見出し画像

一人旅一日目の日記:小松と滝ヶ原は車も人も少なくて何もない感がとりあえずすごい。

今日は早起きをして羽田空港から石川県は小松空港へ。新宿駅からバスタに向かう時に階段を間違えて一度降りた階段をまた登ることになったり無能感を味わいならの1日のスタート。なんでこんなこともまともにできないのだ・・・って自責的になっていたのだけど夜になって振り返るとどうでもいい。

飛行機が離陸して、やっと水平になったな・・・と思ったら数分で「まもなく着陸体制に入ります」のアナウンス。石川県、とっても近いです。感覚的には小松って千葉より近いくらい。

11時半に到着した小松空港で、レンタカーを借りる。雨が降っていて寒かったし、宿のチェックインにはまだ早いからとりあえず、温泉にでも入ろうかと片山津温泉総湯へ。東京は晴れていたのに雨が降っていて、「わたしゃ何をわざわざ天気の悪いところに来てしまったんだ」と思った。空は立派な灰色で、霰まで降ってくる。私はあまり運転がうまくないので、途中でワイパーが急に高速になってしまって焦ったり、左折する信号を間違えたりと一人でオタオタしていたが、はたと気がついた。

おや。後続車が、いないな。
対向車も、いないじゃないか。

小松、どう言うわけかものすごく車通りが少なくて、(そんなことしないけど)対向車線を走ったって大丈夫そうな感じさえするくらいのところが多い。なんだか車も人もいないし店も少ないし、ゆったりしている。だんだん楽しくなってくる。

温泉の駐車場にはかろうじて10台くらい車が止まっていた。

谷口吉生さん設計。Kusoかっこいい温泉

中に入ると、普通の銭湯と同じように近所の住民と思われるおばあちゃんたちがいっぱいいて集会を開いていた。ここだけはなかなかの賑わいだ。お湯は柔らかくて熱め。暇なので1時間くらい入浴しようと思っていたのに、熱すぎて10分でギブアップ。十分温まったから良いのだけど。

入浴後は浴場のすぐ近くのお蕎麦屋さんでランチ。この時期の大根、辛いですよ、大丈夫?と確認された辛味大根。大丈夫に決まってるでしょ!と思ったんだけどこれが本当に辛くて、これまたギブアップしそうになる。色は紫で綺麗なのに途中から修行みたいになりつつ完食。

大根が本当に辛い

大根にやられやる気を失い食後は早めにお宿に向かう。今夜のお宿は滝ヶ原ファームという、小さな村にある古民家を再生したゲストハウスだ。オーナーが家具屋さんなこともあってものすごくオシャレで高価な家具が並んでいる。土台の民家が大きく、どう切り取っても気迫がある。

滝ヶ原ファームのゲストハウスのある棟

到着後、管理をされているお兄さんと色々お話をする。滝ヶ原という街は、約200年前に石切場として栄えて当時は人口も2000人を超え、映画館まであったという。今では人口は160人くらいで、小学校も閉鎖してしまっているけれど、滝ヶ原石が見直されてまた採石も行われているらしい。まだ日が落ちる前だったので、歩いて一人でお散歩に出る。


誰もいない森ぞいの道を歩く


打ち捨てられた石の加工場みたいなのがある
採石場跡地がドーン。崩壊するかもなので中には入れない

1804年から採掘していたらしく、かなり掘り進んであってこれが村の経済を支えたのだな!というのがわかる。言われてみれば、村の住居の石垣などがやたら立派だったりする。

もう廃墟となった住居の前に立派な石がゴロゴロ


石のネズミーもいたり


民家の前に石のおじさんもいたり

この滝ヶ原という街、小松以上に、車も人もいないし何もない。

水路があって、畑があるくらいのところをひたすら一人で歩いた。大声で歌ったって誰も聞こえやしない感じ。途中で雨が降ってきて「ああ、この感じを待っていたんだよ」と声に出してみたら気持ちがスッキリした。

きれいな水が流れる水路

トコトコ1時間くらい散歩をしてまた滝ヶ原ファームが見えてきてホッとする。結局散歩中に誰にも会わなかった。

遠くに鞍掛山が見える

戻ってきたらニワトリが出迎えてくれる。

滝ヶ原ファームの裏庭には鶏もいる


せっかく何もないところに来たので、明日はどこまで何もせずにいられるかが自分との戦い。この、何もないところに楽園を作ろうとした人の勇気に今日のところは驚いて眠る。賑わいを作る仕事もすごいけど、孤独を作れるって、さらにすごい。

おやすみなさい!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?