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音楽

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エレフエ(電子リコーダー)を試奏してきたよ!!

エレフエ(電子リコーダー)を試奏してきたよ!!

「エレフエ」をご存知でしょうか?
台湾のメーカーが開発し、日本ではファインアシストが販売元となっているリコーダーを元にした電子管楽器です。

詳細な仕様は販売元のサイトをご覧ください。

楽器は島村楽器などで展示、販売もしていて、先日見かけたので試奏してきました。
その試奏リポートを書いてみました。
電子管楽器として評価するか、電子リコーダーとして評価するかでも評価は変わるでしょうが、ここではリコ

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プログラムノート公開第二弾! 「ヴィヴァルディとゼレンカ 18世紀の教会音楽」

プログラムノート公開第二弾! 「ヴィヴァルディとゼレンカ 18世紀の教会音楽」

先日のプログラムノート公開第一弾の、小池耕平リコーダーリサイタル「ヴィヴァルディとその周辺」に続く第二弾です。
今回は、青木洋也さんの合唱器楽アンサンブル、コレギウム・ムジカーレの演奏会「ヴィヴァルディとゼレンカ 18世紀の教会音楽」のために書いたものです。
どうぞお楽しみください。
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<ドレスデンとフィレンツェ、そしてゼレンカとヴィヴァルディ>今日の演奏会でとりあげられるゼ

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小池耕平リコーダーリサイタル「ヴィヴァルディとその周辺」プログラムノート

小池耕平リコーダーリサイタル「ヴィヴァルディとその周辺」プログラムノート

以前に書いたプログラムノートを公開したいと思います。

こちらはリコーダー奏者小池耕平のCD「ジーバー リコーダー・ソナタ全6曲」が発売されたときのリサイタルツアーのために書いたものです。
テキストでなく画像なのは、画像で説明している部分や、テキストにバツマークで効果をだすといった、ややプログラムノートには普段見られない表現を使っているためです。

ぜひお楽しみいただければと思います。(そしてつい

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文章にする前にclubhouseで話してみるってあり?

以前からこういう古楽や音楽史に関する本って可能かなぁと思っているアイディアがあったんだけど、(でも実現するなら同人誌というか薄い本系で)文章だと書くのが面倒だしと思っていたら、clubhouseなんてものがはやりだした。これは、言語化してみるってのが自分の中での感触を知るために手っ取り早いんぢゃない?って思ったので、気が向いたら、以下の内容でclubhouseで話してみようかと思う。

予定として

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作曲家と演奏家の関係性とはなんだろう

作曲家と演奏家の関係性とはなんだろう

作曲者はどこまで守られているのか(編曲や楽曲改変とはなにか)、そして演奏者はどこまで自由に許可なくふるまえるのか。
●話の発端すっごくとっちらかった多様な話を書いてみたい。(なので読む人は覚悟して読んでくださいw)

本村さんが提起した話題はとてもいろんなことを考えさせてくれる問題でとても面白い。私と本村さんでは考えは違うけど、でもできたらいいなと思っていることは一緒なのでなおさら。

私も何年も

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チャイコフスキーの不遇な2曲

チャイコフスキーの不遇な2曲

今回は、珍しくロマン派(というよりは国民楽派かもしれないけど)についてのお話です。

なんだか私は古楽と現代音楽しか聞かないんぢゃないかと思われている節がありますが、元々チェロを弾いてましたし、オーケストラでもシューベルト、ブラームス、チャイコフスキー、ヴェルディ、ショスタコーヴィチなどなど弾いてましたから、別にロマン派が嫌いなわけぢゃないのよ。。。
ただ、他の時代より突出してこの時代が素晴らしい

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デイヴィッド・マンロウCDライナーノーツ裏話

デイヴィッド・マンロウCDライナーノーツ裏話

昨日は、デイヴィッド・マンロウの久しぶりのCD発売に伴い、デイヴィッド・マンロウとはどういう人だったか、そして発売されるCDの内容などを紹介しましたが、今日はちょっと砕けて、私の担当した部分に関してですが、裏話をしたいと思います。買っていただけた方にはより楽しめるかと。。。

