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そこなしににねなひび

日々の中で大切にしていること、香りや色のはなし、子育てや恋。疲れたときに、なにもかもから逃げ出したいときに、ほっとできるような世界をお届けします。
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記事一覧

「唄え」 虹-空-月-星-風

息子は2歳 こうして、 唄を唄うことを覚える。 虹色の橋がかかるまで ふにゃふにゃとした 可愛い声が奏でる不完全な一曲が終わるまで ぎゅっと 小さな手を握る。 境目のない虹色の その声が、柔らかさが わたしの中の愛を 狂ったように撹拌する。 それ

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今に、巡る

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重なる色の上を

唄うように、歩く。

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ままのたいせつなままごと

たいせつなしごとが、あとすこしできりがつきそう、というところで 保育園のむかえの時間がきた。 いつもは、ほいくえんが終わったら、 3歳の息子と一緒に 公園に行ったり、散歩にいったり、 するのだけれど そのひはどうしてもそれを完成させたかった。

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スマイソンの紺色のリボン

2016年12月29、新月 わたしは、 リボンがしっかり結ばれた小さなスマイソンブルーの箱を スーツケースに入れて、東京の横浜にでかけた。 家にひとつ、またひとつと増えていく同じ色の箱は、どれも 自分の手で買ったものだった。 その、スーツケースの中のリボンがかかったままの何が入っているのかわからない 同じ色をしたひとつ、以外は。 その新月に、 そしてわたしは、 その箱をあけるつもりで 夜の横浜をイルミネーションの観覧車の脇を たったひとり 歩いていた。 ただ、 なん

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時効 - 欠けた貝殻の破片

ああそうか、

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Spit Colors in Water

ある秋の日 突然 色が塗りたくなった。 それはとても、衝動的で そう、 セックスをしたくなるのと おんなじように、 やってきた。 その日はべつに、とくべつな日でもなんでもなくて とても、ふつうの日だった。 なにか悲しいことがあったわけでもなく なにかうれしいことがあったわけでもなく おなかの奥のそこのほうから、 ほんとうにまえおきなしに、 突き上げるようにして 「いろ」が 自分から、そとに出たいと溢れでようとしている。

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雪の上をあるく

冬 軽井沢 ◯ 雪の上を裸足で歩いた。 素肌に触れる冷気は、想像していたよりも優しくて、 世界は思っているよりも暖かいのだと一瞬そう思ったけれど、 足をひとたび雪の上に乗せたら、 その冷たさは想像していたよりも厳しかった。 当たり前のように冷たくて、当たり前のように凍りつくようだった。 空を仰いで、上を見上げて、 ゆっくりとちらつきながら近づいてくる雪の粒は、 足の裏からの感覚とは対照的にわたしを暖かく、護ってくれているようであった。

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”寂しい”という幸せな祝福

長い冬があけたあとの、 雪解けた景色は なんだか寂しさまでもを やわらかく彩るようで 久しぶりに「寂しい」という感覚のなかで しくしく涙を流したら、 大切な家族や、まだ見ぬ誰かのぬくもりを恋しいことが これほどまでに 幸せなことなんだとそう思った。

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言葉から、逃げたいから

わたしたちは 何か言葉を通して理解し合わなくても済むように 抱き合って キスをするのだろうと思う

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定刻30分前の”おかえりなさい”

わたしは、ずっと、怒っていた。 (Moon river オードリーヘップッバーン) 12月に突然音信不通になった恋人から 4月に前置きなく「予定教えてね」と連絡が来て 私たちは逢うことになった。 ● 4ヶ月ぶりに部屋に彼が来たら わたしはまず、なにも言わずに 黙って抱かれて 「おかえりなさい」 とでも言うつもりでいた。 なんていうか、わたしたちはロマンチックな恋愛ごっこを楽しんでいるだけで そこにリアルな生活だとか、

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辛くて、いい

きょうは、とても、疲れた。 「楽しそうで、幸せそうなひとに ひとは惹かれるよね」 ということばに囚われていた自分に気づいた。 もう幸せそうなふりなんてしなくていいし、 楽しそうなふりなんてしなくていいし、 辛くて、いいや。 落ち込めることとか悩めることが しあわせなんだとかなんだとか、 もうアレコレ思わなくていい。 落ち込んでる時点で 全然幸せだなんて感じられるわけないし。 苦しいのは自分で苦しさを選んでそうなってるのだとか もうそういう難しい理屈もうん

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そらに還して、戻す

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所詮綺麗な水の中でしか生きられない

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