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モーニングの楽しみ

モーニングは愛知県では一般的すぎる文化なんだけど、どうもほかではそうじゃないらしい。

読者の方やクライアントさんからそう聞くたびに、

愛知県民にとってそれは都市伝説みたいな感じで、いまいちまだ信じがたいというかこう、何十回その情報をきいても全くピンとこないのでした。

いつも通り善良な市民(愛知・岐阜・三重・静岡あたりの市民は除く)のためにモーニングとはなんぞやということを説明しておくと、それは英語でいうところの「朝」という意味で、

第二の意味が、

喫茶店にいって、朝コーヒーとか紅茶を注文したときにコーヒーとか紅茶にデフォルトでパンとゆで卵がついてくる、当然ながらそこにアンコが乗っていることは日常的な、

まあ善良じゃなくても誰でも知っているだろう日本の現代習俗のことです。

もうすこし正確に言うと、飲み物を頼んでトーストとゆでタマゴがついてくるようなケチくさい喫茶店は、少なくとも私の棲んでいる区域ではひとつもなくて、母は今朝行った喫茶店のモーニングに、車にのるやいなや、「しょぼかったね」と言っていました。

ちなみにコーヒーを頼んでついてきたのは、5種類から選べるトースト半分、(ハムタマゴ、生クリーム、はちみつ、アンコ、など)、ヨーグルト、具の入ったポーチドエッグ。

それは東海地方に住む我々にとって「しょぼい」にはいるみたいね。追加料金0円でそんだけついてきて、しょぼいもへったくれもないけど。

よく、県外のテレビとかで「○○市!モーニング激選区、びっくり!」とか紹介されてることがあるけど、我々にとってそれはまったくびっくり仰天ではなくていたって普通の光景であります。

近所のモーニングに行ったとき、コーヒーとトースト、タマゴの代わりに茶碗蒸しがついてきたことがあって、さすがにその時は

「合わねえよ・・・」

「あわねえっていうか、朝から茶碗蒸しなんて食いたくねえよ・・・・」

と思ったものですが、別にそれが付いてきたこと自体は驚くべきことではなくて

同じ人の経営だと思われる和食屋が、となりに店を構えているため、

まあ朝の仕込みでちょうどいいし、ゆでたまごより豪華でいいんじゃないかと思った程度だと思うんだね。

まあそんなこんなでバラエティ豊かな朝ごはんを、ときどきこうして週末の朝なんかに「しょぼい」だの「豪華だったね」とああだのこうだの言いながら

交代でハシゴをするのが、ささやかな楽しみでもある

愛知県民なのでした。

ちなみにモーニングの楽しみというのは、こうなんていうか

内容がどうこうとかもあるけれど、

わたしにとってはとりあえず、その

朝から喫茶店でお茶しながら1日の予定などを立てる、とか

上に書いたような週末のささやかな家族団欒の時間、とか

保育園にただでさえ遅刻の時間なのに

モーニングに寄ってから優雅に遅刻する、

といったような

そういうとっておきな時間の部分にある気がします。


全然関係ないけど、昔つきあっていた青森出身の男がある朝一緒にモーニングにいった時

「このアンコだけはどうにも理解ができない」とつぶやいていたのを見て、

「は?この男何寝ぼけてんの」と

思ったわたしは、

モーニングをこよなく愛する(まあ別にアンコファンじゃないけど)、

正真正銘の愛知県民であります。

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