埋没費用とマイナンバー問題、そして員数主義

マイナンバーのニュース。昨日デジタル庁の記者会見があり、新たに誤登録が発生したらしい。

これは埋没費用(サンクコスト)を考える上での良い題材となるかもしれない。デジタル庁をつくったこと、マイナンバーカードを配ったり、システムを構築した事、マイナポイントを付けたことなどに費やしたコストは恐らく莫大なものであろう。しかし、それは泣いても喚てても戻ってこない埋没費用である以上、いったんこれまで投資した事実は反省して辞めてしまい、新たに仕切りなおすことのほうがよほど未来志向で前向きであろう。

山本七平氏の「一下級将校の見た帝国陸軍」(文春文庫)という著書で、旧陸軍の最も致命的な問題の一つに「員数主義」があったという。物資が欠けている、兵士が居ない、兵器が無い、そのような客観的で定量的な数値であらわされるはずの現実ですら目を背けたのである。

今後は、今回の発覚を、現状のシステムでどうにかリカバリーする、あるいは出血やトラブルを認識はしながらも立て直す方向にいくのか、あるいは、意思決定にサンクコストは考慮しないと割り切っていったん凍結するのか、政策の意思決定の題材としては興味深い。

以下の記事を参考にさせて頂いた。

以上。


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