スーパーの買い物帰りのレジ袋から、長ネギがびょーんと出ている人生に憧れていた。

サラダにタマネギが入っていた。
はじきながらも「食べてみよう」としたけれど結果、やはりむかむかとして落ち込む。

私は生の葱が食べられない。

ネギ・タマネギ嫌いは、煙たがれる。
そして、「人生損してるね」と不憫がられる。
さらには、「血液ドロドロになるよ」と忠告される。

私だってこんな世界のメジャー食材、食べられる者でありたかった。

「おいしくなーい!」とかワガママ言ってるわけでもないのだ。

全身全霊で、苦くて不味くて臭くて苦しい。
味覚的にも、消化器系的にも、受けつけられない。

口の中が、胃が、むかむかとその不快感が食べ終わったあともずーっと続く。

これはもう、全じぶんが拒絶しているとわかるし、私だってそんなじぶんが煙たいし不憫だし、かなしい。

後ろめたさもずっとあった。

「“ネギ抜き”でお願いできますか?」
とお店で声を掛けるたびに、申し訳なかった。

それは、よけて残してしまうことになるネギがもったいないからという理由からお願いするのだけれど。

作り手にとってはそれが、逆にわずらわしかったり、料理の仕上がりの見た目が左右され悩ましくもあるのも、わかっていた。

それでも、「ちょっとずつ食べられるようになったらいいね」とあの人が言ったから。

これまでだって何度も「食べられるかな」と試してみてるけど、で、ダメだけど、今日もまた挑戦してみた。それでやっぱりダメだった。むかむかむか。

でも、もう。

私は無理をしない。

むかむかしたついでに、むかむかした勢いで、そう決める。

ありのままの私でいる。
葱が食べられないじぶんを卑下せず受け入れる。
私らしく、葱のない人生を堂々と生きる。
(ただし、外食先での注文時の振る舞いは、これまで通り「お店の状況や様子を見ながら」かな)

大好きなゴマは何にでもたくさんまぶしてゆきたい。これからも。

それに、冒頭の憧れを叶える食材を先日見つけた。
───セロリだ。

これまでに、私が買うものではどんなに長くてもプリングルスが関の山だったが、最近のマイブーム「サラダ」のアレンジ食材としてひさびさに買ったそれが、レジ袋からにょきーんと飛び出たのであった。

それはもう、帰路るんるんだった。

 

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こちらもよければご一緒に🍴


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素敵です(男子発言ノート6より)
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大島智衣

ミームの粒

【その他読みもの】粒子ひとつひとつ