチンと締めようとしても手応えの手ルクレンチで締め付けると、50~100Nm くらいのバラつきは簡単に出る。

 部位による。 早々折れない太さのボルトナット、緩むような環境にない、または緩んでも問題ないような。
 例えば電動コードレスインパクトドライバーなんかを使うようになるとビスなんかもバキバキ折れるし、なんならビットもバキバキ折れる。
 ネジが折れたらまだいい方で、あー折れたねぇって予備に交換するか、注文すればいい。

 最悪なのが乗ってる時に緩んでクランクが抜けたとか、バーが明後日向いたとか、ぼくは左なので一度左ペグでグラインドごっこをしていたらペグに回されてアクスルナットが緩んだとかもあった。 カセットハブ車でフェイキーばかりしているとペダルもよく緩むし、グリップもズレて回って気になりだしたら止まらない。 いやグリップは関係ないか。
 ちなみにペダルはペダルレンチで力一杯締めている。

 さらに悲しいのは締めすぎて部品が壊れた場合。 ボルトナットもまあまあお値段することが多いけど、中には品薄でなかなか手に入らない物や既に絶版の物、カラー等々……
 ヘッダに使った割れたステムキャップはネジの締めすぎによるものか、経年による疲労なのかはわからないけどバーの角度を弄って締め付けていたら一本だけいつまで経っても手応えがないなあとおもったら裂けていた。 というもの。 これは締めすぎ関係ないかもしれん。

 とにかく

 まあ、言いたいのはかなり屈強なBMXでも軽量化を求めるあまり不必要な余剰強度はぬぐい去られ、各部品の取り扱いは結構シビアになっているなあという事。 締め付けトルクの可容範囲がとても狭い。
 オールクロモリの構成ならそこまで気にしないでいいかもしれないけれど、レンチを掛けた部分は表面処理がヤレて錆びて、なかなか厄介な状態になりがちでもある。 チタンは錆びないし、アルミはサビにくい。

 " 自転車 トルクレンチ"  とかで全知全能検索をすると、「自転車如きにトルクレンチいらない論」とかが出てくるけど、それは使い方によるよもう、って思ったりする。 

 さて自転車で1m の高さから飛び降りる準備をしよう。

 トルク管理 をするなら トルクレンチ。 

自転車用に追加したプリセット型(奥)20~110Nm と、
ずっと使ってた車バイク用の直読式(手前)0~200Nm

 トルクレンチの種類と詳しい使い方と特徴はよそ様にいくらでもあるので割愛して、 直読式は本当に狂いが少なく間違いも少なく単純で長持ちしてとてもいいけど、連続して使うのに少し面倒だったり使う場所に用いにくかったりする。
 プリセット型は連続作業に向いていて、普通のラチェットハンドルとしても使えて便利だけど普通のラチェットハンドルにするには重いし、精密だから雑には扱えないし、キャリブレーションがズレてないという保証は使うほどに薄まるし、目盛りが見にくくて間違う可能性もある。

見やすい直読式
そもそも読みにくいし、使わないときはこうして解放しておかないと中のバネがヘタる可能性がある。

 あと、最近安く出回っているデジタル式については、ぼくの入手可能な価格帯の物については全く信用おけないので未入手なので評価しない。 いざ使いたいときに電池切れはデジタルノギスとかもまあ、そういうこともよく起こる。
 
 さて、肝心の締め付けトルクについてだが、なんでも噂によるとロードバイクやマウンテンバイクなんかには各場所にその数値が記載されているらしい。 なるほどどれどれ… ステムキャップが6Nm !? 何かの間違いでは!? 

 メーカー公式にも噂にも存在しないBMXのネジ締め付けトルクをどうやって決定していくか、は、トライアンドエラーしかない。 普通に工業規格による、材質とネジ径による一般的な規定トルクは存在するが、それは限界値を示したものだと思う。 その範囲内で使ってね💕 という。
 折れる手前がいいのか、緩まないギリギリがいいのか。 それは使いながら探っていくしかない。

 一つだけお断りしておくのはここから先に出てくる数値はぼくがたどり着いたものであり、破断や故障、金銭的負担を保証するものではない。

前後車軸のアクスルナット、ボルト。

40Nm 

 トライアンドエラー。 どの程度が適切かはなかなか難しい。 折ったことはないからだが、緩んだことはある。 まず大事なことには緩まないけど緩めることが出来る、というもので、乗りに行った現地で持ち合わせている簡易工具で脱着が出来なければならない。

