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『カウンセリング化粧品』という絶滅危惧種

つい先日、こんなニュースが目に飛び込んできた。

花王のコスメブランド・AUBEがブランド展開を終了するという。

結構なショックだった。

ブラシひと塗りシャドウNはその名の通りブラシで一気に色を取り、そのまま塗ればグラデーションができる画期的な商品だ。

画像引用元:
https://www.cosme.com/products/detail.php?product_id=138011&rmk=1

私は11のブラウンを持っていて、時間の無い朝に重宝している。
そして私以上に母親が長いこと愛用しているので、ブランド終了を聞いてすぐ連絡してしまった。
タイムレスカラーリップは飲食やマスクでも落ちにくく、なおかつリップモンスターではあまり見られない華やかな色展開が好きだった。シュリンプベージュの可愛らしさよ…。


ただ、最後の新商品(タイムレスカラーリップの新色)発売は2022年6月。
AUBEはいわゆるカウンセリング化粧品(ドラッグストア化粧品、ミドルコスメとも)という、プチプラコスメとデパコスの中間あたりに位置するブランドだ。最近は2極化が進む上、韓国コスメにも押されがち。
それでも私(そして多分同世代)にとっては憧れのブランドだった。



記憶にある最古のAUBEのイメガは恐らく井川遥さん。上品で大人可愛くて、"オーブ"と囁くようなジングルだった。
そこから少し経って、上戸彩さんがイメガの時代。
紅葉を背景に寝転ぶ上戸彩さんのCMを今でもハッキリと覚えている。

"エーユービーイー、AUBE"という新しいジングルで、リニューアルしたのだと言うことを子どもながらに感じ取ったっけ。
大人っぽいけれど背伸びしているような若々しさもあり、羨望の的だった。

2010年代からはブランドイメージが一新され、憧れのお姉さんブランドから機能性重視へ。名称もオーブクチュールと変更されたのだが、正直イメージが変わったことで少し心が離れてしまった。
そんな時に"見たまま塗るだけシャドウ"が発売された。(オーブクチュール デザイニングインプレッションアイズⅡ)

画像引用元:
https://lipscosme.com/products/262155

"一重・奥二重のためのアイシャドウ"と銘打たれ、パレットの配置の通り塗れば腫れぼったくならないというのが売りだった。
一重の私にとっては革命的で、でもお値段的には少し高くて。大人になったら絶対に買おうと心に決めていた。


コスメの口コミも今ほど発展しておらず、デパートに行く機会の少ない自分にとってデパコスは無縁の存在。
お小遣いを貯めて買うプチプラよりも高く、CMやドラッグストアで見かける憧れのコスメ――それがカウンセリング化粧品だった。



MAQuillAGEは2005年立ち上げ当初の、ブランドミューズが4人(篠原涼子さん、伊東美咲さん、蛯原友里さん、栗山千明さん)いたゴージャスイメージが印象に残っている。今見てもすごいメンバー!

当時資生堂はBeauty Bookという雑誌サイズの立派なリーフレットがあり、そこに載っていた4人が忘れられない。確かクリーンコントラストアイズというアイシャドウが発売された時だった。
パレットは4色展開で、それに合わせ四者四様のメイクがほどこされていて。私だったらエビちゃんのメイクが良いかな〜なんて1人で妄想するのがものすごく楽しかった…。


エスプリークプレシャスは当時外国のモデルさんを起用していて洗練された印象。

画像引用元:
https://www.j-cast.com/trend/amp/2007/11/20013584.html

その中でもルージュスタイリッシュというリキッドルージュは、お金のない学生でありながら初めて買ったカウンセリング化粧品だった。

画像引用元:
https://www.cosme.net/products/2902678/

塗った瞬間唇の縦皺が全て飛んでぷるっぷるになった衝撃を今でも覚えている。その分べとつくのだが、そんなの帳消しになる衝撃。あまりにすごすぎて母の日のプレゼントにも買ったっけ。
これよりぷるぷるになるリップには未だに出会えていない。
トゥルーインパクトアイズというアイシャドウは色を重ねても濁らない、重ねてニュアンスを出すという謳い文句。色付きガラスの板を重ねるイメージ写真がリーフレットに載っていたのが妙に印象に残っている。


コフレドールは北川景子さんや柴咲コウさんが美しすぎたなあ。
上品だけどかっこよくて少しクール寄り。カーキやブラウンの都会的なメイクに憧れていた。
アイシャドウによくブランドロゴや花の型押しが入っていて、リップはシンプルなデザイン。それがまた大人の女性のブランドという印象で、OLさんはこういうのを使っているのかなあなんてぼんやり思っていた。


マキアージュは最近ファンデーションがヒットしなかなかの人気だが、その他のカウンセリング化粧品はかなり苦境だ。
エスプリークプレシャスはエスプリークに統合され一瞬で姿を消してしまった。
コフレドールも新商品の発売は2022年6月で止まっており、雲行きが怪しい。
そして、今回のAUBEブランド終了。


そもそも国内化粧品市場が縮小していく中で、売れるブランドに絞って注力していくのは仕方がない。
とはいえ、分かっていてもやっぱり寂しい。
カウンセリング化粧品は、今の現行ブランドが終了したらなくなってしまう立ち位置なんだろうな…。


憧れとノスタルジーと。
ブランドがなくなってしまっても、こういった気持ちはずっと覚えておきたいです。


※思った以上に読んで頂いてるので追記:
記事に貼ってるリンクはアフィリエイトとかではなく公式や@cosme、ニュースサイト等です!見ると懐かしい気持ちになれるので良かったら一緒にノスタルジーに浸りましょう