今年1月からのパチンコ店閉店軒数について

今年に入って、パチンコ屋の閉店が相次いでいます。それについて思うところをつらつらと書いていきます。
お付き合いいただけましたら幸運です。

まずは、私がよく見ている二つのウェブサイトを紹介します。ネットで誰でも手軽に見ることができる情報源です。

ここパチ様というサイトがあります。パチンコ屋のいろいろなデータを集めている無料で見ることができるサイトです。
パチンコ屋に限らず、店舗開発担当者の方には、ブックマークされている方結構おられるかもしれません。

このサイトは、コロナで休業要請に応じたパチンコ屋を集計してくれていたり、40年前のパチンコ屋の屋号を特定してくれたり、ものすごくパチンコ業に関連する人には、便利なサイトです。

ここパチ様は、閉鎖したパチンコ屋の跡地の運命を伝えてくれます。

反対に、グランドオープンするパチンコ屋についてタイムリーに情報発信してくれているサイトもあります。
ジェネピさまのサイトです。

こちらは、官報を追いかけて、パチンコ屋運営会社の事業結合や企業結合をほぼ正確に追跡しています。
このサイトの主な使途は、パチンコユーザーの方においては、出玉の期待できるグランドオープン情報を得ることができるところにあります。
パチンコ業に関係している人にとっては、どの店とどの店が同じ系列になるとか、取引先やライバル店舗の状況を知ることができるのが便利です。

二つのサイトをご紹介した理由は、閉店したパチンコ屋が必ず廃業するとは限らないからです。ここパチさまで今年に入って本日2022年2月1日までに閉店したパチンコ屋の軒数が144軒と報じられました。しかし、時系列でジェネピさまのサイトを追いかけていくと、官報で吸収分割、合併など商法上の企業結合をする形でパチンコ屋がM&Aされた情報をトレースできます。

純粋に廃業したパチンコ屋の軒数を調べるには、ここパチ様とジェネピ様を見比べないと正確な数を推測できなくなります。

ただ、ジェネピ様のM&A情報を差し引かずに見ると、今年に入ってのパチンコ屋の閉店数は、144軒とかなりのハイペースになりました。
寂しい限りですが、1月末までに新しい規則にのっとったパチンコ、スロット台を買いそろえなければならないのに、お金がないパチンコ屋さんを中心に、閉店するお店の数がだいぶ増えました。

平成16年くらい。大昔に当時の警察庁の課長補佐の方が、パチンコ屋は、全国の公立中学校の数くらいまで減らしたほうがいい!という持論を展開されていました。約10000軒に減らそうという話です。
現在パチンコ屋の数は、全国で8000軒を下回る感じになってしまいました。警察庁の課長補佐の方が約20年前に目指した店舗数の減少数を大きく超える減少数になってしまいました。

これから、もっとパチンコ屋の数は減っていくと思われます。
一生懸命営業しても、利益が、空くなくともキャッシュフローが残せない事業を継続する意味は乏しいので、苦渋の選択として閉店をされる会社も少なくないのが現実問題です。

それでは、パチンコ業は、ゲームセンターみたいに斜陽化してしまうでしょうか?

私のその点、悲観をしていません。

理由をいくつか書いてみます。
1)CR機、5号機が完全撤去になると、出玉で競争環境しうる環境になる。出るお店を回遊する形になるが、情報収集力のあるお客さんは、お店を追いかけて動き、稼働するので、その目利きの厳しいお客さんとの知恵比べになるけれど、パチンコ屋にお客さんは、来てもらえる。
2)P機のパチンコ機は、すごくギャンブル性が高い。だから夜8時くらいからでも1万円一本勝負をしてくれるわかっているお客さんが増えてくると期待できる。
3)夏ころには、19000枚一撃で出る可能性のあるS機も登場してきそう。ただし、純増スピードは、まどマギくらい。今までのひと塊で2400枚しか出ない台ではなく、スピードは遅いけど大きな出玉の塊を狙える台が登場しそうです。
4)コロナの終息。特にパチンコ屋に足を運んでくださっていた高齢者のかたがニュース番組を信じ、あるいは同居家族に止められて出歩かなくなってしまいました。コロナが終息したら、一番お財布にゆとりのあるこのお客様たちが戻ってくれる可能性があります。

