見出し画像

初めてのドイツ車・アウディA3【評価・★×4】

プレミアムコンパクトというパワーワード

昔から「小さい高級車」というカテゴライズを好みます。日本ではなかなか広がらない市場ながら「身の丈に合った高級車」「高級さの詰まった小型車」に憧れてきました。

AudiはドイツVW(フォルクスワーゲン)グループの高級ブランド。A3はアクセラやインプレッサに近いサイズです。全幅は1795mm。かつての5ナンバーフルサイズ(1695mm)より10cmも幅広。全長は4465mmながら、これをコンパクトといっていいのか・・・。

名古屋へ行く際、タステックレンタカーで借りてみました。


乗り込んでみる

まず、ドアを閉めたときの重厚な音でボディ剛性を感じ取れます

運転席に着座して感じたのは、車幅の捉えやすさ。これ本当に1800mm近いのか?? ずいぶん取り回ししやすく感じます。車内は若干狭いものの、アクセラのような圧迫感はありません。

サイドラインはフラットに近い。

Audiは水平に近いサイドラインでリアウィンドウの面積は広い。

これを後部へ行くほど上へ切り上げるようだと、ガラス面は狭くなり、運転席からの後部視認性を阻害し、後部座席の圧迫感につながる・・・と思うのね。

アクセラは後ろへ行くほどサイドラインを上げているため後方の視認性が悪いのが分かるかと思います。


インパネ周り

インパネ周りは、なるほど高級車。昔のトヨタ車のような嫌味を感じるほどの高級感ではなく、素材、配置、手触りを過不足ない正しさを感じます。Audiとはこういう車なのか。

室温設定をダイヤルにしているのも直感で分かりやすい。

ただ、こいつは使いにくい。最近流行のジョグダイヤル。

カーナビをこれで操作させるため、入力しづらいのなんの。後で知るんですけど、スマホのGoogleマップと連携できるため、終盤はそっちを使っていました。


さすがアウトバーンの国

スピードメーター、280km/hまである(((( ;゜Д゜)))ガクガクブルブル

オートクルーズコントロールをいじってみたところ、速度を200km/hまで設定できるんですがががが(((( ;゜Д゜)))ガクガクブルブル

200も出したら一発で免許取り消し。当然そんな運転はできません。

できませんけど、できませんのですけど・・・向かう先は名古屋であり、高速道路は東名と新東名を選べて、新東名は大きなカーブはなく直線主体。

試しに1●0km/hに設定してみたところ、

ふおおおおおお!!!Σ(‾◇‾;)

ゆっくり走ろう新東名(戒め)

知らない世界だったため怖さしかない。車の挙動やハンドリングなんて何一つ記憶に残りませんでした。ただひたすら一直線に加速していった。


クルージングの癖

清水あたりで雨が降り始めました。速度を落とし、オートクルーズを90km/hに設定。非常に楽なクルージングとなりました。

ただ、ハンドルの癖に悩まされました。

80km/hを超えたあたりから、ハンドルは中央のホームポジションで軽く固定されるんです。この固定がくせ者で。カーブや車線変更だけでなく、走行車線内で車の位置を保とうと思うだけで、腕に力を入れないと曲がらない。直線だと手を触れずとも車体はぶれません。

もちろんハンドルロックされるわけではないので、少し力を入れるだけで動くんだけども。たとえるなら、ゆるく閉まった蛇口のような感じ。一気に回して出し過ぎることはないものの、高速道路のハンドリングですから、回しすぎの恐怖は付いて回る。

そして実際に力をいれてハンドルを動かせば、動かしすぎた分は車の挙動へ反映されますから、その都度意識は緊張するんです。何でこんな妙な仕様なのか。気に入らんな、運転しにくいなと思いました。

ところがね。

愛知県へ入ったあたりで、ふと気付いた。

あれ、俺、休憩してない。

深夜なのに眠くない・・・。

そう。ハンドリングで常に細かい緊張を強いられるため、眠くなりにくいんですわ。このアプローチは本当に驚いた。もし日本車だったら「眠気感知アラーム」といったハイテク装備にするはずですよ。眠くなってからの「対応」ではなく、眠くしないための「予防」。国民性の違いなのかな、えらい感動しました。

えらい感動したけど、まあ、運転しにくいわな。


高速安定性は比較にならない

高速安定性はハンパじゃありませんでした。

雨の中で運転を続け、サービスエリアで休憩したときのことです。ドアを開け、身体を外へ出した瞬間、圧倒的な風の強さによろめいた。

え? こんなに風強かったの!? なんならこれ台風やん??

もちろん豪雨は分かっていました。でも風の強さは全く意識しなかったんです。台風並の暴風なのに車体は負けず、ブレず、しなやかに路面をトレースし続ける。そこに例のブレにくいハンドルです。


とんでもねえ、とんでもねえぞこの車は

人と物を安全に、快適に運ぶというのは、こういうことをいうのかと。徳大寺氏を始めとする自動車評論家が口を揃えてドイツ車を絶賛するのは、これではないか。自動車の基本・基礎をコンパクトカーでも実現できているからではないか。

正直なところ「走ること」に関してはアクセラじゃ比較にならない。同じなのはボディサイズだけ。1500ccのノーマルエンジンと、1400ccダウンサイジングターボじゃ比較にならないし、100万円以上の価格差もあるし、しゃーない。

アクセラの名誉のためにいうならば、ドライビングポジションやカーブの多い峠道はアクセラ有利です。スカイアクティブディーゼルの超絶燃費にも感動させられます。サイズは同じでもカテゴリーは全然違いました。

むしろスバル車オーナーがAudi乗ったら、案外気に入るかもしれんと思いましたよ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?