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なぜ瞑想するのか? その3

瞑想は、研究結果によれば、ストレス、不安、依存症、鬱などを改善させることに関連があることが分かってきている。
不安や心配に関わるとされる脳細胞を和らげ、
思いやりや自己認識に関わるとされる脳の領域を活性化してくれるとの研究結果も出ている。
こうした実用的に前向きな理由は、瞑想をする理由としてはもっともだ。

でも、そこに囚われると、もっと先に広がる可能性を、
狭め、歪めてしまうのではと感じている。

ゴーダマ・ブッダによれば、
人生は苦だらけだという。
その苦の根本原因は、渇愛だと。
渇愛とは、喉が渇いた人が水を求めるような、強い希求。
欲しいから求める、欲しいから求めるの衝動の中で右往左往しているのが、
われわれの姿だと。
衝動に任せた生きかたそのものが苦であると。
だから、衝動を滅尽すれば、
苦から離れ、「無為」なる領域、
そう、悟りの世界に入っていく。
これが、ブッダの教えの根本。

そこからすると、
何か、見返りを求めて、瞑想することは、
新たな苦を生み続ける、呼び水になってしまうともいえる。
だから、リーダーになるために、
エリートになるために、
生産性を向上させるために、瞑想しよう!
これには、違和感がある。
瞑想を何かを達成するための手段に閉じ込めてしまっては、
あまりに限定的だから。

得られるから幸福、
得られないから不幸という文脈を離れる。
今、呼吸をしてここにいる、
そこから湧き上がってくる豊かさ。
その只中で、ただ坐ってみる。

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