これはあくまでも、希望的な、楽観的な話になります。

今後、今のパチンコ屋の営業スタイルにお客様が着いて来れなくなった場合、パチンコ業は、本当に斜陽化します。しかし、私はその心配は深刻にはしていません。
賭博癖というと大げさですが、社会の人口の1割くらいの人は、宝くじを買ったり、競馬をしたり、マージャンをしたり、パチンコ屋に行ったりして楽しく感じるようです。
そういう層に私もいるのですが、私がパチンコ屋が落ちるところまで落ちて最後の1軒がなくなる状況には、ならないと思っている根拠は、人の性として、射止めたときの喜びを感じる人がいなくなることがないところです。
しかし、FXとか公営など青天井で賭けられる賭博性の高いサービスが世の中には、テクノロジーの進化とともに普及しました。
中途半端な賭け金のパチンコ屋での遊技の需要は、なくなってしまうと悲観する声もあるかもしれませんが、パチンコの魅力は、中途半端なところだと思っています。
人生を失うような大金を賭けるわけではなりません。また大勝ちしても人生が変わる億単位のあぶく銭を一瞬で手に入れられるわけではないのです。

手軽に中途半端な賭け事に近い遊技を提供するのがパチンコ屋です。また、パチンコやスロットが好きなお客様は、勝利をつかむまでの過程を非常に重視する方が多いです。
マージャンの手作りに近いものがあります。店とお客様の知恵比べ、駆け引きを制して勝利することが楽しいのです。しかも、ゲームとして運で勝つ場合もある。もちろん反対に正しく打っても不幸にして負けることもあるのですが。

手軽さ、中途半端さがあるから大衆娯楽と言われます。

ただし、パチンコ屋の商売は、年々、閉店数が増えているのでわかるように、厳しい状況になってしまいました。

パチンコ屋の商売が消滅せずとも厳しくなるとすると、周辺機器を提供する販売商社、メーカーにまずしわ寄せが行きます。
大手遊技台メーカーさんのなかには、先を見越してリストラを始めたところも数社出てきました。
また、自らオペレーターとして来るカジノの運営利権を取るべく動き出すところも出てきました。

今まで、パチンコ屋とメーカーの関係は、パチンコ屋は、人気商品を抱えているメーカーの言いなりでした。あれが欲しいならこれも買え!という独占禁止法ぎりぎりのグレーな示唆に応じて新台を買ってきました。
そんな金がない!となると買えずに競争から脱落していくことになります。
勝組のパチンコ屋とだけ付き合ってきたらメーカーも楽ちんに商売ができていました。
しかし、この力関係が逆転する可能性があります。
パチンコ屋みんながお金がない!けちん坊な購買しかしなくなったときです。これまで、名ばかり営業で受注調整をしていたようなメーカーは、売れない危機に陥るかもしれません。
売るために値引き合戦、営業人員の絞り込み、営業拠点の廃止などしても事業の継続が厳しくなるかもしれません。

仮に、メーカーとパチンコ屋の力関係が逆転した場合に、パチンコ屋は、必要な台だけを運用してお店の経営をすることができるようになります。
そうなると、余計な経費だった要らない台の購買費用を出玉用の費用に変えることができます。
お客様にとっては、遊びやすい、勝ちやすい環境になる可能性もあります。

あと、メーカーも今までライバルだった会社と共同してモノづくりのコストを削減する取り組みを始めています。筐体を共通化したりして、オリジナルにこだわる部分と、オリジナルを捨てる部分をはっきり区別して製造コストを下げる取り組みです。

