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ここでヘソを曲げたら終わりだな

お疲れ様です。
「すみません。今日のサロン記事の更新、遅れます!」と案内を出したところ、「困ります。私の時給、いくらだと思ってるんですか!」とお叱りを受けたキングコング西野です。
#ごめんて
 
さて。
今日は『ここでヘソを曲げたら終わりだな』というテーマでお話ししたいと思います。

かなり踏み込んだ話になるので、今日の記事は一年後も表に公開しないでください。
 

今、とっても苦しんでいます。
 

実は昨日から徹夜が続いております。
 
新作歌舞伎『プペル ~天明の護美人間~』の制作が原因なのですが、良いことも悪いこともあるのがクリエイティブの現場なので、包み隠さず、正直に白状します。
 
新作歌舞伎『プペル ~天明の護美人間~』における僕のお仕事は「原作・脚本」で、すでに脚本は納品していました。
 
「この勝負、もらいました by 世界のNISHINO」という出来の脚本です。
#ムフフ
 
完成した脚本は、「言い回し」などを歌舞伎仕様にする為に(※今回は、そこまで歌舞伎歌舞伎していないよ)一旦、演出チームに投げるわけですが、昨日、演出チームから「歌舞伎化」された脚本が送られてきて、ビックラポン。
 
なんと、ストーリーが半分近く変わっていたのです。
 
こう見えて(どう見えている?)完璧主義者ですので、西野の脚本には無駄なセリフや、とってつけたようなキャラクター(口調)などは1ミリもなく、全てに意味があります。
 
当然、ストーリーが半分近く変わってしまうと、「だったら、このキャラクターを出す意味がないじゃん」「だったら、このシーンは要らないじゃん」が出てくるわけで、西野脚本の場合は1つでも崩すと、全てが崩れてしまいます。
#切り貼りできるものじゃないんです
 
ちなみに、演出チームから送られされてきた最新稿では、ブルーノの紙芝居は『恋物語』になっていて、とくに、後半で回収されるわけでもありません。
 
「何故か、恋物語の紙芝居を読んでいる父親」ということになっていました。
 
御安心ください。
これは愚痴ではありません。
今日の話は、ここからです。
 
当然、僕はこの性格ですし、何より、西野の作品を楽しみに来てくださるお客さんもいらっしゃるわけですから、「ダメですよ。こんなの」と一蹴し、再び、脚本を引き取ることにしました。
 
そんなこんなで、徹夜です。
 
一度仕上げた脚本が、バラバラになって返ってきて、もう一度ゼロから組み立て直す……という、なかなかのハードモードですが、昨日の深夜、僕の心の中にずっとあったのは「ここで、ヘソを曲げたら終わりだな」という想いでした。
 
思うところはたくさんあります。
 
半分以上書き換えられた脚本を「西野の仕事」とされてしまうと、今後の仕事に影響します。
 
それでも、この脚本を押し通すなら、「脚本家」から僕の名前を外してもらった方がよっぽど気持ちが良い。
正直、そのことも一旦は頭をよぎりました。
 
でも、ここで「付き合ってらんねーよ!」とヘソを曲げたら、そのシワ寄せを食うのは、「西野の脚本」を期待してくれているお客さんで、それだけはやっちゃダメなんだろうな、と思いました。
 
そして、「歌舞伎って、こういうものだから」という説明に押され、涙を流したクリエイターが過去にいただろうなぁとも考えました。
 
ここで踏ん張らないと何も変わらないし、
きっと、そういったことも期待されての西野の登板だと思うので、
グッとこらえて、
今、一度書き上げた脚本を最初から書き直しています。
 
ここで流されて、後でネチネチ言うのは嫌なので、とことん前向きに喧嘩して、最後はクオリティーでブン殴ります。
 
映画の制作現場も、ミュージカルの制作現場も、最初から最後まで全てがスムーズに進むことはありません。
歌舞伎もやはりそうでした。
 
ただ、クリエイティブの現場は、そういうものです。
 
久しぶりに苦しんでいるし、そこそこ腹も立ったし(※脚本を魔改造した御本人には直接伝えました)、正直、メチャクチャ悔しいけど……ただ、良い作品が完成した時に全てが報われることを僕は知っているので、殴り合いながらスクラムを組んで前に進みます。
 
今日はサロン記事の更新が遅れて、ごめんなさい!
脚本執筆に戻ります。
 
現場からは以上でーす。
 
【追伸】
サロン記事の感想を呟かれる際は、文章の最後に『salon.jp/nishino』を付けてTwitter(本アカ)で呟いていただけると、西野がネコのようになついて、フォローさせていただく場合がありますので、感想よろ!
 
【コンバースさんとコラボして、スニーカーを作ったよ】

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このnoteは2021年12月1日のオンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』への投稿をもとに作成しています。

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