丹沢アート

作家を感じる

実を言うと、フランシス・ベーコンという画家。私にとって(偉そうな言い方になってしまうが)大学時代、画集から知識を入れて、実物を観てがっかりした画家の一人なのです。
画集を見たときのインパクトとと、実物のあっさり感、計算されて描かれた感じが、なんだか私の求めていたものとは真逆だった。
結果的には、それこそがベーコンの作品なのだけれど。それも含めて、心に留まっている作家であります。

人は「違う」と思った世界にそこまで欲を感じないものだと思うが、少しでも「かする」ものがあると、全体感に入り込めなくとも、後々までものすごく気になるものとして残る事がある。

ベーコンの絵も最初に実物を観ていたら、違った魅え方をしていたのかな。というようにも思うが、わからない。

5月に控えた展覧会のチラシの顔を見て、何人かの方から名前を出されたので、ふとそのことに自覚した。

自分が何を思って制作して出てきたものなのか。出てきてから「他者から聞く言葉」にいろいろと感じながらまた確認するようなところがある。

「作家を感じる」「自分を感じる」

自分が何者なのかを見つけるために、遠まわりばかりしているけれど、これはこれで楽しい人生です。


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