お客様、パチンコ屋、パチンコ屋を囲む様々な業者がみな苦しくない状況に改善できれば、パチンコ屋で遊ぶお客様もこれ以上減ることはないかもしれないと思います。

楽観視しすぎかもしれません。

次に、これから、閉店してくであろうパチンコ屋の見分け方を最後に紹介していきます。
都市部にある平成20年以前に出店をした高額賃料の賃貸物件は、閉店してしまう可能性が結構あると思います。
一方で、地方都市の自社物件で頑張っているパチンコ屋は、おそらくずっと営業を続け得ると思います。
理由は簡単で、パチンコスロットの貸し玉/メダルの上限は、全国一律だからです。
毎月3000万円の家賃を払いながら1玉4円の営業をしている大都会のお店と年間300万円の固定資産税を払いつつ1玉4円の営業をしているド田舎のお店を比べると、ド田舎のお店の方が手残りが多くなります。

大都会で店舗物件を所有しているお店も粘り強い営業をしうる環境にあります。土地の担保価値がめちゃくちゃ高いからです。銀行も一等地なら金を貸します。梃子を利かせる経営になりますが、お金に困らない経営ができるポテンシャルは十分になります。

あとは、特定の屋号のパチンコ屋さん。一時ものすごい勢いで出店して全国展開しましたが、選択出版のOBの方の会員制情報サービスで経営が厳しそうという記事が流れたりしました。
事実、その会社のお店は、だいぶ閉店しました。
しかし、店舗開発が優秀で、ほとんどのお店は、同業他社に引き取られています。
だから、その屋号だから絶対に駄目ということは、無いかもしれません。
また、流れた記事は、外れました。今も粘り強くお店を継続されています。

300台くらいの小規模店も、よほど頑張っているお店以外は、周囲の競争環境にもよりますが閉店の危機だとおもいます。
日本一の店舗数を誇るダイナムというパチンコ屋さんがあります。このお店の標準店舗は、480台で、全国津々浦々の生活道路沿いに出店をされています。この480台のお店に規模で対抗できないお店は、これから市場から駆逐されてしまう恐れが大いにあると思います。

閉店して、同業他社に買ってもらえなかったパチンコ屋は、どうなるのでしょうか?ユニークな例を紹介します。
転用難度が高い資産(アセット)なんで、高難度アセットとか言われてしまっています。
パチンコや跡地の有効利用例として、悲しいですが、迷惑施設ともいわれるパチンコ屋の後の土地建物で葬儀屋を経営するビジネスモデルがあったりします。生きている人の遊び場から、お亡くなりになった方の最期をお祭りする施設への転用です。
柱が目立たない構造だったり、広々しているので、小規模な家族だけのお葬式向けに需要があるのかもしれません。
また、高齢化社会に欠かせない施設でもあります。

ほか、デイケアセンターとか、中古車のショールームなどに転用された事例があったりします。

一番切ないのは、パチンコ屋を壊して更地にして、郊外型の新たな店舗サービスに業態転換をする場合かもしれません。

切ない話はおしまいにして、適当な営業をしていてもお客さんがたくさん入ってくれる昔のような簡単な商売ではなくなりましたが、頑張ったらまだお客さんに来ていただけるのが、パチンコ屋だと思っています。
その中で、最近存在感を表しているのが、来店をしてお客さんを盛り上げる演者、ライターと言われる方々です。
呼ぶと結構高いです。20~50万円することもあります。
今広告宣伝について全国一律の決まりがなく、中学の国語の成績が2だったような頭の悪い所轄署員が、清浄な風俗環境を害するかどうか?とかを個人の主観で決めているのが風俗営業行政の悪いところです。
パチンコ屋は、安売りをしたいとき、集客をして出玉を見せつけたいときに、演者、、ライターと言わるインフルエンサー頼らざる得ない状況です。
このあたりの規制の改善を今後警察庁に働きかけ、風営法の運用の改善をしていただけるようになれば、もう少し面白いパチン系業ができるようになるかもしれません。









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