お仕事がやってきた!このCDの解説担当の話は、今回発売された他のタイトルの追加解説を執筆された方を通してワーナーの担当の方

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デイヴィッド・マンロウのCDが久しぶりに発売

デイヴィッド・マンロウのCDが久しぶりに発売

今回はCDの宣伝です。

古楽奏者のデイヴィッド・マンロウのCDが久しぶりに発売されました。今回、そのCDの一部の解説の翻訳と執筆をさせていただいたので、みなさんにデイヴィッド・マンロウについて知っていただくことも含めた記事です。
お付き合いください。

デイヴィッド・マンロウってどんな人?今でこそ、バロック音楽を中心として古楽を当時の楽器や奏法、スタイルで演奏することは一般的になりつつありますが

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音楽ができる、楽器ができる、って何だろう?(佐村河内守を描く森達也「FAKE」を見て思ったこと)

音楽ができる、楽器ができる、って何だろう?(佐村河内守を描く森達也「FAKE」を見て思ったこと)

今回はけっこうプリミティブな問題をちょっと考えてみるネタにしてみたい。
これを題材にしてみようと思ったのは、最近話題になっているドキュメンタリー(といっていいのかも曖昧な作りになっている)映画、森達也「FAKE」をみたから。

▶︎まずは映画「FAKE」をなぜ見たか話題になっているのは知っていたけれど、当初この映画を見る気なんてなかったんですよ。今更、佐村河内守氏のドキュメンタリーとか言われても、

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「グイドの手」の新案を考える(役立たないこと120%!)

「グイドの手」の新案を考える(役立たないこと120%!)

今回は久しぶりの音楽ネタですが、

中世音楽理論ネタ、さらに、誰にも役立たないネタ、、、どうすんだ。。。先日、東京芸術大学の「西洋中世古楽会」の初めての学外公演を聴きにいってきて、3時間めいっぱい盛りだくさんなコンサートを楽しんできたのですが、その会場で「西洋中世古楽会論集」というのを売っていて買いました。

こんな論集で、内容はこんな感じです。

とても素敵でしょう。
もしご興味ありそうなら、ぜ

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作詞は作曲より簡単だろうか?

作詞は作曲より簡単だろうか?

しばしば聞くことですが、アイドルや歌手が新曲をリリースするときに、今回は初めて作詞にも挑戦してみました、ってのがある。
素朴な疑問として、こういう時、作詞に挑戦する人はいるのに、作曲に挑戦しました、って人をとんと見かけないのはなぜだろう?

作詞の方が、作曲よりも簡単って思われているのだろうか?
そして、それは本当なのだろうか??

▶︎まずは中学校時代の体験から私は下手くそながら作曲したこ

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今、音楽を聴くということ。
鈍感な私たちの耳?

今、音楽を聴くということ。 鈍感な私たちの耳?

最近の社会問題に、子供の声がうるさいからといった理由で保育園が建てられないという話があったりします。まぁ、実際は騒音だけでなく、安全性もあるでしょうが。
一方で、私たちは子供の声どころでなく、生活が騒音まみれです。
よくもまぁ、街中はあれだけいろんなアナウンスや宣伝やBGMが流れ、車が走っているなんて環境に順応できるものだと思います。人間すごい、、、または、鈍感!!w
こんな音環境は都会に限るでし

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中世音楽以前に関する音楽書15(+α)選

中世音楽以前に関する音楽書15(+α)選

先日、中世からバロックにかけてと、現代音楽の両方の作品が絶妙に混じったプログラムのコンサートを聴きにいきました。
「僕たちは古楽と現代音楽の対話を通して『数』と『トランス』という壮大な命題に想いを捧げる」


で、古楽も現代いずれの時代の音楽も大好物なのですが、ルネッサンス以前(このコンサートではヒルデガルド・フォン・ビンゲンとか中世のエスタンピとかペロタンとかファエンツァ写本とか演奏されたわけ

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ズィーバーという作曲家を知ってますか?(改訂版)

ズィーバーという作曲家を知ってますか?(改訂版)

この文章は、
4月5日に開催された
「小池耕平リコーダーリサイタル
イグナツィオ・ズィーバー リコーダーソナタ全曲演奏会」
(初台オペラシティ 近江楽堂)
のプログラムノートのために書かれたものです。

ズィーバーというまだあまり知られてない作曲家の知られてないリコーダーソナタ集の全貌を日本で初めて聞くことができる素晴らしいコンサートでした。

以前、半分ほど無料公開してましたが、コンサート

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