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「地獄篇」メソッド

 はじめまして、玉手箱つづらです。
 わたくし趣味で小説を書いている者なのですが、小説を書くついでに後書きと称して雑文を垂れ流しておりまして。ノートではその再利用キャンペーンをしております。
 詳しくはこちらの自己紹介記事をこちらをご覧いただければと思います。

 それで、今回はそのキャンペーン第2段でございます。
 以下の雑文は「イーティング,マイ・ポンポン・ペインズ・ミー.」という小説を書いた際の後書きからの転載です。
 しかし後書きとは言っても、内容は小説とマジで何にも関係ありません
 関係ないと言えば、ヘッダーは僕のベッドの写真なのですが、これもマジで何にも関係ありません
 よろしくお願いします。()

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 ダンテの「神曲」ってあるじゃないですか。なんか有名なやつ
 僕は「地獄篇」(→「煉獄篇」→「天国篇」と続くらしい)の真ん中よりちょっと進んだくらいまでしか読んでないんですけど、有名な文学作品のくせに結構面白いんですよ(有名文学作品、読んだら実はだいたい面白い説、検証していきたいですよね)。
 投げたわけじゃないので気が向いたらまた続きを読もうと思ってて、もしかしたらそのうち感想をここに書いたりするかもしれないんですけど、まあとりあえずそれは置いといて
 今日は「地獄篇」読むと「地獄篇の地獄にありそう……」メガネができるって話をしたいな、って(「地獄篇」すら読みきってないくせに……)。

 そもそも「地獄篇」ってどんな話なのか、ってことなんですけど。
 あの、違ったらごめんなさいなんですけど、なんかダンテ天上人の意思的なものの導きのあれで、大昔の尊敬する詩人先生(ウェルギリウス)のエスコートのもと、地獄巡りをする、って話なんですよ、確か。地獄の色んなものの描写とかがね、シンプルにかっこよかったり恐ろしかったりして……みたいな感想はまあ置いといて(面白いよ!)。
 地獄に堕ちた人たちは、それぞれを犯してるんですよね。で、犯した罪の種類別でエリアがあって、罪に応じた罰を受けてるんですよ。

 たとえば、浪費家吝嗇家(ドケチ)は「適切な消費活動をしなかった」みたいな枠で一緒くたにされて、馬鹿デカい円形コースなんかデカくて重い石みたいなやつを転がす労働を無限にやらされて。双方逆方向でやってるから、半周ごとにぶつかるんですよね。ぶつかったら折り返しなんです。
 ナニコレ珍百景ですよね。
 あるいは自殺の罪を犯した者。これはなんか人面樹みたいなものにされちゃうんですよね。自殺者の森があるんです。痛みや意思はある、みたいなかんじですごくつらそうなんですよ。

 こんなかんじで、結構凝ったかんじの罰が、罪に応じて用意されてる地獄を、一ヶ所ずつ巡るわけです。

 で、ちょっと重複になるんですけど、こんな地獄の話を読んだあとだと、全然関係ないとこで見たものに「これ○○の罪を犯した人間が堕ちる地獄じゃん!」みたいな気持ちが芽生えたりするんですよ。
 これが「地獄篇メソッド」です。

 この話を友だちとかにするときにいつも例に出すのが……えっと、たぶん名前出しちゃまずいと思うので伏せるんですけど……。
 大昔、某○○娘なるアイドルグループメンバーのバスツアーがインターネットで話題になったことがあって。たーぶんそれっぽいワードで検索したら今でも出てくるくらいの、知ってる人は知ってる話なんですけども。
 バスツアー直前になって、そのアイドルが結婚を発表したらしいんですよね(まあもちろん自由ですよ、うん)。
 そのアイドルのファンの人たち、バスツアーなんてものに参加するような熱意あるファンの人たちの心境は、まあ結構乱れたわけですよね(これもまた自由。個人的には普通にありうる、自然な心境だとも思います)。
 で、ボロボロの心で、それでも折角のバスツアーだから、って参加したら、なんかそのバスツアーの出来が色々とヤバかった、と(これは自由じゃない普通にダメ)。是非検索してみてほしいんですけど、ほんと、うわあ何このクソツアー……ってかんじなんですよ。
 で、参加してた人の手で、ネット掲示板とかにそのおざなりツアーおざなり食べ物とか迷路とかの写真が貼られて、話題になって。
 七夕飾りを作るコーナーでファンの人たちが泣き出しちゃうあたりなんか、ほんと心に来るんですけども。
 ついこの前、ふとそのコピペを読みなおしたくなって読んだ時に、「アイドルを推すのが罪だったらダンテはこんな地獄を用意したかもしれんな……」みたいな感想が、心のなかに涌き出てきたんですよ。
 一応言っておくと、これはけしてツアー参加者のかたがたをバカにしているわけではありません。(「地獄篇」においても、ダンテは必ずしも罰を受ける人たちを見下しているわけではなく、事情によっては強い同情の心を示します。(「」はあくまでキリスト教における罪であり、ダンテの意思に基づく裁きではない、って構造が物語を面白く作れる余地を生んでる気もしますね。))

 これ以来、そんなかんじで話を見るのにちょっとハマっちゃって。結構地獄の罰っぽいものに溢れてるんですよ、現世。
 しかも「地獄篇メソッド」で整理すると、なんか話が妙にスッキリするんですよね。罪と罰のシンプル構造になるから、ですかね(こう書くとシンプルにしちゃうこと自体には功罪あるので気を付けたいですけども)。
 ぜひ、皆さんにもお試しいただければと。思ったり。思わなかったり。

 たまに自分の書く話も地獄として分解できそうだなって思うことがあったりもします。でもあんまり引っ張られないようにしようとも思ってます。
 理不尽不可解意味不明な人間性みたいなものも大事にしていきたいので、この辺はちゃんと使い分けられたらいいな、と思いつつ、まあ、どうなんだ?ちょっと分かんないですけども(何が?って思ってると思うんですけど、僕もそう思ってます)。

 次に息抜きで小説書くときは、ちょっと明るい話にしてみたい気もするなあ。
 というわけで、今日はこの辺で。 この文に最後まで付き合ってくれる優しい人、この世に一人もいない気がする。 

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 はい。なんかこの世に一人もいない気がしていたらしいですが、この前知り合いの方が読んでくれたので、とりあえず1人はいたぞよかったな僕

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 あと「神曲本当に面白いので、こちらも是非に。

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