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【6/30まで無償公開】円谷フィールズの決算・5/15の取引

この記事は

東証プライム・2767 円谷フィールズホールディングスが素晴らしい決算を発表した。決算短信はパチンコ業業界にしては珍しく、興奮気味な夢に溢れる内容だった。これを受け株価は「とてつもない」上昇となっている。

2023年3月期通期決算

連結業績

売上高は文字通りの売上。利益の源泉です。営業利益は本業の儲け。純利益は企業が稼いだ利益から税金や利息などすべて支払い手元に残る純粋な最終利益のこと。

売上高・1171億円(+23.4%)
営業益・110億円(3.2倍)
純利益・82億円(3.3倍)

すっごーい。2年前まで赤字だったのに。


キャッシュフロー

キャッシュフローとは事業におけるお金の流れ。営業活動はいわゆる本業。投資活動は工場を作ったり有価証券を買ったり売ったり。財務活動は銀行から資金を借りたり返したり、株主へ配当金を払ったり。

営業キャッシュフローがマイナスなら本業で儲かってない証拠。その上、投資キャッシュフローがプラスだと成長への投資を行えず、資産を切り売りしてる証拠。さらに財務キャッシュフローまでプラスだと金を借りてやり繰りしてる証拠となります。

その観点で見ると、フィールズのキャッシュフローは極めて健全ですね。


遊技機事業

昨年の最多販売機種は、海でも牙狼でもなくゴジエヴァだったそうですよ。年末のグランドオープンでは目玉でしたもんね。もっと稼働するかと思ったけど、みんなエヴァ15へ戻ってしまいました。

↑ゴジエヴァ120台。ちなみに5月17日現在、5台まで減らされました。エヴァは80台を維持してるのに・・・・・・。それでもエヴァ16の登場時は奪い合いになるはずで、しばらく業績を下支えしてくれるでしょう。

パチスロでは犬夜叉がヒット。こちらも年末に稼働していましたね。スマスロやカバネリの煽りで外されるケースが目立つも、中古機流通の検査工場ではかなりの物量だと聞きます。廃棄されず、導入されてるっぽい。

中古機相場.comでは3万円ほど。狙い目じゃないかしら。

遊技機事業は今もフィールズの売上、利益の半分以上を占めます。なのに決算短信ではコンテンツ事業より後回しにされ、文面もあっさり。悲しい。

【売上高】
コンテンツ・145億円
遊技機部門・1008億円

【利益】
コンテンツ・44億円
遊技機部門・77億円

【売上高利益率】
コンテンツ・30.3%
遊技機部門・7.6%

コンテンツ事業は利益率がオバケ。

そりゃコンテンツに力を入れますわね。


コンテンツ事業(山本社長の興奮が隠しきれない決算短信)

何度か書いてきましたが、中国ではウルトラマン人気が高い。上海の遊園地ではウルトラマンエリアが一番人気となり、今月オープンした大連の遊園地でもウルトラマンエリアが設定されたそうですよ。

決算短信のうち、7割くらいがコンテンツ・ウルトラマン・中国の説明に終始しており、その全てが誇らしげ。パチンコパチスロについては文字だけの簡素な情報なのに、コンテンツ事業は図表で解説を加えています。

フィールズの前身は東洋商事。パチンコの業者でした。それがグローバルコンテンツビジネス企業へ脱皮したのだと。ほんのりパチンコ業界をdisってないかこれ。

とはいえ山本社長は以前から、コンテンツビジネス、世界相手のビジネスを夢見てきたらしく、「すべての人に最高の余暇を」との経営理念は一度も取り下げなかった。

いつもより興奮気味の決算短信は、夢が叶った社長の興奮を表してるのかもしれません。

そんなコンテンツビジネスのライセンス収入を見ると、国内が+27.3%だったのに対し、中国は+253.6%と、実に3.5倍。そら犬夜叉を1台ずつ売ってらんないわな。


今期の予想と懸念事項

売上高・1230億円(+5.0%)
営業益・120億円(+9.6%)
純利益・85億円(+3.4%)

3期連続の増収増益を予想しています。

遊技機の業績はヒット機種次第で大きく変動しますけど、前述の通り「エヴァ15」への機歴を考えれば、SANKYOとフィールズはスルーできません。遊技機事業は目標をクリアするでしょう。

また、懸念されていた上場廃止基準への抵触も、すべての項目で適合しました。上場維持となりそうです。直近の株価上昇は【業績+予想+上場維持】の3点セットかなと見ています。

懸念するのはコンテンツ事業。メインは中国であり、台湾有事ともなれば中国ビジネスは一気に冷え込みます。ウルトラマンは日本のコンテンツですから、国策として停止させられる可能性がある。2本柱に育てたのは見事なれど、柱になったからこそ、大きなリスク要因になってしまいました。


株価は?

決算発表を受け、株価は暴騰しました。

一時ストップ高となるまで買いが集中し、終わりにかけて少し下げたものの前日比+20%は〝暴騰〟と読べるでしょう。

5/16大引け時の株価(一時ストップ高)

翌日も勢いは止まらず、一時、東証プライム市場の上昇ランキング1位を記録しました。

5/17後場(13:53時点)

GA青山氏との関係を切ったら上がるんじゃない?と言ったときの株価は、分割を考慮して600円くらいでしたっけ。まさかの4倍増とは。

ここ1年のフィールズ株はひたすら上がり続けました。直近は伸び悩んでいたものの、わずか二日で年初来高値を記録。売買高を伴い「とてつもない上昇」となっています。

まあ、ここから買うのはちょっと怖いですけどね。


5/15の取引

+37,098円

5連勝!

めっちゃ安定してプラスを出してますが、ほとんど決算プレーのマネーゲームによるものです。

ラジオNIKKEIの鎌田記者、和島記者、そして元日興證券のトレーダー・櫻井英明氏らが取り上げる銘柄から、決算の歪みを発掘し、即座にポジションを取ることで利益を積み上げました。

毎日20回30回と売買を繰り返すため、まあ、神経がやられる。デイトレーダーはこれをずっとやるんでしょ。無理すぎる。そりゃ勝ってる人も疲れた顔をするはずですわ。


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