数年前にベストセラーとなったリンダ・グラットンの「ライフ・シフト」で教育・仕事・引退の人生の3ステージ制は終わり、これからの時代はマルチステージ制になるという内容は多くの人が知っていることだ。

なかなか現実的で説得力がある内容だったから、自分も大いに影響を受けて、人生設計をアップデートした。
いや、そんな綺麗事ではなく、厳しい時代を生きる覚悟をした。
3ステージで人生設計をしていた今の50代以下はまず逃げ切れないだろう。
60代以上はギリギリ逃げ切れるかもしれないけど、社会保険に依存する生活は今後かなりの改悪を覚悟する必要がある。これから財政が良くなることなんて望めないし、政府だって無い袖は振れないんだから。

会社が定年を延長する動きも少しはあるようだけど、多くの会社はあまり役に立たない老人を維持する力なんてないはずだ。会社から捨てられて、他に稼ぐ手段がないと老後の生活は簡単に詰んでしまう。

マルチステージ制だけでなく、マルチワーク制になることも予想している。
不安定な時代は１つの職業だけではなく、同時に複数の職業を掛け持ちにする必要があるから。
今のサラリーマンという特殊な職業形態が日本で定着したのは、それほど長い歴史があるわけでもなく、戦後復興後から高度成長期にかけて成立したものだ。
それまでの時代はいろいろな職人がいっぱいいたし、家族で協力しながら、片手間で仕事をいろいろ掛け持ちでするなんて当たり前だった。
副業が徐々に流行ってきているけど、もうそういう時代になってきたんだ。
いつまでも古い価値観にしがみつかないで、時代は変わったのだと認識を改めて早めに受け入れよう。

とにかく、現実を直視して、知的好奇心と行動力を失わないことだ。
これからは厳しい時代だから、政府や会社に頼らず、自分の力で生涯現役でたくましく生きていくしかないよ。