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世にも奇妙な旅物語

私は旅が大好きだ。
学生の頃からバックパッカーにはまり、
社会人になりある程度収入を得るようになった今も、
あえて貧乏旅行を好んでいる。

しかしながら、旅に危険は付き物。
いくつか思い出したものを挙げていたら、
そこには傷を負うと同時に共通して得ているものがあった。


①カンボジアで入院

2013年の話だっただろうか、
現地で食べたサラダに付いていたアメーバ。
まだその頃は免疫もなくそれを食べたことにより、
翌日から高熱と痺れと緑色の排出物。
3泊4日の入院。
病室では、茶色のGと頭上に大量の行列を作る
茶色のアリたち。

なぜ、茶色なのだろう。

と、もはや虫を避けるわけでもなく色について考えてしまった。これもカンボジアの病室クオリティ。
いかに日本の医療施設が整っているか、
虫と共に生活することで身をもって体験出来た。

②ミャンマーでバイク事故

2016年、初めて原付に乗る。そう、見知らぬ土地、ミャンマーで。
世界遺産の街、バガンは石と整備がなされていない土。
原付初心者の私はまんまとひっかかりすってんころりん。
足に大量の傷、足の甲は翌日腫れ上がってしまい、
「あれ、これ破傷風の症状?」
と頭をよぎり病院へ。
急いで消毒と破傷風のワクチン摂取をしてもらう。
しかし、日本に帰国後再度病院へ行くと
「全然汚れが落ちきれてないわよ」と。

これまた、日本の医療技術の高さを痛感し、
日々不自由なく生活出来ていることに感謝した。

③フィリピンで起きた世にも奇妙な旅物語

船に乗っていたわけだが当初の予定と大幅にずれ込み、
岸に付いたのは夜23時過ぎ。
なんとこの時間には岸辺に船は停泊出来ないとのことで、途中から海の中を歩かされることに。
もう一度言う、現地のローカルな海で真っ暗な夜中だ。

歩いていると、
「あ、痛い!!」
そう、私が歩いていたのは大量のウニが底に沈んでいるゾーン。
岸に上がった後、毒が怖くなりふくよかな現地人のオッチャンに消毒方法を聞いていたら、
「お酢が効くよ」と。
いま、この場に酢なんてあるはずが無い。
さあ、どうする。

その時、「酢あったから取ってきたよ!」
と、満面の笑みで“それ"を私の傷口にかける現地人。

なんだこの生暖かさは・・

私は気付いてしまった。
彼のオシッコをかけられていることを。

④おまけ

以外と治療薬は旅先にあるかもしれない。
いや、私はそれを治療薬と思い込むようにしているのかもしれない。
離島でブヨに刺され、腕がパンパンになったことがあった。
近くには、ウイスキー。
頭に思い浮かぶのは「アルコール消毒」。
やらないよりマシ。ならばやろう。

だってウイスキーってアルコール度数40度くらいあるじゃん?


傷口と同時に得たものとは?


これらの出来事に共通して言えるもの、
それは
「旅先の人に助けられた」ということ。

カンボジアでは、ゲストハウスで一緒になった
世界一周中のお兄さんがデング熱で入院。
その翌日、私も入院したのだが、まさかの隣の病室。
異国の地で心細い自分にとって、
お兄さんの存在がどれどけ大きかったか。
病室で一緒にテレビ観て、なんだかこれもこれでいい思い出。
お兄さん世界一周達成したかな。

ミャンマーでは、宿泊していたゲストハウスのオーナーが傷口を見て、家に呼んで治療をしてくれた。
現地で怪我したのなら、現地の薬を使わないと効かないよ、と。
また、同じ宿に宿泊していた、ミャンマー自転車周遊旅をしていた日本人の方からはロキソニンを貸して頂いた。
応急処置がとれたのもあなた方のお陰。

フィリピンでは、共にしていた韓国人の友達が
遅い時間であるにも関わらず、
一緒にコンビニを回って消毒液を探してくれた。
そしてたくさん処置方法を調べてくれた。
結論、オシッコと一緒に懸命に洗い流したよ。


国は違うし国籍もみな違う。
でも、旅先では助け合いの精神。

旅で得るものはもちろん知識や食や物もある。
しかし、一人で行くとなお感じるのは、
人との出会い。

新たに人と出会った時の心情って何ものにも代え難いし
何歳になっても美しい、自分だけの特別な財産。



あれ、ただの怪我の話がいい話になってない?

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