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未来は不確実だから価値がある

ダニエル・ピンクという名前を初めて聞いたのは、4年前留学に備えてひたすらTEDトークで英語を勉強していたときだった。「オススメのTEDトーク○選」の中に彼のトークがあって、タイトルは「やる気に関する驚きの科学」。「モチベーション3.0」の内容を抜粋して話している内容で、特に「ろうそくチャレンジ」の話が印象に残っている。

報酬がモチベーションになった瞬間、人の思考は突如狭められて、自由な発想ができなくなってしまうことを「ろうそくチャレンジ」を通して伝えていた。

彼が本当にすごいなと思うのは、「ハイコンセプト」や「フリーエージェント社会の到来」など、10年以上も前に現代の社会をまるで予言していたかのような本を残していることだ。

まず「ハイコンセプト」では、右脳時代の到来を述べ、「機能よりもデザイン」、「議論よりは物語」、「論理ではなく共感」など今注目されている顧客体験の向上に通じることが書かれている。

「フリーエージェント社会の到来」では、いわゆる「個の時代」の到来を告げ、個人としてこれからどう生きれば良いかについて、「令和の時代を先取りしていたのかな?」と思うほど詳細に書かれている。

一体どうしたら彼のように未来を先読みできるのか。アメリカの方が日本よりも進んでいるため、日本からみると予言書っぽく見えるだけかもしれないが、それを差し引いても先見の眼がある。

「未来を読む」と聞くと思い出すのが、まさにそのままタイトルがついている「未来を読む――AIと格差は世界を滅ぼすか」という本。同書は「サピエンス全史」のユヴァル・ノア・ハラリや「LIFE SHIFT」のリンダ・グラットンが、この先の未来で起こりうる事象や可能性について述べた本だ。

この本の何が良いかというと、インタビュアーが日本人なこと。アメリカで起こりうることではなく、日本ではどんな可能性があるのかについて触れられている。日本には日本なりの文化や考え方、社会基盤があって、どれもアメリカや中国と同じというわけにはいかないだろう。

いま徐々に日本でも話題にありつつある移民問題にも触れられていて、オリンピックが終わって、万博も終わった先に日本社会でどう生きていくのか。それこそ、ダニエル・ピンクよろしく未来を先取りしておきたい、未来に備えて起きたいと思う人は読んで損が無いのでは、と思う。

とはいえ、ドラえもんのタイムマシンがあっても乗りたくない。過去に行くのは楽しそうだけど、未来を完全に知ってしまうことは生きる面白さがないように思える。未来について備えるのは大事だが、杞憂という言葉もある。不確実で変数ばかりだからこそ、人は未来を自分で作っていけるのであり、変えようと思えばいくらでも自分の未来を変えることができるのだ。

暗いニュースばかり飛び込んでくる昨今だけど、暗闇の荒野に道を切り開いて行きたいと思うものだ。

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