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志賀広大さん~表現者としての想い~

こんにちは、インタビュアーの岡田です。

今回取材したのは青山学院大学に通う2年生、志賀 広大(しが こうだい)さんです。ガチ文化祭にも一部携わっており、実は僕が以前取材した内田 陸生さんとも接点がありました。

そんな志賀さんの過去や、現在計画中のプロジェクト、そして将来のことまで聞いてきたのでぜひご覧ください。

インタビュイープロフィール
名前:志賀 広大(しが こうだい)
大学:青山学院大学
学年:2年
Twitter:https://twitter.com/sk_journal
Blog:https://lineblog.me/kodai_0126/


――『新世界」をきっかけにエンタメ研究所へ

岡田:エンタメ研究所に入ったきっかけを教えてください。

志賀 広大さん(以下、志賀):知り合いで何人か入っている人がいて前から気になってはいたんですけど、決定打になったのは本ですかね。『新世界』を読んで入ろうかなと思いました。他のオンラインサロンに比べて安いっていうのも要因ですね。

岡田:なるほど。ではエンタメ研究所に入ったのは最近なんですね。

志賀:そうですね。特に何か目的があったというわけではなくてとりあえず見てみようと思って入った感じです。

岡田:今後、エンタメ研究所を通じて何かしてみたいことはありますか?

志賀:オンラインサロンの利用の仕方がまだいまいちわかっていないんですけど、いろんな人と会いたいなっていうのはまず一個思っていて、いろんな話ができたらいいなと思っています。どんな大学生がいるのかなとすごく気になっているので。この記事も何かのきっかけになればいいなと思っています。


――大学生活への不安と出会い

岡田:今の志賀さんは様々な活動を行っていると思うのですが、今のような活動をする以前の志賀さんはどんな大学生だったんですか?

志賀:授業行って、バイトして、仲の良い友達と遊んで、っていうノーマルな日々を送っていました。だからこそ、どこか大学生活に意味を見出しきれてなかったというのがあります。

岡田:何のために大学に通っているかわからないという気持ちですか?

志賀:そうですね。僕は大学で文学を学んでいるんですけど、文学って経済や法なんかと比べると社会に出た時にあまり汎用性がないんです。周りでは国語の先生になろうとしている人が多かったけど、僕はその気がなかったので「これ将来どうなるんだろう」っていう危機感がありましたね。

岡田:そんな中で活動のきっかけとなるような出会いがあったと。

志賀:大学の先輩である菅生美薫さんのブログで、大学の中という環境に収まらずに海外でも活動している姿を見て、自分もこういう風になりたいなという憧れが生まれました。たまたま同じ大学ということでツイッターもフォローしていたので、DMを送ったのが外に出る最初のきっかけでしたね。勇気を出した瞬間でした。

岡田:なるほどそのDMをきっかけに様々な活動をするようになったと。いざ行動しようってなった時に、周りの目とかは気にならなかったんですか?

志賀自分が正しいことをしていると信じられていたので、笑われても、浮いたとしても、そういう人たちはいいやって思ってますね。それこそ一緒に活動している仲間っていう大事な存在もいるので。意識高いと言って揶揄してくるような連中はいいやと思ってますけど、反対にこの活動を見つけて興味を持ってくれるような人もいて、そういう人たちとは時間をとって話したりっていう接し方をしています。


――キーワードは「青春」「エンタメ」「アート」

岡田:今現在取り組んでいる、具体的な活動はありますか?

志賀:昔はWebメディアを作って、東北に行ったり面白い大学生に会いに行って記事を書いたりしていました。アクセス数を見たりSNS運用したり。でもこれって経験値にはなるけど、圧倒的な実績だったりとか自分の夢をかなえるための決定打にはならないなと感じて何か自分でやらなきゃなと思っていました。その後はイベントを主催したりし始めました。アート系のイベントをしたときは東京で20回くらいした後、クラウドファンディングで資金を集めて全国ツアーをしたりもしましたね。後は陸生さんに誘われてガチ文化祭を手伝ったりとか。

岡田:全国ツアーですか。イベントを主催してもそこまでやる人はなかなかいないと思うのですごいと思います。

志賀:実はその先が今日一番話したかったことで、昔、メディアでインタビューとかをしていたPass onっていう学生団体があったんですけど、一回閉じていたのをまた復活させたんです。

岡田:志賀さんが代表を務めていた団体ですよね。なぜ閉じていたんですか?

志賀:最初は、やりたいことが見つかっていない人たちが集まっていたんですが、活動するうちに各々興味のある分野とかが出てきたんです。そしたら、メディアやイベントを作ることは経験にはなっても自分自身の夢をかなえる道の上にはないんじゃないかっていう疑問が生まれたんです。みんなで話し合った結果、一度この団体を閉じて各自でやってみようってなって、各々が学生団体の代表になって巣立って行ったんです。そして、各々が活動して力をつけたこのタイミングでもう一度、元の団体を復活させました。

岡田:なるほど。軸を見つけたメンバーそれぞれが別の場所で活動し、力をつけて再び集まったということですね。志賀さん自身はどんな軸を持っているんですか?

