#サウナ
#蕎麦

サウナーな柴田さんの書かれた武蔵小山温泉清水湯の記事を夏に読んで以来数ヶ月、ずっと気になっていたのだけど、この金曜日についに！初めて行ってきた。

もう10年くらいの付き合いがある同僚・元部下のメンズが、割と大きめの病気になってしまって、6月頃に手術をしていまは療養中なのをずっと遠くから見守っている。見守ると言っても、2週間に一回くらいの頻度でYouTubeやTiktokのアホらしくて笑える動画を彼に送り、感想を受け取っては脈絡のないやり取りを交わし、ぐへへと笑い合う、というだけなのだけど。その彼がやっと８割方回復してきて、外でお酒が飲みたいわというので、じゃあサウナ＆蕎麦飲みをしようぜということで金曜日の15時半くらいから出かけてきた。

清水湯の詳細は柴田さんの記事がわかりやすいのであまり私は色々書かないのだけど、総じてとても良かった。近所にあったら確実に通ってしまう充実ぶり。東京都内にあんな本格的な温泉があって、かつ銭湯価格って素晴らしすぎる！特に、黒い温泉を使った水風呂のプレミア感がすごいし、黄金の湯が源泉掛け流しときいてびっくり。都会にして、どんだけゆたかなんだ！と。金曜日の16時頃はおばさまグループで賑わっている感じで、サウナ室には常時3名くらいいる程度。サウナ室は無理すれば10人くらい入れそうだから、ちょうど良い。多分、清水湯水準だとこの程度なら空いている方なのではないかとおもわれる。

一方で、サウナの中にはテレビが放映されていて、普段は見ないから忘れていたけど民放の夕方のニュースって「私は純白ですけど世界が汚れてるのでご報告しまーす」みたいな話で溢れていて、ちょっと気持ち悪くなった。でもそんなことを気にするのは少数派なんだろう。サウナ室の中にはテレビモニターはない方がいいと思う。せっかくスマホをおいて裸になっているのに、民放のキャスターが頭の中に入ってくるのはフェアじゃない気がする。

たっぷり2時間楽しんだお風呂の後は、林試の森公園を超えて紫仙庵へ。ここはミシュランで星を何回ももらっているような有名店で、住宅地の奥の静かな場所にある。コロナ後は金土日の三日だけの営業らしい。

この季節は火入れをしていない生酒のひやおろしがあるので蕎麦屋飲みはとても楽しくて、特に今回は青森の八戸酒造の八仙が美味しかった。

まずはおつまみから。

他にも写真を撮り忘れただし巻き卵や片口イワシ、粕漬けクリームチーズなど、お酒のあても充実していてじっくり飲める。そしてトイレに行くとパネルやポスターで食べログ名百店やミシュランのお店だとリマインドされる仕組み。

締めはもちろんお蕎麦を。この日はサウナ後でお酒が回りやすかったので二人で3合ほど消費しただけでもうかなりふわふわした酔っぱらいにて、この辺りでデザートへ。

普段は私はデザートは食べないのだけど（糖質はお酒から摂る主義）、蕎麦がきのぜんざいは初めての経験で、抗えず頼まないわけにはいかなった。写真は食べかけで汚いかもしれないがこれはとっても美味なのです。ねっとりした蕎麦がきと、なめらかな餡が別腹に染み込んでゆくーーーー、そして濃いめのお茶で引き締まる口の中。

色々楽しくいただいてお会計は二人で13,000円ほど。普段のワカメの棲息地帯からするとちょっと遠いのだけど、ぜひまた行きたい！と思う素敵なお店だった。最後にマスターと少しお話ししたら、蕎麦屋は脱サラして始めたとのこと。40代から陶芸家、プロゴルファー、などいくつもの高みを目指しながらも蕎麦屋に活路を見出して25年ほどだそう。あなたたちも会社員の後の人生を考えておいた方がいいよ！と励ましていただいて、それが飲みながら話していた話題そのものだったのでまるでその夜の総括のようになった。

大病をした人が、そのことで落ち込んでしまうことは自然だし、もちろんそういうケースも見かけるのだけど、昨日会った彼は「これは僕の人生のターニングポイントだと思ってます。無駄なことに使う時間はないって気がついたし、まだ生きてるからむしろ病気になって良かった」とまとめていて、しなやかな精神の持ち主だなと改めて尊敬の気持ちが湧く。病気で気づいたこと（仕事のスケジュールで手術を1ヶ月遅らせたら病気が悪化していて、命を削ってまで守るべき仕事の約束なんて一つもないと思った、など）や、家族との関係の変化など、彼の意識が病気以前よりもすごく整った場所に移行しているのが見えて、そしてそれを取り巻く家族の愛もたっぷり伝わってきた。

途中から私は彼のお母さんや妻や息子に感情が憑依してしまって、最後は泣きながらお蕎麦を啜っていたただの酔っぱらいだったのだけど、おかげでとても豊かな夜になって、彼が無事生還してくれてワカメは本当に嬉しい。

ということで、レビューとしては随分散らかったけど、清水湯＆紫仙庵は黄金のルートとしてオススメ！武蔵小山最高！