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スパークリングゴールド色のねずみ5

スパークリングゴールド色のねずみ4

つづき


二周目。それぞれ1個質問ができるというところで、1回目のようなカオスは起こらなかった。
ほとんど自分の仕事は終わっているような気さえして、その会場にいた12人の中でそれぞれ同じ色を持っているかたは何人かいたが、スパークリングもゴールドもひとりもいなかった。

脱力したまま、中途半端な自意識と特別感のなか、「わたしはゴールド。引き寄せできなくても、ゴールド。腐ってもゴールド。」
というフレーズが頭のなかでこだましつつ、

一応、今回携えてきていた3次元と5次元の狭間の矛盾をどう質問するかと、悶々と考えはじめる。


さきほど言われた「望みを叶えられるはず」なのにそれができなくなった経緯についてアドバイスがほしいとか、
物質世界と精神世界の目指すものが矛盾している部分についてご教示願いたいとか、
高次でいうところの物質を超えるという概念について、

延々ぐるぐるし始めて、いいや、もう「質問が思い浮かばないので何かあればお願いします」と最悪言おうと思った。

そこにいる善良なひとびとはみな、

「今の仕事以外でなにか向いている業種など教えてほしい」とか、「仕事とパートナーシップの両立はできますか」とか、
それぞれがそれぞれの悩みをわかりやすく彼にひとつづつ相談していた。

3次元と5次元の矛盾について眉間にしわを寄せて質問しているような人はひとりもいなかった。


ここでも「わたし、ゴールド」という過剰な自意識に加え「またわたしだけ・・」といういつものおごりパターンの波に溺れたまま、自分の番が来て、口を開いた瞬間、まずいことになった。


三回名前を言った一回目とはうって変わり、ひとこと、ひとこと言葉を口から吐き出すたびに、石のように喉がつまり、言葉がでてこない。

嗚咽が走り、涙が溢れ、まとまらぬまま、身体中を苦しさが駆け巡ることになったのである。

「さっき言われた現実化する力があるはずなのだけれど、3次元での自己実現に対し、高次元の自己実現を追求するがあまり、物質的な目的を何かを叶えるたびに、絶望に陥り困っている。なにかいいアドバイスがほしい」

といったことをめちゃくちゃ時間をかけてなんとか、伝えた。何がどう詰まっているのか、一回目の落ち着いて名を告げた状態とはうって変わっての自分の様子。

そして通訳の方が、一応ぎりぎりわたしの言いたかったことを彼に伝えてくれて、その後彼の返答によりわたしの感情は一気にクライマックスを迎えることになるのである。

そのつまりの正体は、激しいほどに巨大な、「怒り」だった。

自分が長らく抱えていた問題と感情の矛先として、スピリチュアルなリーダー、3次元の代表として。その怒りをぶつける対象として、わたしは彼を、選んだのだろうか?

いや直接彼に怒りを感じていたとは言い難いかもしれない。わたしの長年のつまりが、その彼への「質問」に集約されていた。
そこには積もり積もった憤りのエネルギーが乗っかっており、それでわたしは言葉に詰まったのだ。

彼はわたしの質問を聞いたあと、質問には答えてはくれなかった。正確に言うと、質問の内容とかそもそも聞いてなかった風に見えた。

ただ、「激しい怒りが自分のなかに苦しさを生んでいる。君の中にある怒りがいまほとばしったものをひしひし、感じる。」

それを表現していたときの彼の様子は、まさに
「わたしが自分の怒りを彼に直接ぶつけたとき」の痛みさながらであり、正直それ自体がショックだった。

なぜなら、自分のなかにこれほどの怒りがあったこともショックだったけど、どの辺が一番ショックだったかというと多分、一周目でヒーローになり輝いた直後、そのヒーローは中身はドロドロに怒りを抱えていたという化けの皮が剥がれた感じね。

それを12人の前で露呈され、感情を常日頃扱うプロとして、自己管理の部分で全くできていないという恥ずかしさのような感じも混じってたかもしれない。
もちろん彼はわたしが日々感情を扱うセラピストであることは知るよしもなく、「怒り」の解放も常々ケアしていることも知る由もなく、
丁寧に「怒りを外に出す方法、その1」みたいな感じで教えてくれた。

「ノートに書きなぐって破ったり、枕にむかってバンバンやったりね」



チーン。

それ、自分が毎回クライアント向けに、ブログに書いてるやつだわあ。


わたしはこの2年、自分のことを外に向けて書くことを途中から辞めた。
特に事情があったとか、隠すことがあったわけではないが、ひたすら自分のネガティブな感情も乗り越えていくプロセスも、癒しの実況中継を事細かに記してきた時期を経て、次の段階に進みたかった。

そのせいというわけではないかもしれないが、表面上外からはあまり「自分の内側のドロドロ」が見えづらく、本当はたくさん溜まっているのにギャップが激しくなっていて、一見安定して見えたりとか、それがさらに自分の感情を詰まらせている、ということを指摘される。

ブログで自分のことを洗いざらい書く、というのを一旦休止にしたとて、感情のケア自体はそれとは別なので
その部分に関してはたとえ一部が残っていたとしても別にそれは不思議でもなんでもないし、問題ない。

ただ癒しのプロとしてのプライドはズタズタになり、「一見ゴールドだけど、内側には怒りかかえまくってる人」
という一番イタイ感じというか恥ずかしい感じに終わった。

いや特に、12人にどう思われるかどうかは見知らぬひとたちなのでさほど重要ではなく、書きながら気づいたけど、
こんなときにもそのドゥーガルという全米トップのサイキックのお兄ちゃんに認められたかった、という気持ちが出ている。

最初期待させて、落胆させるというパターン。わたしの延々のテーマでありトラウマだ。
それは自分を慕ってくれる人もそうだし、自分が慕っている上の人に対しても。

20歳くらいのときに、つきあっていた彼氏が「あいつは見た目はいいが性格は最悪だ」と他人に漏らしてるのを知ってトラウマになった。

第一印象が良すぎるがゆえの、転がり落ちるしか道がない悪夢よ・・。


その後アドバイスの中に、「次元をひとつ上がりたかったら、怒りを抱えてはいけないから、まずは怒りを解放して」とまとめられた。
ていうか怒りをぶつけられて嫌だったろうに。と冷静に思うけど、

わたしが知りたかった答えは、次元を上がる方法ではなかった。

高い次元と、低い次元を行き来するには、バランスをとるには、統合するにはどうしたらいいか。という疑問を解消したかったのだ。
そう尋ねたはずだった。

それはわたしの激しい怒りの噴出のため叶うことなはく、わたしの怒りはさらに輪をかけて噴出することになり、

最終的には3次元への怒りごと、解放するしか道はなくなり、結果見事、自分のなかで掲げていたテーマはクリアされることになるのだが、
なんていうか、狐につままれた感は否めないまま

結局3次元と5次元の意識における矛盾という部分は、苦しささえ消えたももの、未解決のまま持ち越されることになった。

というかは、

苦しさが拭われた時点で、解決したのかもしれない。



○6で最後、つづく。
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