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工具も手作りします~オーボエのリード製作、後編~

本日はオーボエのリード製作第2弾!
オーボエのSさんに組み立てたリードの削り方を見せていただきます。

※前回記事の続きとなります。前回記事はこちらから。

工具も手作りします~オーボエのリード製作、前編~|アンサンブルSAKURA #note


Q.組み立てた段階だと先端がまだ開いていません。ここからどのようにして先端を開いて、削りの工程に持っていくのでしょうか?


A.その前に、リードの削り方のスタイルについてお話しします。

リードの削った部分のことをスクレープと言うんですが、大きく分けてショートスクレープとロングスクレープの2種類があります。

ショートスクレープはリードの先端から三分の一から半分くらいまでのところを削ります。
ドイツやフランスなど、ヨーロッパの奏者のほとんどがこの削り方です。ドイツなどヨーロッパで勉強した人、その弟子が多い日本もこのスタイルが圧倒的に多いです。

一方ロングスクレープはリード全体を削ります。これはアメリカンスタイルとも呼ばれ、アメリカのオーケストラ奏者の多くがこのスタイルです。

私の先生がシカゴ響の故レイ・スティル先生の弟子なので、私もロングスクレープで削っています。
このスタイルの奏者は日本では少数派だと思います。

ちなみにSAKURAのもう一人のオーボエKさんはショートスクレープのリードを使っています。二人の音色の違いはリードの削り方の違いによるところが大きいと思います。

では、どのように削っていくのか簡単に説明します。

①糸巻きが終わったリード(先端はまだ閉じています)を全体に荒削りします。

荒削りの状態

②先端をカットします。

黒檀の木の台の上でナイフでカット

③先端(5ミリ程度)を薄く(0.1ミリくらいまで)し、それ以外のところも規定の厚みに整えて行きます。

④音を鳴らしながら表裏、左右が規定の同じ厚みになるように道具(ダイヤルキャリパー)で測りながら調整する。


とりあえずの完成状態

⑤最先端を一番薄くして(0.05〜6ミリ)左右の端や中央(0.5ミリ)は基本的には厚くして、適度な抵抗感を持たせます。

自分なりに大体の厚みの基準はありますが、材料や季節(湿度)により調整します。
湿度が高い時期は1日でリードの状態が変わってしまいます。
演奏会の時など、午前中のリハーサルと本番でお客さんが入ることによりホールの湿度が上がってしまうとリードの状態が変わってしまうこともあります。その変化も見越してリードの準備する必要があります。

Q.オーボエのリードって、薄くて繊細なものだというのが良く分かりました。「手作りの工具」がこれまでいくつか登場しましたが、今後こういうものを作ってみたいという展望はありますか?

A.ひと通り道具は揃っていますので、もうないですね(笑)



ひたすら、より良いリードを作っていけるように頑張ります。


丁寧にお答えいただき、ありがとうございます!!

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シベリウス/フィンランディア
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