朝刊の記事から考える。「日本のガソリン、G7最安」に思う。

朝刊の記事に「ガソリン、G7最安」という記事が掲載されている。

今回はこの記事を元に少し頭の体操をしてみたい。

記事の冒頭には「政府は4月末で終了予定だったガソリン補助金について
7度目の延長を実施した。」と言うところから始まる。

そして、「電気やガスの補助金は5月末で切れ、ガソリン補助金は
政府が進める脱炭素政策にも逆行する。」

いつもの事だが、この「脱炭素」という単語が出てくると、どうも雲行きが怪しくなる予感がする。その後、脱炭素の親玉であるIEA(国際エネルギー機関)の統計を参照しながら日本のガソリン補助金はG7で見れば安いと論じる。

ガソリン代が安い?いい事なのではないか。少し前後するが、実際に記事の中でも「ゴールデンウィークで人も多く、ガソリン代もばかにならないので旅行は見送るつもり」と落胆の表情を見せる街の声も掲載している。

読み進めていくと、「特定業界に利益供給」という小見出しがある。「ゆがんだ政策は特定業界への利益供給という副作用を生む。」とある。

どうもこの記事で訴えたいのは、「日本のガソリン代は高いようだが、実は国際的に見れば安い水準にある。石油の小売り業者は補助金で潤っていてマージンを得ている。またそれが脱炭素政策にも反しており、日本国の税金が
使われているのはけしからん。」
と。そのような論旨であると理解した。

またさらに日経は普段からEVを非常に推していることから考えると、ここからは想像だが、日経の求める世界は「ガソリンが今以上に高騰し、今以上に人が車に乗らないが、そのため脱炭素が進み、さらに人々がEVを好んで選択する社会」と言う事になろうか。

ただ、言うまでも無くガソリンは足である。筆者は今でこそ関東近郊に住んでいるので、バスや電車に自由に乗ってどこへでも行けることは恵まれていると思っている。地方に行けば車が無いとコンビニやスーパーにも行けないところが圧倒的に存在している。

また、特定業界の利益、と言うなら、新聞業界はどうなのか。軽減税率の対象となっているのは「特定業界に利益」を与えていると考えられなくもないし、つい最近も一方的に値上げされたが、これこそ消費者への透明性無く、マージンを得ていると言えないだろうか。

巷間、新聞の販売部数の削減で業界が消滅に瀕しているのは、「脱炭素社会」ならぬ、「脱新聞」社会がまさに実現しつつあるのかもしれない。いや、ペーパーレス社会、デジタル社会の到来を歓迎するなら、それもまた過渡期なのかもしれない。

半分冗談で考えてみたが、半分真面目である。

どうも日経の記事は「脱炭素社会」ありきで議論を展開するところがある。よく取り沙汰される朝日新聞の発行部数激減もサンゴ落書き事件のような捏造、あるいは一定の歴史認識に依拠した記事に端を発していると言われているが、「脱炭素」論も同じ性質を持つと考える。

少し話が脱線したが、シンプルにガソリン代など安い方が良いに決まっている。物価が高い上、移動もままならない社会で経済は活性化しない。脱炭素は大して優先度の高くない話題である。米国ではEVも補助金を付けても全く
売れていない。また先日の令和6年能登半島地震のようなインフラが破壊される事態になった時にガソリンのような既存のネットワークを使えることが余程有難いだろう。

少し長くなったので、以上。

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