子供は、「のぶみさんの絵本」が好きなのか?

(まとめ)

■あなたは、のぶみさんの絵本は、好きですか?

■こどもが「好きだ」と言っていたら、気にしてほしいこと

■のぶみさんの絵本には楽しい絵本もある

■子供が追いかけるのではなく、親が追いかける絵本を

(本文)

■あなたは、のぶみさんの絵本は、好きですか?

親世代でのぶみさん、という絵本作家を知らない方はいないでしょう。

名前を知らなくても『ママがおばけになっちゃった』を描いた人だよ、と言えば知っているのではないでしょうか。

少し前『あたしおかあさんだから』という歌が炎上しました。

歌詞の内容が「母親ばかりが犠牲を強いられているように感じる」と批判を浴びる一方、

「おかあさんだから、という小さなプライドが私を支えている」と支援する意見もありました。

のぶみさんは、保護者、特に母親を対象としたマーケティングを行って絵本を作っているので、自然と母親が喜ぶ絵本が多くなります。

『ママがおばけになっちゃった』や『このママにきーめた!』も、「母親」であることに一生懸命なお母さん達の心をつかんでいる絵本たちです。

この「母親賛歌」の絵本を、日々の「支え」として母親が手にすることはあってもいい、と私は思います。

でも「母親が喜ぶ絵本」と「子供が喜ぶ絵本」は一致しないことがある、

ということを意識したうえで、手に取ってほしい、とも思うのです。


■こどもが「好きだ」と言っていたら、気にしてほしいこと

とはいえ、子供はのぶみさんの絵本をよろこんでいる、と感じている親御さんもいらっしゃると思います。

そのとき、ちょっと注意して見てみてください。

それは

  のぶみさんの絵本が好き

なのか、もしくは

  ママが好きなのぶみさんの絵本が好き

なのか。

子供は、ママが大好きです。ママと一緒に「大好き」を楽しみたいと思い、共感を示してくれることがあります。

たとえば、ママの大好きな料理が出たとき。
「これ、おいしいね」と言っているけれどお箸が進んでいない。

ママが行きたい場所に望んでついていき、「ここ、たのしいね」と言っているけれど、時折遠い目を見せる。

そんな様子が見えれば、それは子供が背伸びをしているしるしです。

料理や施設だとわかりやすいですが、絵本になると見えにくくなります。

たとえば、夜、眠る前に絵本を読むとき。

親が絵本を選んでいませんか?
子供は読み聞かせの時間を楽しむので与えられた絵本で満足することがあります。

そんなとき「今日はどの絵本がいい?」と訊ねてみてください。子供が自ら選ぶことで、今の子供の気持ちや好みを知ることができます。

急に始めると、しばらくは親が選んだ絵本が続くと思います。少しずつ「あなたの好きに選んでいいんだよ」と示してみてください。

そのうえで、『ママがおばけに~』や『このママに~』を選んでいたら、本当に好きな絵本として、親子で楽しめる絵本に加えていただけたらと思います。

 


■のぶみさんの絵本には楽しい絵本もある

と、ここまで散々のぶみさんの一部の絵本をdisってしまいましたが

すべての絵本が母親目線というわけではありません。

子供も楽しむ絵本も多く出されていますので、ここではその一部を紹介したいと思います。

しんかんくんシリーズ

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新幹線の「しんかんくん」は新幹線大好きなかんたろうに会いに、町に飛び出してしまいます!

大好きな新幹線が、自分から会いに来てくれるなんて、夢の様ですよね。この絵本は人気作となり、シリーズが8作品出ています。

おひめさまようちえん

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「おひめさま」と聞くだけでときめいてしまう子供達にとって、憧れのような幼稚園「おひめさまようちえん」。

でも、入るには「しけん」があるようです。果たしてどんな試験なのでしょう。

のぶみさんは、『ママがおばけ~』を描く以前はこのように子供目線の絵本をたくさん描いていらっしゃいました。

ただ、それでは売れない…もっと工夫が必要だ…と、絵本の直接の購入者である保護者、特に母親を対象にした絵本を描くようになりました。


■子供が追いかけるのではなく、親が追いかける絵本を

このような絵本が生まれた背景には、売り手の工夫も必要だな、と考えさせられます。

そして保護者の方には、

パパやママの好きなものを、子供が追いかけて好きになるよりも
新幹線を好きな子供のために、新幹線に詳しくなるように、
子供の「好き」をママが追いかける。

そんな絵本に出会って行ってほしいな、と思います。

親子絵本専門店を名乗り、親子読書の楽しみを提案する者として
もっともっと、「出会い」を生みだせるよう、私自身努力していきたいと思います。

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