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話したい。

人と話したい。

その欲求が、自分の中でむくむくと膨らんでいると気づいたのは最近のこと。

結論から言えだとか、ロジックがどうのこうのとか、そんなことは置いておいて、ただただ人と話したい。自分を価値ある人間に見せようとか、いいこと言わなきゃとか、そんなことも全部捨てちゃって、ただの人と人どうしになって言葉を交わしたい。

思えば、私は昔から1対1で話すのが好きだった。当たり障りのない世間話じゃ満たされなくて、ふたりでじっくり話すうちに、相手の深くて柔らかい部分に触れられることが何より嬉しかった。
「実はこんなこと考えてるんだ」をおそるおそる差し出してみたとき、あたたかい両手で受け取ってもらえると心底安心した。

でも、そんな時間を過ごせたのはいつが最後だっただろう。

いつの間にか大人数の飲み会もそれなりに楽しめるようになったし、その場その場で求められる振る舞いを選択できるようになった。「こうあるべき」と語る他人の言葉に乗っかってみたりもした。自分の口から出ていく言葉はどこかよそよそしくて、誰の人生を生きているんだかよく分からなくなった。

自分の言葉で、人と話したい。何を話しても受け取ってもらえるという安心感に身を委ねたい。

こんな風に感じているのは、私だけじゃないと思うんだよな。

話そう、私とあなたで。

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