見出し画像

高貴なる貧民の大晦日

大晦日も三が日もバイトで、帰っても1人きりで、テレビもないから全然年越し感がない。でもいいの。暦の上では区切りだけど、今日も明日も家賃が発生しているし、電気代も水道代もかかっているし、ご飯を食べなくちゃならない。生活は変わらずに続いていくのだから、むしろ働いていたほうがいい。地味に差をつけていく。


インターネットに住んでいる全員が今年を振り返っている。思い出の写真を血眼でかき集め、虚にむかって「今年もありがとうございました」とつぶやいている。とりあえず蕎麦を食べ、なんとなく紅白を眺め、カウントダウン前にチャンネルをかちゃかちゃし始めて、慌てて乾杯する。0655 2355のスペシャルを見ながらうとうとし始める。そして必ずおもしろ荘を録画し忘れる。そういう伝統行事になりつつある。


実家に帰らなかったので、初めて石川県で年越し。スーパーには、「くわい」と「かもり」と「とり野菜みそ」があって、黒はんぺんと赤味噌がない。雪は溶け残っていて、しとしと気まぐれに雨が降る。乾燥した爆風の吹き荒れる地元とはちがう。


今日は大晦日だというのに理不尽なことで感情的に怒られて、ハラワタがきれいに煮沸消毒された。オジサンにもなってまだ自分の感情を飼いならせないなんて信じられない。でも、よく考えたら昔の自分みたいだなあと思って恥ずかしくなった。カルマってこういうことだな。


一方で、あんたはこんなしみったれた所にいてはいけないよ、と言われたような気分。はいはい頭下げたり、謝り倒したり、上司をおだてたり、しきたりってやつを守ったり、不可能だ。「上手くやる」ことができない。やり方はわかっているし、やろうと思えば誰よりも上手くやれるけど、どうしてもどうしても権威に頭を垂れるのが嫌だ。我慢できない。


威張り散らして、みんなそれに逆らわないでへいへい従って、とりあえずその場を収めて、そんなことしたって誰も幸せになれない。そんな小さな世界で生きるのは嫌だよ。


こういう現状にいくら私がNOを突きつけたところで、ただの21の小娘だといってバカにされるだけだ。若くて、しかも女っていうのがダメらしい。対等に扱ってもらえることなんて奇跡だ。もう散々思い知らされた。だからこの狭いコードの中で戦うのは賢明とは言えない。


私は私のフィールドで、私の持つべき剣を使って、私にしかできないやりかたで挑み続ける。


来年はそんな一年にする。


もういい加減やることやります!天命とか気付いてるくせに逃げてるとマジで罰が当たりすぎてフロントガラスがバリバリ。ごめんなさい!!!


良いお年を

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?