最近増やしたcult のツールセットバッグ。 17mmソケットとエクステンション、3/8 スライドTバーと6mmと8mmソケット、あとニップル回しがついていて、3/8 ドライブのバッグなので追加変更が容易でとてもよい。 似たような物をホムセンで買って似たような入れ物に入れても値段は大して変わらないのではと思う程。
通販で買ったら将来のない? ラバーチューブがサービスされた。

 そんなわけで、数値としてはこの手の道具で緩められる目一杯として、40Nm とした。 これは前後同じで17mmナットも3/8 ボルトも同じである。 トルク管理を初めてから2年近くになるけどこれで困ったことになったことはない。 チタンボルトについては手が出ないので試していない。
 メーカー公式には3/8 チタンボルトはペグを使うことを想定していない、と書いてあったので、バリバリ(古)ストリートライディングの人はあまり選ばないだろうと思う。
 基本的にホイールナットはノーグリスでの数値。

ステム周り

20~25Nm 

 ステム周りのボルトは中華チタンボルトに交換している。 これはハブもそうなのだけど、メイドインアメリカを選ぶとこのあたり、ネジスレッドがインチピッチになり、汎用チタンボルトのほぼ一切が合わなくて、アリババでBtoB 的にそこそこ大量買いをした。 チタンについては色々あって、profileの純正チタンボルトは64 チタンと呼ばれるかなり良い素材で作られているが、価格が1/5 の中華チタンはその限りではないだろう。 
 そのためか中華チタンボルトは25Nm で折れたことがある。 よって22Nm以下、20Nm 以上としているが、クロモリボルトだと25Nmでも大丈夫だろう。 ステムキャップの4本と、コラムシャフトの2本とも同じである。
 中華チタンボルトはネジスレッドはインチだけど六角穴はmmなので、工具の準備にかなりよい、という捨て置けない理由もあったりする。

クランクシャフト

30Nm 

 ここはBB内部のカラーが不足だとあまり締め付けられなくなる。(詳しくはそのうち完バラ整備編でもやろうかと思っている)
 あまり強く締めて折れるとかなり手痛い出費間違いなしな部位でありながら、かなり高頻度で緩むネジでもある。
 正直ここを普通のLアーレンキーで力一杯締めたとしても足りないんじゃないかなあと思う。
 ぼくのは何かの気の迷いでチタンシャフトにチタンボルトというブルジョア仕様となっている(中のチタンシャフトを臭わせる為にチタンボルトを驕っている、なんてことはないんだからね)
 ので、間違っても折りたくないし緩んでスプラインをボーズにもしたくない。
 かなりグリスを使う場所でもあるので緩み出すと割と一気にいくけど、色んなメーカーのクランクに付いて来るボルトにはネジロック剤が塗布してあるが、グリスとの相性は非常に悪い。 もしかしてここのボルトにはグリスは使わないのがセオリーなのかもと思うけど錆びて二度と外れなくなるがあるあるな部位でもある。 とはいえ、BMXをはじめとする金属同士(別種の金属なら尚更(別種金属の電位差によりサビが加速する))が当たる面はグリスまみれにするのが大切な儀式である。

 ここは非常に難しいので各位模索して情報交換的なことが起きればありがたいと思っている。



 あれ… もう終わってしまった。 BMXネジ少ない…… 助かる…… 


 シートクランプとかは10Nm も必要ないと思うし、といいながら折れるのにビビりながら締めている。
 ブレーキは付いてないので探求していないが、別車種同部位の自転車のデータで大丈夫じゃないかと思う。 それより少し強めで。(ネジスレッドがアルミやカーボンじゃないならかなり強気で行ける)

こういうのもちょっと締めすぎるとすぐ折れる。

そうそう

ここは任意

 この辺は完全にセッティング整備系になるけど、ステムトップボルトはハンドリングの軽さとガタの中間にするので決まったトルク値はない。
 でもここが緩んでいたらステムのコラムシャフトボルトを緩めてやり直した方がいい。

 隔週程度の間隔で行う適当な増し締め(増さないで緩みを取るだけ)も15カ所で終わってしまう。

 それではグッド整備でグッドライディングを。

 ご安全に。

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