赤井さんと初めて会ったのは2012年、ベストストレッチでバイトをしてた時でした。当時店長だった平田一喜氏から「次のお客さんは今度DDTでデビューする人だよ」と言われ、どんな人かと身構えていたらスラッと背の高いいかにもモデル体型の人が。第一印象はおそらく皆さんと同じだったかと思います。
 
僕の1年後の2013年にデビューした赤井さん。当時は今と違って周りの風当たりも強かったのでしょう。

「プロレスラーなら身体を大きくしろ」「男子団体に入ってちやほやされたいだけでしょ」「周りが気遣ってるんだ」

第三者の僕ですらTwitterでそういった言葉を目にしてきました。本人はその何倍も届く必要の無い言葉を見てきたはずです。そんな価値の無い意見さえも持ち前の気の強さだけでエネルギーに変換し払拭した赤井さん。僕が試合した数は決して多くはなかったですが、その眼には常に炎が宿っていました。9月の白石大会での試合は財産です。

11.12 DDT両国国技館大会
第八試合　グッドコムアセット presents 赤井沙希引退試合～強く、気高く、美しく～　30分一本勝負
赤井沙希＆坂口征夫＆岡谷英樹　vs　丸藤正道＆樋口和貞＆山下実優

僕の試合が赤井さんの前で良かった。もし後だったら感情がぐちゃぐちゃで試合どころではなくなっていたから。

ポーリーをブレーンバスターで投げ切る赤井さん。

Tさんや火野さんの逆水平チョップを真正面から受ける赤井さん。

ポトレ撮影で選手を着せ替え人形みたいにして喜ぶ赤井さん。

「ちょっと目瞑っててもらっていいですか？」と言ってささっと着替える赤井さん。

飲み会で嬉しそうに伊橋さんの話をする赤井さんと坂口さん。

当たり前の日常が当たり前でなくなる。でもここからまた別の当たり前の日常が始まる。

あなたは間違いなくDDTの顔です。

最後の瞬間まで

強く、

気高く、

美しく。