意思決定の場面で、感情的にならずに客観的に物事を見る力が求められます。自分の主観に捉われず、異なる視点からも検討を加え、公平な判断を下すことが重要なのです。今回は、客観視のポイントと身につけ方をご紹介します。

■客観視が必要な理由

特に重要な意思決定を行う際には、感情に流されずに冷静に検討する必要があります。自分の感情や思い込みで判断を下してしまうと、的外れな選択をする危険性が高くなります。

例えば、新規事業の立ち上げを検討する際、感情論に振り回されては適切な判断ができません。自分の思い入れだけで「おもしろそうだから」と決めてしまうと、大きなリスクを負うことになるでしょう。代わりに、市場の動向、競合他社の状況、資金計画などを客観的なデータに基づいて冷静に分析する必要があります。異なる立場の関係者の意見を公平に取り入れ、様々な角度から検討を重ねることで、事業化に値する案件かどうかを的確に判断できます。

■3つの客観視のコツ

自分の価値観に気づく

例えば環境保護の重要性について議論する際、「経済活動が最優先」と考えがちな経営者は、環境対策の意義を軽く見がちです。しかし、自分の経済中心主義に気づき、開かれた心で環境保護の必要性を認識することが大切です。

相手の立場に立って考える

環境対策を求める市民団体の立場に立って考えてみると、環境破壊により子々孫々の世代に深刻な被害が及ぶことが理解できるはずです。異なる価値観の理解に努め、一方的な見方に陥らないよう心がけましょう。

複数の視点から検討する

環境対策と経済活動のいずれを優先するかについては、専門家の見解や各国の方針、市民の意見など、様々な視点から比較検討する必要があります。賛成派と反対派の双方の根拠を知ることで、新たな気づきや解決策が見えてくるかもしれません。

客観視は誰しもが持っている能力ですが、意識的に練習を続けることで、さらに磨くことができます。日頃から冷静に事実を見る訓練や、偏りを指摘してもらうなど、様々な工夫をこらしましょう。的確な意思決定を下すためには、いかに客観視できるかが鍵となります。です。