志賀:僕自身がやりたいことがなかった人で、このままだとやばいなっていう思いから外に出たけど、与えられたことをやっていてもこれじゃないって感じがあってすごく悩んでいたんです。そんな中でも、自分の人生でわくわく出来ることは何かを考えた時に人生のテーマが決まりました。それは3つあって、一つ目が「青春」、二つ目が「エンタメ」、最後が「アート」。この三つを軸に生きていこうと決めました。「アート」っていうのは絵画とかじゃなくて、言葉とかフレーズとかそういうものです。でも何かやるにしても自己満足で終わってしまっては意味がなくて、僕たちが与えるものに価値を感じてくれる人がいなければいけない。じゃあ僕は誰に対して喜んで欲しいんだろうなって考えた時に、昔の自分みたいにやりたいことがない人、そしてそれでも何かやらなきゃと悩んでいる人、そういう人に対して進むべき道を示せるようなきっかけとなるコンテンツを作れたら最高だなと思っています。

岡田:そのコンテンツとして今考えていることはあるんですか?

志賀:山梨県の北杜市っていう場所があって、そこの廃校の管理者と仲のいい人と知り合いで、廃校を使って何かしようかなって考えてたんです。北杜市って、日本で一番星がきれいだって言われている場所なんです。星がきれいで、廃校を使えるってなった時に、廃校にみんなで行って星を見ながら深い話とかできたらめっちゃ青春だし、エンタメだし、アートだし、すごくいいじゃんって思ったんです。なので今、団体でツアーしようと設計しているところです。来年の夏にやろうと思っているんですけど、コンセプトとしてはキャリア×星×ツアーって感じですね。やりたいことがなくて悩んでいる学生に進むべき道が見えるようなものをこのツアーで届けたいと思っています。2月とかにこんなのやりますよっていうイベントとか作って、参加者もそうですけど運営メンバーも集めたいなって思ってます。

岡田:なるほど。今将来について悩んでいる学生はすごく多いと思うし、きれいな星を見ながらそれを語るっていうのがまたいいですね。めっちゃ面白いです。

志賀:そうなんですよ。星を見ながらっていうのが結構刺さるかなっていう(笑)Pass onでは他にもいろいろやっていて、メディア部ではメディアを作ろうとしていたり、前に被災地である岩手県の大槌町ってところに行ったんですけど、大槌プロジェクトっていうプロジェクトを動かしている人もいたりします。そんな中での新規事業として、北杜市へのキャリアツアーが生まれたんです。そのツアーのことをかっこよくオリオンプロジェクトって呼んでたりするんですけど、僕はそれを本気で手掛けていこうと思っています。自分が将来「青春」「エンタメ」「アート」でご飯を食べていくために、今はやっぱり仲間が必要です。一人じゃできないこともみんなとならできるので。強い仲間が欲しいのでやっぱりキャリア教育とかもしなきゃいけないし、運営メンバーは特に成長できると思っているので、何人か下に付けてやっているっていう感じです。

↓北杜市の写真


――文字へのこだわりと表現者として思い描く世界

岡田:志賀さんは言葉や文字で伝えるということにすごくこだわりを持っていると思います。表現方法は例えば動画やデザインなど色々あると思うのですが、その中でも言葉や文字こだわる理由っていうのは何かあるんですか?

志賀:月並みではあるんですけど、まず本や漫画がすごく好きで、それはなぜかと言うと、言葉の力をすごく感じるからなんです。映像って視覚情報として入ってくるものだから見たものをそのままの状態で処理できると思うんですけど、文字ってただの記号に過ぎないんですよ。でも小説とか読んでいくと、ただの記号に過ぎない文字の羅列が頭の中で映像として再生されたり、それって単純にすごくないかって思うんです。しかも小説は300ページとかで物語が紡がれていくのに、コピーライティングに関して言えばたった一行で人の心をつかむようなロジックがあるわけじゃないですか。文字をたった10個とか並べたものが人の心にアクションを起こさせるきっかけになるってこと自体が、当たり前のようで実はすごいんじゃないかと感じて、自分もそういうものを生み出したいなって思ったのがきっかけです。

岡田:なるほど。僕が考える動画の良さは情報の密度だと考えてるんですけど、それとは対照的に少ない情報でどれだけの思いを届けるかがコピーでは大事になってくるわけですね。

