見出し画像

今日はお不動さまの日。

今日は28日。お不動さまのご縁日です。
密教系のお寺ではこの日は護摩を焚くところが多いですね。

祥鈴庵には護摩壇がないので護摩は焚けませんが、
お不動さまの供養法は修します。

わたしは28日生まれなので、お不動さまにはけっこう
親近感があります。
この道に入ることになったきっかけも、お不動さまを祀る
お寺にご縁ができたことだった気がしますし。

また、酉年の方は守り本尊がお不動さまですね。

どこそこの仏さまに子授け祈願をして授かったので
ご両親によく連れて行かれたという方もいらっしゃると
思いますが、だいたいそういうときに願掛けをするのは
観音さまかお地蔵さま、お不動さまが多いです。

それだけこの方々は私たちの身近にいらっしゃる
仏さまとも言えます。

不動明王は明王さまのお一人です。

怖い顔で剣と羂索という綱をもち、
頭の上には蓮台を乗せ、髪を一房編んで垂らし、
額に水の波のようなしわがあって、
目は片方が少しすがめになっていて天地を別々に見、
口には上と下に向かって牙が生えており、
迦楼羅炎という炎の光背を持ちます。

怖い顔をして武器を持っているのは、明王さまの役割が
仏菩薩の優しいお姿や説法だけでは導ききれない
教化の難しい衆生を力ずくで救済するため。

戦国時代に日本にやってきたキリスト教の宣教師が
お不動さまを見て、あまりにも恐ろしい姿なので
この国は悪魔崇拝の国だ!と驚いて本国に報告書を送ったほど。

同じ明王さまグループの愛染明王も
怖い顔で物騒なものをいろいろ持っておられます。

不動明王は大日如来の教令輪身です。
これは、お不動さまは本質は大日如来と同じですが
難しい現場での実働要員として違う姿で現れている
という意味です。

手に持った剣で断つことの難しい煩悩や迷いを断ち、
羂索で悪心を縛り、迷って道を外れそうなものを引き戻します。

お不動さまのお姿は昔のインドの奴婢の服装。
まるで召使いのように身軽にフットワーク良く
衆生に付き添って影護し、何かの時には
一番にやってきて助けることを示しています。

衆生が命を終えた時、生前の行いによって
どの世界に行くか決まるのですが、
なんとか救おうといろいろな手を差し伸べても
もう少しで届かなくて地獄に行っちゃいそう、
という人を、最後の最後で助けに行って
頭の蓮台に乗せて連れて戻ってくれることもあります。

非常に怖い顔ですが、ものすごく慈悲深い優しい方なのですね。
しかも行動力がある。なかなか素敵です。

僧侶になるための四度加行でもご本尊のお一人として
初心の行者を見守ってくださいます。

四度加行で護摩を焚いているとき、
お不動さまが後ろで見守ってくださっている
という感じがしたことがあります。

加行のご本尊とは違うお姿だけど、この方どこのお不動さまなのかな?
と思って行を終え、娑婆に戻ってきてから
上に書いたお不動さまを祀るお寺の方だったと
わかったことがありました。

そのお像は日頃は別のところに寄託されていて、
お会いしたことはなかったのですが…。
見に来てくださったのかと思うとありがたくも
感慨深いものがありました。

お不動さまはおそらくお大師さまが最初に日本に
持ち帰ったとされています。

密教独特の尊なのですがこんなにも広く
親しまれているのは、やはり優しい方だと
いうことを皆さんが感じるからかもしれません。

と見せかけて、もしかしたら既に
お不動さまの羂索にひっかけられて引き戻されてる
だけかも知れませんけどね。

悪縁や悪業、厄などを断つ、というご利益は
かなり確からしいので、ぜひ仲良くなっておいて
いただきたいと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?