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辛くて、いい


きょうは、とても、疲れた。

「楽しそうで、幸せそうなひとに
ひとは惹かれるよね」

ということばに囚われていた自分に気づいた。



もう幸せそうなふりなんてしなくていいし、

楽しそうなふりなんてしなくていいし、


辛くて、いいや。




落ち込めることとか悩めることが
しあわせなんだとかなんだとか、

もうアレコレ思わなくていい。



落ち込んでる時点で

全然幸せだなんて感じられるわけないし。




苦しいのは自分で苦しさを選んでそうなってるのだとか

もうそういう難しい理屈もうんざりだと思った。




不幸で、悲しくて、辛くて、


そのままで、

よかったんだ。




幸せでいなければ愛されないとか

楽しくしてなければ
欲しいものはやってこないとか

そんなことは全て忘れてしまおう。



わたしは、

死にそうに辛くて苦しくて


気が狂ったように泣き続けた真っ暗な日々も、

花を持って私を抱きしめにきてくれるひとはいた。




不幸であろうが、

幸せであろうが、愛されるから心配しなくていいし


わたしが目の前のことに夢中で楽しんでいようが

普通に幸せを感じていようが、



突然いなくなるものは、

なくなるのだ。




大切にしていようが 無造作に扱っていようが

ずっとそばにいるものは、

いる。





いつか本当に辛いことが起こったとき

わたしはただ、

淡々と自分を満たすために

日常の生活に集中することしかできなかった。





ほかにできることなど、

何もなかった。




ひめちゃんは、


死んだのだ。






もう

どこに向かうことも


しなくていいのだと思う。





幸せとか、楽しいとかすら

本当は追いかける必要などないのだとわかる。





できるかぎり叫ぶように声をあげて、
出し切れるまで泣いた。

うずくまって悲鳴のような声がでて、

3回か4回それを繰り返したところで

そばにいた1歳の息子が
共鳴するみたいに泣いて、

わたしたちは

歌を一緒に合唱しているようだった。





これ以上声も出なくなるまで

儀式みたいに鳴いて

彼を抱き上げて
「生きている」のが

どんな感触か、

しっかりと確かめた。



生命力と
ぬくもりに溢れた

一切の不純物の混じらない

その笑顔が、



「いま」そのものなのだと

わたしに教える。





とても、疲れた。



わたしは、


全然幸せじゃないけど、



もう本当に

それでいい。




なにもかも

十分すぎるくらい、

ここにある。





眠ろう。



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