志賀:それもあるし、動画だとそこにある者が絶対的なものになってしまうのに対して、文字だとその人のイメージとか受け取り方次第で解釈が変わってきてしまうっていうのもすごく面白いです。これは村上春樹の小説の一説なんですけど「たいていの物事は、遠くから見ると美しく見える」っていうのがあって、例えばこれが映像になった時にどう表現されるかわからないんです。「夜景」や「地球」という物理的距離をイメージする人もいれば、「過去の思い出」という時間的距離をイメージする人なんかもいて、言葉の解釈一つでもその人それぞれの価値観に触れることができるっていうのがすごいなと思ってめちゃくちゃ言葉が好きになりました。

岡田:それでコピーライターになりたいと思ったんですね。

志賀:はい。ただコピーライティングの練習をするためにはお金と時間が必要なので、今そのスキルを磨くのに時間をかけるべきではないなって思っています。もし今頑張ってそっちの勉強をしても4年生になって就活はできるかもしれないけど、コピーライティングで生きていけるようにはならないと思うんです。でも卒業したタイミングで、例えば就職しなくても生きていけるくらいの経済力と時間があれば本当の意味で好きなことに時間を使えると思ったので、一度スキル面を磨くのに時間を使うのではなく自分という人間を大きくしたいと思いました。将来好きなことに打ち込むための基盤づくりって感じですね。でも結局好きなものは好きだから、ゆくゆくはやるんだろうなって思ってます。

岡田:なるほど。では今は、コピーライターになるという夢はいったん置いてという感じになるんですか?

志賀: うーん、でも、僕が一貫してやっていることって「伝える」ってことだと思っているんです。表現者になりたいって思いはずっとあって、表現者の本質って「伝える」ことだと思うんです。キャリアのツアーにしてもそうですけど、空気感や青春っぽさ、自分のことを見つめてみる時間とかを通して、大事な何かを言葉以外の手段でも伝えることができたら、それは自分のやりたいことなんじゃないかなって思ってます。だから、手段として言葉というのはすごく好きだけど、伝えることが本質であるから、それができればいいなと思ってます。でもコピーライターにはすごくなりたくて、コピーライターだけでは生きていけないからもっとハイブリッドな存在になりたいです。それに、人に伝え続けるという意味では表現者でもありたいと思っています。

岡田:なるほど。では本質はそんなに変わっていないという事ですね。どういった面でハイブリットな存在になりたいと考えていますか?

志賀:経営もできて、コンサルもできてっていう感じですね。その方が需要があるんじゃないかって思うんです。AIなんかも出てきている今の時代、一つの刀では生きて行けない。ただ、それを広げすぎると全部浅はかになってしまうので、自分の突き抜けられるところに絞る必要はあると思っています。社会に貢献するためには希少価値のある存在にならなくてはいけなくて、そのためには選択と集中をしないといけない。学校の全部のテストで100点をとるやつより、他が30点くらいでも社会で1万点くらいとった人の方が生きていける世の中なので、なんでもできるよりも圧倒的な武器を身に付けた方が希少価値が高いんじゃないかと思ってます。

岡田:成績の話はまさに西野さんがよくおっしゃっていることとよく似ていますね。最後に、志賀さんがどんな世界を創りたいのか、思い描くビジョンがあれば教えてください。

志賀周りにいる人を幸せにしたいっていう思いがすごく強くて、お世話になった人もそうだし、親もそうだし、周りの友達もそうだし、そういう人をだれも苦しませたくないんです。でも自分が幸せじゃなきゃ人を幸せにすることはできない。なので「社会に出たらつらい」「楽できるのは今だけだぞ」っていうのはよく言われることなんですけど、必ずしもそうじゃない未来を自分自身が証明したいと思ってます。労働時間の対価としてお金をもらうのではない働き方っていうのもあって、そしたらお金もあるし時間もあるという状態をつくれる。そのために今はとにかく仲間を集めたいっていうのと、社会で結果を出している人に交渉できるような実績を作りたいです。それに、学生団体を大きくすれば企業と交渉しやすくなったりもするので、ツアーもやりつつ学生団体を大きくする活動を来年一年はやっていこうと考えています。休学もしようかなと。で、再来年を迎えた時にどうお金を稼いでいくかという方向にシフトして行くかがこれから考えなきゃいけないことですね。ツアーで培った人脈とかで何かできたらいいし、こんなことやってましたっていうだけで実績にもなるので。


【編集後記】
インタビュアーの岡田です。記事を最後まで読んでいただきありがとうございます。志賀さんは僕と同じ2年生なのですが、人生のテーマがしっかりと定まっていてすごいなと思いました。また言葉の魅力についても面白い話を聞くことができて自分自身もすごく勉強になった取材でした。個人的に星も好きなので、来年の夏に実施予定である「オリオンプロジェクト」は非常に楽しみです!

インタビュアープロフィール
名前:岡田義隆
大学:横浜国立大学経営学部
学年:2年
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