ショーシャンクの空に

知人にお勧めされたので観てみた。
この映画最大の魅力は、主人公アンディのタフなキャラクターにあると思う。アンディは身に覚えのない罪で刑務所に収監されるという、かなり最悪の状態に陥っているにもかかわらず作中を通してずっとポジティブに動き続ける。看守からせしめたビールを仲間に振舞い、見張りの看守を出し抜いて自身の愛する音楽のレコードを刑務所中に響かせ、所長の汚職を手伝い刑務所内での地位を確保し、自殺した仲間の仕事場だった図書館を豪華にし、挙げ句の果てには脱獄した上に自身の関与した所長の汚職をバラして所長を自殺に追い込む。そして彼は外国で理想の生活を送り、ラストでは絶望しかけていた友人のレッドに希望を与える。ほとんどスーパーマンだ。
こういう周りの人間と一味違う、魅力的でポジティブな主人公というのは結構絶妙なバランスで成り立っているような気がする。特に作中でも魅力的とされている場合、作中での立ち位置と映画を見ている観客の中での立ち位置にズレが生じると、全然話に入っていけない。
僕はこの映画を通して、語り手であるレッドと同じようにアンディに魅せられていった、映画の最後のほうでレッドがアンディを鳥に例えたとき、まさにアンディのことを表すのにうってつけな言葉だと思ったし、レッドが「みんな、アンディが好きだった」と語った時は大きく頷いた。そして、ラストシーンでは レッドと同じようにアンディに希望を与えられ、晴れやかな気持ちで映画を観終わる事が出来た。
どんでん返しや、難解なストーリーや、この世の無常を描いた切なさでなく、アンディというポジティブな人物の魅力と、希望に満ちたストーリーで観る人を惹きつける映画だったと感じる。意外にこういうポジティブで上質なストーリーはあまり見たことがない気がするので、かなり観てよかったと思えた。勧めてくれた知人に感謝。

#映画
#ショーシャンクの空に

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